今朝(2009年6月20日)付の北海道新聞第一社会(31)面に次の記事が掲載されていました。
■2009年6月20日付
陸自、温泉付き「スキー訓練」 旭川・第2師団 幹部限定、公費12万円 (06/20 07:36)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/172587.html
【旭川】陸上自衛隊第2師団(佐藤修一師団長)が4月、幹部を対象に温泉入浴を伴ったスキー訓練を計3日、旭岳スキー場(上川管内東川町旭岳温泉)で行っていたことが19日、分かった。同師団のスキー訓練は通常、旭川市の師団敷地内や民間施設で行われており、幹部限定の異例の「温泉付き訓練」に、内部からも「実態はレジャーだった」と批判が出ている。
第2師団によると、訓練は佐藤師団長の発案で、「旭岳スキー場付近の地形把握とスキー技術の向上」が目的という。4月14、17、18日の3日に分けて、師団長や副師団長、幕僚長をはじめ、師団司令部の部・課・室長クラス以上の幹部ら計42人が参加した。
訓練の「参加案内」や「行動概要」などによると、3日間とも午前8時に公用車3台で師団を出発。1時間以上かけて旭岳温泉地区に移動し、ロープウエーを使って「姿見の池」駅付近から展望した後、スキー滑降した。
午後2時半から旭岳温泉のホテルで入浴して軽食をとり、午後5時に市内で解散した。ロープウエーの利用料計約12万円は師団の教育訓練費から出し、入浴や昼食代は各自が負担したという。
訓練の「参加案内」には、参加が任意であることや「旭岳(からの)展望のみの参加でも可能」と明記され、スキー訓練以外の目的も認められていた。師団内部の関係者は「遊び半分だから強制参加ではなかった。各自が勝手に滑るなど、実態はとても訓練とは言えない内容だった」と明かした。
第2師団広報室は「遊びと取られかねない訓練だった。(勤務中の温泉入浴など)配慮が足りなかった部分は改善したい」と陳謝。佐藤師団長は「多少なりとも誤解を与えたことについては配慮が足りなかった」とのコメントを出した。
防衛省陸上幕僚監部広報室は「訓練内容について分からないし、コメントする立場にない」としている。
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驚くような記事ですが、佐藤師団長のコメントもあり事実だったのでしょうね。昨年夏に着任した佐藤師団長は北海道歌志内生まれ。さぞやスキーはお手の物なのでしょう。記事中に「訓練は佐藤師団長の発案で」とあるように、得意のスキーを活用して師団幹部内の親睦を深めようとの趣旨だったのでしょうか。
■着任時、「朝雲」記事より
そもそも訓練ならば参加が「任意」というのも不自然です。また、いくら「旭岳スキー場付近の地形把握」が目的の一つとはいえ「旭岳(からの)展望のみの参加でも可能」とは、小学校時代の「見学でも体育出席」ではないのですから、あまりにお粗末です。目的のもう一つに「スキー技術の向上」があるのですから、目的どおりなのであれば「対象幹部全員出席・全員滑降」であるべきです。
やはりこの「訓練」、記事中の「師団内部関係者」が言うように「遊び半分」だったのでしょう。真の目的が「親睦」ならばそれも頷けます。
師団長の権限があれば、このような公然化できない予算執行・部隊運用も可能だということの証ですね。事実を確認して裏を取り、白日の下にさらした北海道新聞旭川報道部の取材力に拍手をおくりたいと思います。同時に防衛省陸幕広報室の「コメントする立場に無い」との無責任極まりない態度は、この間繰り返される防衛省の無責任主義の象徴のようです。
記事では触れられていませんが、この「スキー訓練」が「遊び半分」で本来休暇を利用すべきものであれば、浪費されたのは教育訓練費から支出したロープウェー利用料、約12万円では済みません。
■3日間とも公用車3台を使用
どのタイプの公用車かは記載がありませんでしたが、3日間とも42名全員が参加していたわけではないと思いますので、最小値を試算するために5人乗り普通乗用車タイプの車両を各日とも3台運用したとの想定をします。仮にレンタカーを借りたとすればどれだけの金額になったでしょうか。
最大手ニッポンレンタカーの料金設定で試算してみました。保険付で各日とも12時間レンタル。旭川~旭岳温泉往復が90キロと仮定して(旭岳温泉「湯駒荘」サイトでは片道43キロと明記)、走行分ガソリン代を現在の旭川市内レギュラーガソリン(フルサービス)価格121円で各クラス実燃費計算で計上。この設定でいくらになるでしょうか?
通常クラスのホンダ・アコード2000ccで合計11万2662円でした。最高級のトヨタ・クラウン2500ccで21万429円です。わざわざ高い車よりも、時期が時期ですから4輪駆動車のほうがよいと思いますので、スバル・フォレスター4WD2000ccで計算しました。すると13万7376円、およそ14万円の支出になります。
とはいえ、ロープウェー往復1800円(団体だと1600円)で考えると単純に各日15名程度の参加とは考えにくく、上記を越えるであろうことは予想できますが、まあ最小値として。
■参加幹部の日当分
そもそも有給休暇を取得すれば日当(給与を日割り計算)については考えなくてよいのですが、本来休暇をとるべきところを勤務(訓練)として行かれたのですから、それに対して国はどれだけの手当てを出してしまったのでしょうか?
これは棒給表など見て考えれば試算できるのかもしれませんが、そこまで暇ではないので、大雑把に42名×一人いくら、と試算しました。上記の通り、人数はもっと多いと予想されますが、最小値として42名で計算。一人当たりの金額もどこを平均値とするかは想像もつきませんが、仮に1万5千円としておきます。
だとすれば、42名×1万5千円=63万円です。
■高くついた「スキー訓練」
他にも42名の他に副官や随行の自衛官がどれだけいたことか。北海道護国神社慰霊大祭にもわざわざ自主的に有給休暇を取得して随行する(←と、師団広報は説明している)くらいなのですから、訓練ともなれば当然ずらずらと随行されているのでしょう。その方々の分は42名に入っているのか、いないのかも不明。
ですが最小に見積もっても公費支出12万+77万円(14万円+63万円)=89万円ほどの費用にあたる「スキー訓練」だったようです。
そもそも「旭岳スキー場付近の地形把握」は師団長以下の幹部お歴々が直接行わなくてはならないのでしょうか。佐藤師団長は常々「今日の脅威に即応し、明日に備える」「より志し高く、目線は低く、常に地域に密着した自衛隊に」(師団創立59周年記念行事での式辞より)と心がけられているようですから、旭岳方面に生じるかもしれない脅威(災害?)に備え、師団長自らが視察された、ということかと。
いづれにしても今後は、誤解が生じないような、そして市民生活の平穏を壊さないような活動を心がけていただければ幸いです。ついでに言えば、私どもが期日を切って提出していた要請書への回答も依然としていただいていません。市民との対話も重要だと思いますが。やはり湯の中で「裸の付き合い」でなければ回答いただけませんか?
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