政教分離

2008年4月21日 (月)

北海道護国神社の「町内会ぐるみ」寄付集め、はじまる

Kc330190copy 旭川市内のある町内会で北海道護国神社奉賛会からの寄付依頼を紹介する文書が掲示板に掲揚されました。今年の4月19日付の文書。締切が5月15日まで班長へ、5月20日まで神社委員長へ、そして5月25日までに奉賛会へということです。この時期、旭川市内の各町内会でも同様の動きが強まると思います。靖国派の地場最先鋒、護国神社への寄付の意思が無い大多数の市民のみなさんは、間違って寄付してしまわないように注意しましょう。

Kc330192 これら文書のうち、奉賛会の趣旨説明をよく見てみます。文書では「明治の初めよりこの方、祖国の平和と国民の幸福を願い尊い命を捧げて国難に殉ぜられた六万三千有余柱の御英霊(みたま、とルビ)様を慰霊いたします大祭が近づいて参りました」と、6月4-6日の慰霊大祭を意識した寄付集めであることを述べています。次いで「戦後、占領政策により国からの援助はすべて絶たれる中、将来の英霊報慰と護持運営の為、基金を積立ててゆく次第」と述べ、「英霊報慰」は国が援助すべき事業だと訴え、それへの支援が絶たれているのは間違った占領政策のためだと米国主導の占領政策批判(=極東軍事裁判に代表される東京裁判史観否定の見解)に立脚し、「だから市民が出すのは当然」とばかりに「年中行事」として寄付を呼びかけています。

そもそも、戦争犠牲者お一人お一人の冥福を祈る気持ちは多くの市民に共通であろうし、山田もその思いは強く感じています。間違った帝国主義的戦争、ファシズム侵略戦争の犠牲となった先人に対しては、その冥福を祈り足跡を忘れず記憶してゆくと共に、平和で国際社会で責任ある役割を果たせる平和国家日本をつくることこそ最大の慰霊であると感じています。しかし山田にしてみれば、戦前、侵略戦争に駆り立て「靖国で会おう」と生きて帰れないことまで受忍させられる思想動員の主柱となった「国家神道」を現代に受け継ぐ方々から「祖国の平和と国民の幸福を願い尊い命を捧げて国難に殉ぜられた」などと言われるのは、どんなものかと疑問に感じます。

Kc330191 さて、北海道護国神社の寄付集めですが、このように町内会で「芳名簿(芳名録)」を回覧(この町内では掲示)して寄付を集めるパターンの他に、いくつか町内会を「神社の下部組織化」している例が見受けられます。

一つは町内会としてまとめて募金を払う例です。このうち1-Aパターンは町内会費の経常会計のなかから「寄付金」の一つとして日赤や共同募金会などとともに「護国神社」へいくらいくら、と支出する場合。これは町内会を脱退するか、自らが払う町内会費から予め【支出額〈割る〉町内戸数】の金額を差し引いて抗議するか、または町内会の総会で支出とりやめを提案し賛成を得ることなど事を荒立てない限り自らの意思に反して護国神社へ支出されることになります。1-Bパターンとしては町内会費徴収の際にあわせて○○の寄付がいくらで等々と徴収される場合です。この場合、徴収の際「私は護国神社には払いません」と言えば済みます。これも徴収担当者(班長など)に対して少し角が立ちますね。

二つは神社委員さんなど特定の担当者が戸別訪問して寄付を呼びかける場合です。山田の町内ではこのパターンで、班の神社委員さんが回ってきました。転入直後に一度訪ねてきて「護国神社と○○神社への寄付をお願いします」とおっしゃるので、「私は神社への寄付はしません。特に護国神社は絶対しません」と申しあげたら「わかりました」と、その後は一度も来ていません。このパターンの場合、住民の自発的意思により諾否判断できますから上記1-Aパターンより良いのですが、問題は神社委員が町内会の役職として位置づいていることにあります。とりわけ良心的キリスト教徒などが輪番にあたると、強い拒否反応を示されます。永山地域のあるキリスト者は班長の役割として寄付集めとお札の注文集約をせねばならぬことから輪番の班長就任を拒んでいます。一方で「自分は護国神社に否定的なので、積極的に寄付をあつめないために神社委員長を長く務めている」などというツワモノまでいます。いづれの場合もトラブルの根源になっています。

この問題ではいくつか判例が出ていますが、例えば自治会費として神社費を一括徴収したことが憲法違反にあたるとした2002年4月12日の佐賀地裁判決(判決確定、判決概要(下にスクロール)、判決文ダウンロード)があります。さらに今月3日、自治会費として募金を上乗せ徴収することは違法で無効だとした最高裁判決が確定したとのニュースが舞い込んできました。この判決では直接の対象を共同募金会や日本赤十字社への募金としていることと、自治会(町内会)を「生活上必要不可欠」とし、思想信条に反する募金を拒むためには脱退しかないという上記でも述べた事例は自治会(町内会)側に非があり、と最高裁で確定したわけです。「社会的に許容される範囲を超える」ということで、何でもかんでもというわけではありませんが、判決の趣旨は現場で生かされるべきです。

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2008年4月 9日 (水)

