国際協力

2009年11月11日 (水)

2009年10月例会:「アフリカの子ども兵」を知り考える

旭川平和委員会青年部10月例会を開きました。テーマは「アフリカの子ども兵」で、子ども兵たちがどうやって増えているかと、元子ども兵の社会復帰へ向けた課題、その背後で利権をめぐり蠢く大国の姿などがレポートになりました。

学習会のレポーターを務めてくれたのは8月に「入会したい」とメールをくれた旭川市内で働く3児のママさんのNさん。Nさんはこれまで必死に仕事と育児にがんばってこられました。今年2月、テレビで見かけたアフリカの子どもの「目」が気になりアフリカ問題に注目。5月に北海道新聞紙上でアフリカの子ども兵への社会復帰支援をしているNGOの活動を知り「知ってしまったら、関わらずにはいられなかった」とNさん。旭川で一緒に活動できるグループをウェブ上で探しているとき偶然に旭川平和委員会青年部と出会い即メール。9月例会にゲスト参加され、直後の10月例会でレポーターを務めていただきました。

Nさんはパワーポイントで子ども兵の現状を報告しながら、特にウガンダやコンゴの実情を紹介してくれました。子ども兵とは正規・非正規兵を問わず、男女の別なく非戦闘員も含め武装勢力の活動全般に参加させられる18歳以下の子どもを指すそうです。なかには兵士の「妻」として「与え」られ身の周りの世話や性的虐待を受ける少女の例も多いとか。武装勢力も「子ども兵」の存在について対外的に隠さないと困るようで実態は明らかになってないこと、子ども兵が成人すれば「成年兵」となり姿が見えなくなることなどが言われています。「子ども兵」は世界で30万人以上いるとされ、ほとんどは誘拐され強制的に子ども兵にさせられています。そういう点で彼らは「被害者」なのですが、出身村落で殺人を強いられたり「親を殺さないとお前を殺す」と肉親殺しを強要されるなど「加害者」の側面も併せ持ち、精神的に強いダメージを受けている他、村落から「人殺し」のレッテルを貼られ社会復帰できない等の状況があるそうです。

武装勢力側は使い捨てにできる絶対服従する安易な戦闘力として子ども兵を「重宝」し、夜陰に紛れて誘拐を繰り返しているとか。村落側も夜だけ子どもを一ヶ所に集めて警護するなどの対策をとっているそうですが、子どもが何キロも歩いて毎夜移動せねばならないなど根本的には解決していません。また、カラシニコフなど使いやすい銃の存在が子どもを「子ども兵」化しているなどの指摘もあります。同時に、子ども兵を「多用」しての武力紛争はそれぞれの国に眠る希少金属(レアメタル)やダイヤモンドなど地下鉱物資源をめぐる大国間の争いの影響をうけています。これらの根本原因を一つひとつ取り除いていく国際社会の努力が求められるのではないでしょうか。

論議の中で私から「日本にも性格やあり様は全く異なりますが『子ども兵』がいることをご存知ですか?」と提起すると驚きの声が広がりました。一例として陸上自衛隊少年工科学校の事例を紹介し、中学卒業して3年間宿舎生活で軍隊教育を受けること、入学後すぐに小銃を渡され扱いを訓練させられること、授業には愛国心教育なども含まれ徹底的に自衛隊教育を受けることなどを紹介しました。

■陸上自衛隊少年工科学校
http://www.mod.go.jp/gsdf/yt_sch/monogatari/index.html

例会にはNさんも含め子どものいる3名が参加しており、同じ部屋のなかで2歳から小1までの子ども3名が駆け回る賑やかななか行いました。自らの子どもの姿を目にしながら、「他人事とは思えない」「日本で何ができるのか考えたい」と胸を熱くする親御さんの姿もありました。

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2009年4月21日 (火)

北海道平和学校09:アフガニスタンに必要な国際支援*日本にできること

2009年4月18日、札幌で「アフガニスタンに必要な国際支援*日本にできること」と題して北海道平和学校2009が開かれ、約80名が参加。旭川・上川地方からも5名の青年が参加しました。

講演したのは日本国際ボランティアセンター(JVC)の谷山博史代表。谷山さんは1986年にJVCに参加。タイ・カオイダン難民キャンプを皮切りに、ラオス・カンボジアでの駐在を歴任。94年からJVC事務局長。2002年には再び現場に戻り、アフガニスタン現地代表。06年から現職。この現場での長い経験から得た経験や教訓が谷山さんの「確信」を形成しておられるのでは?と感じました。

090418_184302 ■講演する谷山さん

講演ではアフガニスタンそのものの紹介から始まり、アメリカによるアフガニスタン攻撃後の「泥沼化」する現地情勢や人々の生活の息遣い、何が困難にさせているのか、などが詳しく語られました。アメリカや諸外国が増派すればするほどタリバンなどの支配地域が広がっていること、その背後に深刻な貧困があること、増派や米軍の残虐性が広がるにつれ国際NGOが活動しにくくなっていることなどから、アフガニスタンの人々にとって「複合的な危機」が広がっていることを訴えました。それは450万人もの栄養支援を必要とする国民がいること、うち子ども100万人、女性50万人は栄養失調状態にあること、一方で中立的援助スペース(人道支援活動の場)が失われつつあることを指摘。

特にPRT(地方復興チーム)と呼ばれる各国軍による人道復興支援事業が軍事作戦と人道支援の境目をわからなくさせており、またPRTの軍事化がすすみPRTの得た情報が軍事作戦に転用されている等、アフガニスタンの人々が「人道支援」を信頼できなくなっていることを大問題として指摘しました。JVCが開設していた診療所がPRTに占拠され、支援とは名ばかりの横暴や診療所からの「射撃訓練」、診察も無く医薬品をばら撒く危険な活動を目の当たりにし、JVCの告発や国際NGOの団結の力もあって止めさせた事例も紹介されました。「とにかくまずPRTをやめさせなければ」との言葉に納得するとともに、某国首相が「人道復興支援ですからっ!」と自国の軍事組織をイラクに派兵した事例が思い浮かびました。谷山さんが「軍隊には人道支援はできない」と断言された姿に強く共感しました。

タリバンなど武装勢力が復活していることに関連し「一番不安に思っているのはカルザイ大統領ではないか」と話し、以前まったく無視していたタリバンとの交渉を公言するようになり、2008年10月にはサウジアラビアの仲介で交渉がはじまっていることを紹介。また、武装勢力といえばタリバンばかりが有名ですが、実は他にもいくつもの勢力がある、と詳しく紹介され、それらを含めた全勢力による真の和平合意が必要ではないか、と問題提起されました。

特に講演のなかで印象深かったのは、まず第一に谷山さんの信念とも言うべき「対話しか平和を実現できない」との固い決意。そして現地の人々との長い活動の土台に得た教訓としての「どんな相手も信じる。しかしアテにはしない」との言葉。何よりも異なる文化圏での支援にあたっての姿勢と言うか、決意と言うか、そういうものへの大きな共感を感じました。

そして日本のあるべき姿に対して、アフガニスタンの人々が日本にもっているイメージが良いことを「特殊な財産だ」と指摘。これを活用すべきなのに、軍事一本やりの逆の対応をしようとしていることに強い懸念を述べられました。

090418_184202 ■目立つ若い参加者

講演後、平和学校を準備したスタッフとともに、旭川からのメンバーのうち4名も谷山さんとの懇親会に参加。親しく言葉を交わす中で谷山さんに「ぜひ旭川にも来てほしい」とお願いしてきました。来年とか、あまり遠くない時期にぜひ旭川でも講演いただけるよう機をみて具体化したいと思います。

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