名古屋高裁判断「市長の神社祝辞は違憲」

北海道新聞2008年4月8日掲載の記事ですが、道新webに掲載がなかったので、内容はちょっと違いますが時事ドットコムから以下引用します。

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Photo_2 2008/04/08-01:15 神社式典で祝辞は違憲=市長に公金返還命令-名古屋高裁支部
石川県白山市の角光雄市長が神社式典に出席し祝辞を述べたのは違憲として、同市内の男性が公金返還を求めた訴訟で、名古屋高裁金沢支部(渡辺修明裁判長)は7日、「市と神社の関係は社会的条件の限度を超え、憲法が禁じる宗教的活動に当たる」として、請求を棄却した1審判決を取り消し、市長に2000円の返還を命じた。
渡辺裁判長は「祝辞の目的は宗教的意義を持ち、効果は特定の宗教に対する援助、助長、促進になり、社会通念上儀礼の範囲を逸脱している」と判断。市長の行為は政教分離に反するとして、公用車運転手の手当分の支出を違法と認定した。

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時事にはないものの、道新では書かれていることがいくつかありますので紹介します。

原告の男性が求めた公費返還は約1万6千円。この内訳は記事では明らかになっていませんが、判決が認めたのは公用車運転手の時間外手当2000円。金額は小さいものの、祝辞の違憲性と共に、違憲支出と認めたことは大きいと思います。

それからどういう神社のどういう式典だったか、ということも時事では書かれていません。2005年6月に「白山比咩(しらやまひめ)神社」の「御鎮座二千百年式年大祭」の奉賛会発会式に来賓として公用車で出席。祝辞を述べたそうです。

そうなってくると微妙なのがこういうことですよね。そもそも判決は確定していませんので、まずは判決確定まで見守っていきたいと思います。

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2008年4月 1日 (火)

日本山妙法寺旭川道場が「2008年非暴力・平和巡礼」

日本山妙法寺旭川道場(旭川市神居町富沢、石谷政雄さん)が「2008年非暴力・平和巡礼」をスタートさせました。日程的には、3月29日~31日までの3日間、陸上自衛隊旭川駐屯地正門前で「平和祈念断食」を実施。4月1日~10日までかけて国道12号線に沿って札幌まで巡礼し、11日~13日まで札幌市内の自衛隊施設前で「平和祈念断食」を再度行います。

山田が平和巡礼を知ったのは30日のこと。買物公園で日本山妙法寺の信者さんが配布していた同巡礼のチラシを友人から受け取ったのがきっかけでした。日本山妙法寺(公式サイトwikipedia)といえば日蓮宗のひとつで、各地の平和運動で先頭に立ち、「宗教者九条の和」など平和を実現する共同行動に積極的に参加しているとの印象をもっています。イラク開戦のころは、旭川市内で取り組まれたピースウォークにも参加されていたように記憶しています。そこで、どのような行動を行われるのか取材してきました。

P3310038 31日午前、旭川駐屯地前につくと念仏を唱えながら歩道をゆく3名の僧侶達。正門へ行く前に「旭川地方協力本部」の玄関前でも念仏を唱え、一路、正門へ。正門では自衛官が待ち構えていました。そして歩いてくる僧侶達にむけてカメラで撮影を。はじめて目の前で確認しましたが、これが情報保全隊の記録になるのだと思います。

P3310048 正門前ではまず石谷さんが要請の趣旨が記載されているチラシを対応する自衛官に手渡しました。自衛官は「わかってます。昨日も、一昨日も私が受け取りましたから」と苦笑しながら受け取り、「ここまでが自衛隊の敷地ですから」と立ち位置について細かく指示。私達平和団体に対してはより威圧的で排除されると思いますが、仏教者に対しては一定の配慮があるのかな、と思いました(あくまで山田の私見です)。

P3310043 その後、3名の修行者のみなさんは正門脇に立ち、一心に「南無妙法蓮華経」と念仏を唱えました。申し訳ないと思いながらも石谷さんに少しお話を聞きましたら、「自衛隊は憲法違反の存在。条文を読めば誰でもわかる。その憲法違反の職にあって国民の税金で給与を得ている自衛官に、そのことを気づいてほしいのです。そのために祈っています」と話してくださいました。

石谷さんたちは今日4月1日に旭川市内を行進した後に旭川市神居古潭まで行かれ、その後は2日・深川、3日・滝川、4日・砂川、5日・美唄、6日・岩見沢、7-8日・江別(潅仏会)、9日・札幌に着かれ、10日は札幌市内行進、11-13日まで札幌市内の自衛隊施設前で「平和祈念断食」に取り組まれるとのことです。場所については真駒内の自衛隊前か、北部方面総監部になるか現在のところ未定で、相談して決めるとのことです。石谷さんたちの巡礼が事故や病気無く無事に最後までたどり着かれることをお祈りします。

【参考】

地球と平和のために 21世紀に生きる宗教者

日本宗教者平和協議会:編/新日本出版社:刊

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2008年2月12日 (火)

2・11「建国記念の日」関連集会/参加報告

2月11日の「建国記念の日」に旭川で開かれた2つの集会にそれぞれ参加してきました。靖国派は「建国記念の日奉祝会」、政教分離派は「旭川2・11平和集会」。それぞれについて概略を報告します。

「紀元二六六八年 建国記念の日奉祝会」

ロワジールホテル旭川で開かれた実行委員会主催の同集会。事前宣伝で午後2時から式典があり、午後2時40分から講演があるとわかっていたのですが、都合の関係で2時40分に会場到着しました。ちょうど式典が終わったところで短時間の休憩。会場に入り後ろの方に立っていると目の前を制服を着た第2師団長・師岡陸将が「前の方が人が少ないから・・・」と談笑されながら通過される。おっしゃるとおり、会場は400席ほどでしたが入場していたのは320名~多く見積もっても350名くらいかと思います。

実行委員会の代表は日本会議上川会長で豊岡中央病院を運営する医療法人の理事長田下昌明氏。後で聞くところによれば、日本会議や隊友会などが中心となっている実行委員会のようです。街中に貼られているポスターの連絡先は隊友会旭川中支部事務局長さんの個人宅になっていましたので主力は両団体なのでしょう。そのことは式次第で開式・閉式の辞を隊友会関係者が行っていることからも推察できます。田下氏は当ブログ記事「防衛協力団体、とは?」でも紹介しましたが防衛親睦団体「北友会」の会長も務めています。第2師団の広報紙?ともいえる「北鎮」2008年1月号でも写真入で登場しています。

P2120005 式典に参加できなかったのは失敗でした。左の式次第のとおり今津代議士をはじめ民主党の西川旭川市長、商工会議所の高丸会頭、第2師団の師岡師団長が式辞を述べることになっています。会場で配られたパンフレットには西川市長と今津代議士の「祝辞」も掲載されていますが、それぞれが何を述べたのか?聞いてみたいものでした。とくに西川市長については2007年の北海道護国神社慰霊大祭には「公務欠席」したものの、同年の西神楽招魂祭には代理出席をさせており、目立たないところでは「本籍自由党」の素地を隠していないとも言われています。

P2120006 式次第では来賓紹介がありますが、来賓には先の4名以外に自民党道議2名、旭川市議会議長の民主党岩崎議員、陸上自衛隊幹部6名(これら幹部自衛官は北海道護国神社慰霊大祭にも特別来賓として出席していた)、神社宮司2名、旭川ペインクリニックの的場光昭理事長、他数名となっています。北海道護国神社慰霊大祭と同じように、ここでも政・軍・財の協力関係が浮き彫りになっています。

P2120007 山田が参加したのは第2部:記念講演のところからで、講師は当ブログでも話題の佐藤正久参院議員。文民統制逸脱の「駆けつけ警備」問題は一時話題になったものの、すぐにメディアから消されてしまいました。演題は「私たちが守るべきものとは」として、60分の講演でした。講演は長く話した割には実質は大したことは言ってなく、テロ特措法に基づく海上補給活動について反対の世論が高まったのは「説明しきれていない」ためだと指摘。説明のために「自分は一年生議員ながら自民党HPのトップに丸川珠代参院議員とのインタビューを貼らせてもらった」「自民党はやる気さえあればできるんです」と批判世論のある自民党へのフォローも欠かしません。結局、「日本は石油がなければ困る」「インド洋警備は石油輸送で日本も恩恵を得ているのに、それまでやっていた燃料補給を放り出してしまった」と述べ、「国益のためにやらねばならない」と訴えます。国益のため、国益のため、といいますが、そこでは民主主義国家として憲法を守るという民主主義の保障は眼中に無い印象でした。国民は際限の無い派兵活動、法で歯止めがかけられない派兵活動に対しNOの民意を表明したのです。憲法に基づいてやれ、と国民が指示したのです。そのことをきちんと各国に説明すべきところを、「国益のために撤退は誤り」とただ根拠無く言う様はイケイケドンドンの先遣隊長“らしさ”でしょうか。

佐藤氏は民主党の「アフガン対案」については批判的でした。その点はさすが持論の「体制つくってから派兵」論者だなと思いました。民主党のアフガン対案では現地調査もせずに危険なアフガンに自衛隊を送ろうとしている、と指摘。ペシャワール会の中村哲さんを例に挙げ「あの活動のように特定地域で長年取り組めば信頼関係もできているでしょうが」、そうでないところにいきなり自衛隊や文民警察等を投入するのは危険すぎる、と述べていました。いま福田政権は派兵恒久法づくりのために民主党アフガン対案に積極的だと報道されていますが、いざ自民党が衆院で一転賛成することになったら佐藤氏は難と言いますか、注目したいところです。

P2110026 佐藤氏は最後に、「国益を守っていくということをどう実現していくか」と問題提起し、そのためにはこのような精神が必要ですと、内ポケットから取り出した「とある文章」を読み上げました。「これは何かわかりますか」と会場に問うと、大きな声で「教育勅語!」との返答。そうだろうな、とは思っていましたが、あまりに彼らなりすぎる落としどころに興ざめしてしまいました。読み上げたのは教育勅語の現代語訳(←リンク先のものとほぼ同じと思います)でした。佐藤氏は「私がこれを読めば『軍国主義』と言われますが、どこが軍国主義でしょうか」「こんないいことが書いてある」と述べ論を閉じました。

この論調はまさに靖国DVD「誇り」と同じではありませんか。大切にすべきは国でありみんなの利益だといいながら、家族愛や兄弟愛、支えあいといった道徳を持ち出し、それが無いのが問題だと復古調の主張を繰り返しています。そもそも家族の団欒を奪ったのは過重労働や低賃金化ではあるまいか。それは自民党と財界の経済政策の結果ではありませんか。それにこの教育勅語の現代語訳ですが、結局のところ「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません」とし、それが「善良な国民」としての「当然の努め」であると結論付けており、これを子ども達に洗脳のように刷り込むことは軍国主義といわずしてなんであろうか、と思います。

旭川2・11平和集会

この日の夜、日本基督教団旭川六条教会において信教の自由と平和を願う人々により「旭川2・11平和集会」が開かれました。主催は同集会実行委員会。市内のプロテスタント教会を中心に準備されたものと推察します。

P2110030 集会は日本基督教団旭川豊岡教会の筒井牧師が司会を務められ、冒頭に礼拝、第2部として記念講演という似て非なるものなれど構成は靖国派集会とおなじように進められました。集会には40名強が集まり、少数なれど自発的意思に基づく力強い意思と祈りがあったように思います。

礼拝では日本パブテスト連盟東光キリスト教会の松坂牧師が説教されました。続く講演では無教会主義の牧師活動をされている元軍医で医師の荒川巖さんが「クリスチャン軍医としての体験」と称して自身の経験を話されました。

P2110028 荒川さんは海軍軍医中尉としてグアム・三重・台湾と勤務され、台湾で終戦を迎えられました。荒川さんによれば「海軍は陸軍と違って大らかだった」とし、「誰を尊敬しているか」と上官に問われたとき、本来なら「天皇陛下」というべきでしょうが「内村鑑三と矢内原忠雄と新渡戸稲造」と答えたと話し、上官は「お前、無教会主義か」と聞かれたものの特に罰はうけなかったことなどを紹介。「陸軍だったら大変だったでしょう」と戦前の陸・海軍の微妙な違いについても話されました。また軍医として兵士を治療すれば再び前線へ出て人を殺すかもしれない、との状況のなかで、「人としてあるべきことをしよう」「人を生かそう」と治療に専念したこと、終戦時に診察室を連合軍に明け渡した際もすべての医療機器・医薬品を整理して渡し「人を生かすために使ってほしい」と述べ連合軍から賞賛されたことなども紹介しました。

集会には旭川平和委員会青年部から4名が参加し、荒川さんの講演に耳を傾けました。

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2008年2月 7日 (木)

「旭川 2・11平和集会」のご案内

「建国記念の日」とされる2月11日は旧「紀元節」の復活を懸念し、憲法の政教分離原則を徹底しようとする市民が全国各地で集会等を開いています。2008年、旭川では「信教の自由と平和を願って」と題して「2・11平和集会実行委員会」主催の同名集会が開催されます。以下、ご案内します。

旭川 2・11平和集会

P8010002 【集会趣旨】今年もまた2月11日(信教の自由を守る日)を迎えます。毎年この日、旭川では平和集会を催しております。今年は「信教の自由と平和を願って」を主題に、信教の自由と平和を考えます。講演をお願いさせていただきましたのは、「クリスチャン軍医としての体験」を荒川巖氏がお話くださいます。今、日本国憲法で保障されている信教の自由が、徐々に脅かされています。このような事態に直面し、私たちはキリスト者としていかにあるべきか、いかに考え行動すべきか、共に学ぶ機会となればと願っております。(集会チラシより一部抜粋)

日時:2008年2月11日(月)午後6時30分より

会場:日本基督教団旭川六条教会(旭川市6条通10丁目、℡0166-23-2565)

講師:荒川 巖 さん【写真】

1942年1月、海軍軍医中尉として召集をうけ、5月よりグアム島に約1年3ヶ月赴任。その後、三重海軍航空隊に1年3ヶ月、台湾にて終戦を迎える。2007年8月に90歳になられた。医師、元国立松丘保養園長。現在は老人保健施設「かたくりの郷」嘱託医。

入場:無料ですが、礼拝のなかで献金があるそうです。集会経費に充てられるそうですので、自由意志で協力ください

主催:2・11平和集会実行委員会

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2007年8月 8日 (水)

西神楽「招魂祭」に西川市長が代理出席

西神楽地区戦没者慰霊奉賛会主催の「招魂祭」なる行事が2007年8月7日、旭川市西神楽2線15号の「神楽神社」で開かれました。この行事自体は西神楽地区出身の戦没者(確か聞き間違っていなければ)87名を追悼する行事で、私も慰霊の気持ちを捧げてきました。

Kc330071 左は神社前の国道沿いに張り出されている案内。次のようなことが書かれています。

「招魂祭のご案内

来る8月7日午前10時から神楽神社境内忠魂碑前において招魂祭を左記のとおり行います。多数の方々のご参拝をお待ち申しあげます。

一、慰霊祭 10時から

一、奉納余興行事 (1)剣道9時30分ごろ (2)獅子舞9時40分ごろ (3)詩吟9時50分ごろ

平成19年7月20日

西神楽地区戦没者慰霊奉賛会」

(注:漢数字を算用数字に直している個所があります)

Kc330052 この日、参道入口の鳥居両脇には「奉納招魂祭」の大きなのぼり旗が掲げられました。

Kc330055 余談ながら、こののぼり旗には「西神楽戦没者慰霊奉賛会」ではなく、「西神楽戦没者英霊奉賛会」となっています。昭和57年8月の記載がありますので、少なくともその頃まで奉賛会の名称は「英霊奉賛会」だったということですね。

英霊」の響きに微妙な心持になりました。「英霊」についてはwebフリー百科事典wikipediaの解説をリンクさせておきました。なかなか興味深い説明がありますのでご参照ください。

解説によれば「聖戦」に従事して死んだ兵士(正確には軍人・軍属等)を「英霊」とし、これを「顕彰」することは英霊を模範として「後に続け」と奨励することと「国家神道」の「教義」は教えている、と紹介しています。

Kc330057 左は慰霊祭の様子。部外者であろう私が、ノコノコと近くまで行くのは失礼かと思い、少し遠い場所から眺めていました。「忠魂碑」の正面両側に神職2名が向かい合って座り、司会者の進行に従ってすすめられています。参列者は20-30名くらいでしょうか。87名の戦没者の遺族にしては少ないな、と思いつつも、高齢化や諸事情から土地を離れた方もおられるかな、と。奉賛会長氏の挨拶を聞いていたら、参列のなかには「西川将人旭川市長」「北海道護国神社」の関係者のがあげられ、列席していることを忠魂碑に報告していました。あわせて旭山動物園の盛況ぶりなども報告され、神道の教えのとおり死後も鎮座する祖霊に対して報告しているかの如くです。

問題は旭川市長の列席です。見回せばそれらしき人物はいません。奉賛会長の次に「追悼のことば」を述べた西川市長は市職員による代読でした。内容はあまり覚えてませんが、平和な世の中をめざす、といった一般的なことを述べていました。代理出席者が誰であったかは不明ですが、ネームプレートをつけていたので市職員であることは確かだと思います。

規模は違えど、北海道護国神社慰霊大祭に代理を出席させるのと趣旨は変わりありません。神楽神社と護国神社では神社の成り立ちに違いがあり、宗教的な意味合いでは単純比較はできませんが、政教分離の観点から考えれば同じことです。

上川神社例大祭での「市民パレード」に続き今回の例。西川市長は護国神社慰霊大祭を回避すれば、あとは何とでも、と思っているのではないでしょうか。もう少し政教分離の問題については憲法の趣旨をよく汲み取って自身と市当局の運営にあたっていただきたいと考えます。

なおこの記事は、西川市長の代理出席による政教分離にかかわる問題提起をしていますが、西神楽戦没者慰霊奉賛会のみなさんの行事運営に何か申しあげているわけではありません。ただ、戦地で亡くなられた方々は様々な宗教・思想をお持ちでしょうから一般論として地域の戦没者追悼行事は無宗教で行われるのが相応しいと思います。市民委員会の会長さん(≒連合町内会長)という準公職の方が出席、挨拶する催しですし。

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2007年7月24日 (火)

上川神社例大祭の関連行事に旭川市長・自衛隊車両など参加

7月20日~22日まで、上川神社例大祭が開かれました。

0004_3 左は7月20日付北海道新聞(旭川版)の記事です。上川神社例大祭では市内大成地区で行われる露天営業とともに神輿巡行と市民パレードが主な行事となります。神輿関連では、「神輿をあげる会・粋旭」なるグループが昭和60年に発足し、市内中心部でかつぐ行事も恒例となっているようです。

このうち神輿巡行と市民パレードが「事実上、(略)同じでは」ないか(記事より)と指摘されており、これ(市民パレード)に対する市長の出席と自衛隊車両の提供が問題視されていました。

実はこれらの問題提起は以前からありました。以下は2005年8月14日の北海道新聞短期連載記事よりの転載です。

0005_1 記事にもあるとおり市民パレードの自衛隊車両には菅原功一前市長や祭典関係者、お稚児さんと家族らが乗車しています。市長は当時から「名誉氏子総代」との位置づけ。この職は西川市長も引き継いでいるということですね。市長が特定宗教の名誉職とはいえ「名誉氏子総代」の任に着き、その肩書きを記した自衛隊車両に乗り、市民パレードと称して神輿巡行のすぐ後ろを走るということに抵抗を感じる人もいるのではないでしょうか。

自衛隊は市長名の要請をうけての「部外協力」だといいます。「市民パレードだから問題ない」とのこと。自衛隊における宗教活動への協力はどうなっているのでしょうか。「自衛隊の宗教的活動についての通達」という文書があります。昭和49年11月19日に防衛庁事務次官名で出されたものです。通達では冒頭「宗教的活動については、憲法第20条及び第89条に明記されているところに従って指導されているところであるが・・・」と延べ、「今後更に下記事項について周知徹底」をはかるようにと通達されています。第20条については3項の「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」の部分、第89条については「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない」の特に前段部分に該当するものとして注意喚起されていると思います。

通達では6項目について、それぞれ内容を記していますが、2番目に「部外行事への協力について」として以下の記載があります。「宗教的色彩を帯びた行事(神官、僧侶、牧師等の主宰する祭典、儀式等)に溶け込んだ形で、自衛隊の音楽隊、ラッパ隊、儀じょう隊等が参加することは、主催者が宗教団体、非宗教団体のいずれを問わず、宗教的行事に関与したことになるので、厳に慎むべきである。部隊等が宗教的色彩を帯びた行事に労力支援、物品貸与等の便宜を供することは、主催者が宗教団体、非宗教団体のいずれを問わず宗教的活動に対して便宜を供したことになるので、厳に慎むべきである」。

これを読めば主催者が「市民パレード実行委員会」であったとしても「宗教的色彩を帯びた行事」に運転手としての隊員の労力支援、自衛隊車両の提供としての物品貸与については「厳に慎むべき」と通達されています。では「宗教的色彩を帯びた行事」かどうか、実際に確かめなければなりません。7月21日、現場を見てきました。

P7210091 白丁(注1)

(注1)「白丁」とは?/お祭りで神輿を担いだり、山車を引っ張ったりする人、またはその衣服のことを白丁(はくちょう)と呼んでおり、今でも全国各地のお祭りの神輿の担ぎ手は、この白丁衣装を着ています。頭に黒の白丁鳥帽子をかぶり、白の狩衣(かりぎぬ)と袴を着て、足には白足袋に白雪駄が一般的なスタイルです。もともとは律令制度の下で「はくてい」と呼ばれた無位無官の公民をさした「白丁」が起源かと思われます。朝鮮半島では被差別民の呼び名とされているようですが、ここで紹介している「白丁」とは別起源の言葉のようです。

Kc330018_1 ※この若者たちは市内のとある専門学校の生徒さんが学校行事として動員されています。左はその専門学校のウェブサイトから。学生達の準備の様子が伺えます

P7210092 先太鼓

P7210093 獅子舞

※この他、列外に獅子頭もいました

P7210094 大麻司

P7210096 第一神輿

P7210097 権禰宜

P7210100 第二神輿

P7210101 第二神輿近影

P7210104 第三神輿

P7210105 禰宜

P7210107 東5条小・吹奏楽部

※神輿巡行の最後(それとも「市民パレード」の冒頭?)に子どもたちの吹奏楽パレード。東5条小の前は明星中・吹奏楽部が演奏していました。「慰霊音楽大行進」の「伝統」がここに保持されているように思えます。学校単位で子どもたちを宗教行事に動員するのは、いかがなものでしょうか?

P7210108 吹奏楽部の子どもたち

P7210110 ここから自衛隊車両

P7210113 祭典委員長

P7210114 名誉総代。つまり・・・

P7210115_1 西川将人旭川市長

P7210116 続く祭典関係者の車列

P7210118 太鼓車両は他にも

P7210123 第二賽物車

P7210125 女子供奉員

P7210127 お稚児さん

P7210128 お稚児さん

※先だって市内の保育園に「お稚児さん募集」のチラシが張り出されました。詳しく見ませんでしたが、応募していたら自衛隊車両に乗せられ、この行列に参加することになったのでしょうね。出発から2時間以上経過していたこともあってか、子どもらは飽きぎみの表情でした

P7210130 最後尾あたり

以上が神輿巡行と市民パレードのおおよその雰囲気です。写真点数が多くなってしまう関係で、撮影したものの掲載しなかった車両もあります。

確かにそのまま宗教行事である神輿や神職の行列部分と、吹奏楽以降を「分けて」いる配慮が見え隠れします。しかしながら、同じ模様の神社幕をつけ、市民パレード部分にも「名誉総代」(上川神社の名誉総代は旭川市長と商工会議所会頭が歴代就任している)「祭典委員長」などの祭典要職が乗車し、お稚児さんが続く。車列に乗車しているのは神社関係者及び祭典関係者のみ。その車列を「市民パレード」と銘打っただけで(自らが勝手に区分しただけで)、「この部分は宗教行事ではない」と主張することは論理的に無理があるといわざるを得ません。山田の印象は「明らかに宗教行事」です。

沿道には市民もチラホラ出てきて見ています。車列のスピーカーから「氏子のみなさんは穀物をお供えください」という趣旨のことを言っていました。若い専門学校生の白丁さんたちは、これを受け取って賽物函に入れます。「市民はみな氏子」との認識なのでしょう。だとすれば、それは「市民パレード」ではなく氏子の祭りであり、宗教行事そのものではないでしょうか。

ところで、こんな不心得者も出ています。

0008_2 容疑者は恐らく、前日の北海道新聞記事(上で紹介のもの)を見て勢いで脅迫電話をかけたのでしょうが、軽挙としかいえません。私たちも西川市長の参加には異論がありますが、だからといって暴力でどうこうしようとか、ましてやテロや妨害などはもってのほかです。私たちは道理ある主張を幅広い市民に伝え、これを支持いただくなかでこそ平和な社会の実現が期待できると考えています。

重ねて申し上げます。暴力や脅迫は絶対に許せません。戦争という最大の暴力行為を無くすために、非暴力・平和主義の行動を一貫してすすめます。

さて話はそれましたが、この件、今後も引き続き取材・調査していきたいと思います。閲覧読者のみなさんからの情報・ご意見をお願いすると共に、続報にご期待ください。

柴田さんも西川さんも高丸さんも、ぜひぜひクリッククリック!

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2007年7月14日 (土)

自・民・国民3党首が靖国神社に献灯

以下は読売新聞YOMIURI ONLINEより転載します。

転載ここから----------

安倍首相は13日、靖国神社(東京・九段北)で同日から始まった「みたままつり」に、戦没者の「御霊(みたま)」を慰めるちょうちんを献灯した。

「安倍晋三」と記され、肩書はない。関係者によると、費用は1万円で、首相のポケットマネーから支出した。

民主党の小沢代表や国民新党の綿貫民輔代表もちょうちんを献灯した。小泉前首相も首相在任時から毎年、献灯している。

安倍首相は4月、靖国神社の春季例大祭に「内閣総理大臣 安倍晋三」名で神前に供える真榊(まさかき)を奉納し、真榊料として5万円を私費で納めた。

(2007年7月14日1時26分  読売新聞)

転載ここまで----------

同じネタで別の新聞社は「8月の靖国神社参拝」があるか否か注目を集めている、ような趣旨のことを書いています。小泉前首相は最後、パフォーマンス参拝しましたが、靖国派本家の安倍首相はどうされますか。

それにしても主要政党・党首の政教分離認識はひどくお粗末と言わざるをえません。自らの言動が与える影響について考えたことがあるのでしょうか。靖国派が執行部を占めている、ということでは自民党、民主党のいわゆる「2大政党」(これを筆者は“9条改悪志向の2大政党”と思いますが)に違いがないことを示しているのではないでしょうか。

20070714k0000m010077000p_size6 【補充記事&写真】

左の写真は毎日インタラクティブから転載しました。百聞は一見にしかず、ということでご覧ください。毎日によれば約90名の国会議員が献灯したそうです。安倍首相の向かって左側3番目に衆院比例代表北海道選出で次期小選挙区6区から出るだろうと思われる旭川在住の今津寛氏の名前もあります。

ちなみに北海道護国神社の「献灯みたま祭り」は8月13日~17日までの予定だそうです。以下に北海道護国神社サイトからご紹介します。

転載ここから----------

Kentou3 8月15日になりますと各ご家庭ではお盆を迎えることになりますが、当神社に於きましても護国の英霊となられた6万3千有余柱に対し『献灯みたま祭』として社頭に灯篭を灯し、舞楽・舞の奉納をし、今日の平和の為に尊い命を失った英霊を偲び、感謝の誠を捧げお慰め申し上げます。静寂につつまれた参道を皆様の献灯をごらんになられて英霊もお喜びになられることと存じ上げますので宜しくお心寄せの程お願い申し上げます。

▼慰霊行事
・献灯みたま祭奉告祭 
・献灯みたま祭   
・献灯期間
8月13日 午前10時30分
8月15日 午前10時30分
8月13日~17日の5日間

▼献灯料について
・献灯料
・受付
1口:3,000円 / 5,000円 / 10,000円より
8月5日まで神社社務所にて受付

※ご奉納次第各位のお名前を灯篭に記して掲げ、ご神前に報告いたします。
ご不明の点がございましたら、遠慮無くお問い合わせください。

転載ここまで----------

北海道護国神社「献灯みたま祭り」の上の記事を読んでいただければニュアンスが伝わると思いますが、安倍首相らが納めた1万円はポケットマネーとはいえ「ちょうちん代」ではなく、「英霊」に対する「奉納金」なのです。「この人からこれだけいただきましたよ」と「英霊」に報告するためにちょうちんを掲げるわけです。ついでにいえば、そのちょうちんは祭りの出店目当ての一般客にもよく見えるわけです。肩書きこそなかったようですが、一国の首相が特定宗教団体に肩入れするということは政教分離の精神に抵触すると言わざるを得ません。

8月の北海道護国神社「献灯みたま祭り」、わが旭川市長殿はいかがなさるでしょうか?

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2007年7月 3日 (火)

宗教法人の「政治活動」論争

朝日新聞「声」欄では「『信仰の場』での選挙活動」について論議が起きています。

発端となったのは同紙2007年6月25日付「声」欄の「『信仰の場』で選挙活動とは」(専門学校非常勤講師、62歳)との投稿です。

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見えづらいかもしれません。この投稿では概要、「創価学会座談会に講師の一人として誘われ参加。終了後、『投票練習』と称し公明党推薦候補名や公明党と書くよう指示うける。税免除の会館で選挙活動に疑問」 とのことが述べられています。

これに対して、同紙2007年7月1日「声」欄には、先の投稿に対する賛否両者の意見が掲載されました。

0001

両者とも創価学会員だと明言しての投稿ですが、極端な温度差があります。それは政治活動、選挙運動へのスタンスです。仏教修行については誰も、何も問題にしていません(実際は論議があるようですが、今回のテーマは「政教分離」でもありますし)。茨城の主婦67歳さんがおっしゃるのは「選挙啓発の教育運動だ」との趣旨。一方、千葉の医療法人役員61歳さんは「無所属立候補者は座談会出席できず。選挙では政治一色」とむしろ仏教修行のために政治を排して欲しいかのようなニュアンスまで漂わせています。実際のところ、冒頭で専門学校非常勤講師62歳さんがおっしゃるような現実があるわけで、主婦67歳さんのおっしゃることは事実上空文化され、選挙で特定の候補に対して「大切」な「それぞれの一票」を投ずるための「啓発」が行われていることは明らかです。真面目な創価学会員さんのためにも、信徒団体として仏教修行に打ち込める宗教法人へと衣替えを図って欲しいとの声は意外に大きいのではないでしょうか。

このような創価学会のありように対し、異議を唱える立場の方々からは「非課税」の創価学会会館で選挙活動はいかがなものか?との問題提起が提出されています。以下は日蓮正宗(創価学会は以前、この宗派の信徒団体でしたね)妙観講という団体のブログに興味深い文章が掲載されていましたので引用します(お断りしますが、引用部分のみ興味深いのであって、この団体の活動に賛意をもっているわけではありません。誤解の無いように)。

「アメリカでは、国税庁が宗教団体の活動実態を調べた上で、個別に免税特権を与えるかどうかを決めています。つまり、宗教法人であっても、政治活動や営利事業を行なっている実態があれば、免税特権を剥奪(はくだつ)されます。例えば、牧師が一市民の立場で自分の政治信条に従って活動することは認められますが、教会の牧師という立場で話したことが分かれば、免税特権を剥奪されます。それほど厳格に政教分離が行なわれているのです。これに対し日本では、実態がどうあろうと、宗教法人の施設であれば、基本的に課税されない現実がある。ただ、固定資産税や都市計画税は、固定資産についての現況課税の租税であり、地方税法408条は、当該物件に対する課税庁の毎年の実地調査を義務付けていますから、たとえ、それが宗教法人の施設であろうと、利用状況を精査した上で、課税・非課税を決めなければならないはずなのです」(北野弘久・日本大学名誉教授)という。

それでは条文を見てみましょう。そもそも宗教施設が固定資産税非課税となることを定めた地方税法348条2項3号。

第348条 市町村は、国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区、地方開発事業団及び合併特例区に対しては、固定資産税を課することができない。

 固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。ただし、固定資産を有料で借り受けた者がこれを次に掲げる固定資産として使用する場合においては、当該固定資産の所有者に課することができる。

(1-2号、略)

3.宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地(略)

(4号~、略)

次に北野名誉教授が「毎年の実地調査」の義務があるとした地方税法408条。

第408条 市町村長は、固定資産評価員又は固定資産評価補助員に当該市町村所在の固定資産の状況を毎年少くとも一回実地に調査させなければならない。

条文を読めば地方税法348条2項が一律にここに掲げられた固定資産に対する課税を禁止しているようにも読めます。だとすれば宗教施設一般に対して固定資産課税が認められていないことになります。しかしもう一方で、同条2項3号には「宗教法人が専らその本来の用に供する・・・境内建物及び境内地」を具体的に指定している点が注意をひきます。つまり宗教法人法では非公益事業が「目的に反しない限り」において認められており(宗教法人法6条2項)、その事業に対しては課税措置がとられるものと思います。

となれば、「政治活動」「選挙運動」が宗教団体の「目的」となりうるか、ですが、これは議論があるところのようですが、少なくとも宗教法人としての認証をうける設立登記の際申告する「目的」(宗教法人法第12条1号)に明記されていないことには厳しいのではないか、と思います。少なくとも非課税の対象に含まれる「本来の用に供される・・・境内建物・地」にあたらないのではないか、との疑義です。

創価学会の場合、目的は「仏法の実践を通して、一人一人が崩れる事のない真の幸福境涯を確立すること。そして日蓮大聖人の仏法への理解を広めつつ、「生命の尊厳」と「ヒューマニズム」の精神が脈打つ仏法の哲理を根本とし、平和、文化、教育の運動を推進し、社会の発展に寄与する事」(RIRC宗教教団情報データベースから)とされており、政治活動・選挙運動が宗教法人本来の活動とはいいきれず、ましてや「一人一人・・・真の幸福境涯」と「指示された候補者名を記入する練習」とは相容れるのか疑問です。

つまり、市町村は宗教法人の境内建物・境内地について、明らかな「目的違反」を認めれば、「実地調査」に基づき課税することもありうるのではないか?と思います。(ただし、創価学会の政治活動・選挙運動については実態の告発がなされているところでもあり、今後の良識ある会員による自浄作用に期待します)。

さて前置きが長くなりましたが、宗教法人がその本来の目的に反する政治活動・選挙運動を行った場合、それに供せられた建物・土地までもが固定資産税非課税でよいのだろうか?との素朴な疑問です。次の写真をご覧ください。

P7020071 こちらは旭川市花咲町の北海道護国神社です。写真に見えるブロック塀の右側が公道、左側が境内地です。このブロック塀の境内地側に立て看板が立てられ、自由民主党の演説会告知ポスターが貼られています。私・山田が気づいたのは7月2日月曜日でした。この辺りは普段あまり通らないとはいえ、6月30日土曜日も通行しました。あれば気づくと思うので、恐らく7月1日頃に設置されたのではないかと推察します(間違っていたら教えてください)。貼られているポスターはこちらです。

P7020072 安倍晋三首相と元自衛官・イラク派兵先遣隊長だった佐藤正久自民党参院比例予定候補の連名ポスターです。東京の自民党本部が会場の8月の演説会の告知ポスターですから、普通に見れば明らかに参議院議員選挙のアピールポスター(選挙運動)と受け取ると思いそうですが、法的には通常の政治活動の範囲に含まれるものです。来る参院選(7月12日公示、7月29日投票)で自衛官票を獲得したい自民党がその筋の「切り札」として投入したのが「ヒゲの佐藤」こと佐藤元一等陸佐なのでしょう。

以前にも第2師団創立記念行事の際、出口付近の柱(街路灯だったか電柱だったか?)に括りつけてあった似たポスターについて報告していました。あちらは山田による報告後、すぐ撤去されていました。やはり「柱はマズイ」となったのでしょうね。そこで駐屯地向かいの北海道護国神社境内に建てちまおう、となったかどうかは知りませんが、境内地側に4ヶ所、ブロック塀外側に1ヶ所、合計5ヵ所(各看板あたりこのポスター3枚掲示)、ポスター15枚が掲示されております。

P7020070 裏側はこんなかんじになっています。

●拝啓、西川将人旭川市長様

以上、ご報告してきたように宗教法人である北海道護国神社さんが、本来の目的に含まない(だろうと思う)特定政党を支援する目的で政治活動に境内地を提供しています。よって、境内地側の4ヶ所の立て看板につきまして、各看板の足が杭うちされている四角形の面積×4にかかる固定資産税を365分の掲示日数(今後積算されます)だけ実地調査の上、徴収してはどうでしょうか?つまりこれは、本来旭川市民のために用いられる貴重な税収入となるべきものです。前職菅原功一市長が行ったような「これまで非課税だった車庫まで全て調査して突然課税する」ような愚挙をやるよりも、はるかに少ない人員・時間で解決できる問題だと思います。ぜひともご検討ください。

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