自衛隊

2008年4月14日 (月)

上富良野演習場外の国立公園散策フィールドワーク

旭川平和委員会青年部では、3月8日付北海道新聞の記事をうけて陸上自衛隊上富良野演習場の国立公園への拡張問題の現場を調べるため現地フィールドワーク(FW)を行いました。FWには地元の地形や自然、動植物について見識をおもちの自然保護団体メンバーの方に趣旨を説明の上、ご協力いただき、同行していただきました。

0002 以下は、参加した青年部員U・Nさんのレポートです。レポート中にあるように、私たちの現地FWは結果として上富良野演習場の拡張地域に足を踏み込んだことになります。私たちの目的は演習場用地に管理者の意に反して「不法侵入」することではなく、演習場エリアの外から周辺地域の様子を確認することにあります。よって陸上自衛隊上富良野駐屯地に問い合わせたところ札幌防衛局にまわされ、札幌防衛局は「地図は無い」と返答される(自然保護団体A氏談)など無責任な態度に終始しました。仕方なく、道新記事の図を参考におおよその演習場地域を地図上におとし、その周辺には踏み込まないよう注意して現地FWを行いました。現地に林野庁の標識があったことなどから、FW後、林野庁南部森林管理署に問い合わせたところ、詳細図のカラーコピーを提供いただきました。この地図を私たちの行動軌跡に落としたところ、結果として演習場拡張エリアを歩き回っていたことがわかりました。これは意図した行為ではないことを明記しておきます。〈山田〉

--------------------

さわやかな朝が台無しに・・・。

3月8日、道新朝刊をみてびっくり。自然あふれる国立公園が演習場になっているなんて!(当会ブログの該当記事参照)。驚きもつかのま、上富良野駐屯地の無責任で理不尽なコメントに、あ然。実際入山者はいるというのに、あっさり「立入禁止広報するつもりはない」。挙句、「(入山者は)勝手に入った」と・・・。私達国民の公園を“勝手に”演習場にしたのは、そちらでしょ? よく登山をする知人に尋ねたら、記事にもあるように「山スキーヤーなどなら、その区域に入ることは普通にありうる」といいました。「国立公園内に(実弾射撃が)着弾した例は無い」(駐屯地)からというのか、人命に関わることに対してこんな軽率な人が、国民の命を「守ってくれる」という自衛隊さんだなんてとても不安です。

自衛隊さんの代わりに(?)現場確認に行ってきました!

私たちからすれば問題だらけの国立公園買収。少なくとも駐屯地が「(市民が入山している)事実は把握していない」というなら私たちが確認してこよう!というわけで、私たちはある日の早朝、現場へ行ってきました。

さて私たちはいちおう演習場に侵入しないよう、その周辺を歩かなければなりません。頼りは道新記事から推測した演習場と他の国有林の境界線を記した地図と、我々の足跡を記録してくれる高性能GPS、そしてそのあたりの山をよく知るAさん。現場は標高1000mあたり。全員スノーシュー&スキーストックで、さあゴー!

P3290004copy ■出発地点にて

前夜からの雪が木の枝にうっすらと降り積もり、きれい。下を見ればかわいらしいテンの足跡があります。またスキー跡は何度も。スノーシューツアーの一行の足跡もありました。順調にすすんで40分後、ある一本の木の幹に何やら赤色のしるしが!マーカー(ペンキ?)で塗ってありました。みんな「!?」と覗き込んでみると、マーカー部分に林野庁の小さなプレートが貼ってあり、そこには【境界見出し 防○○○○(番号)】の文字。「【防】ってなに?」「防衛省の防?」「これってもしや演習場との境界のしるし?」と、にわかに騒然となりました。周囲を探索しましたが、同様のしるしはその一ヶ所のみ。私たちは憶測を抱きながらも、そのしるしが演習場の目印だとして奥に立ち入らないようにしながら外郭を歩くよう先をすすみました。

P3290010copy ■なんだこりゃ

P3290009 ■これがプレート

途中、お菓子の「きのこの山」みたいなかわいい木を発見。その近くで昼食をとり、帰り道に二ヶ所目の林野庁の【防】プレートをみつけました。これも演習場との境目だとすれば私たちは演習場の中を歩いてきたことになります。「こんな林道ちかくまで演習場が拡張されたはずはないよ」「そもそも【防】は防衛省と違うんじゃないか」などの声も。旭川に戻ったら【境界見出し 防】の正体と、正確な境界線を確認せねばなりません。最後、スノーシューが川に流されかけるというハプニングもありましたが(笑)、みな冬山トレッキング+その後の温泉(吹上温泉)♪を大満喫しました。

P3290030copy ■二ヶ所目のプレート

出入り自由(?)の演習場

一週間後、Aさんが林野庁から正確な境界線(下図のオレンジ線)を記した地図を取り寄せてくれました。それを【境界見出し 防】プレートのあった二ヶ所とあてはめると、ピッタリ!やはり【防】は演習場と国有林(林野庁管理)との境界のしるしだったということがわかりました。さらに地図に私たちの足跡(GPS軌跡→下図の緑線)をあてはめてみると、私たち演習場内をかなりウロウロしていたことがわかりました。そこでカップラーメンまで食べてしまいました。まるで自衛隊の冬山訓練のようです。推測した範囲が実際とずれていたのです。

20080329__ver2 ■ピンク線は推測した拡張地

20080329__ver4 ■全体像

私たちが通ったルートは“険しい地形”ではありませんでした。実際、正確な地図をもとに明らかになった演習場拡張エリアやその付近にはスキーで滑ったあとがいくつかありました。要は、山スキーヤーや登山者は演習場内にいとも簡単に立ち入ってしまえることです。しかもそこは着弾地の近く。やはり危険です。何事か起きる前に、国はまず安全対策すべきです。

素晴らしい自然のなかで感じたこと

トレッキングの途中、天然記念物のクマゲラがつついてぼっこりと穴があいた採餌木(※)がありました。クマゲラの威力すごい!演習場内にも当然ながら動物達が一生懸命暮らしていることがわかります。老いた大木の幹の皮が一枚一枚剥がれかけて模様をつくっているのも、味わい深いものがあります。人間でいえばわが町の長老様といったかんじ。今は静かに暮らす森の主なのでしょう。木々の合間を通り、透き通るような雪原を歩むにつれ、自然の威厳を強く感じます。(※さいじもく:鳥類が餌を採るための木。餌となる虫が樹皮の下に潜んでいるために木をつついてそれを食す)

P3290023 ■採餌木①

P3290028 ■採餌木②(地図の地点)

309 ■クマゲラ

演習砲弾の爆音や振動が、公園内に住む動物・植物達の生活にどう影響しているのか知りたいと思いました。また、国立公園は「自然公園法」に基づいて保護・管理されているとのことです。「自然公園法」がこの地域で果たして生かされ守られているのかということも、今回の件を含め学んでいきたいです。

またみんなで山へいきたいですね。ただそれも健やかな自然があるからこそできること。残念ながら今も森を壊し続ける人間がいます。私たちは平和とともに森を守っていきたいです。

--------------------

この問題は今後も調査しレポートしていきたいと思います。過日、第2回目の現地調査が行われました。そこでは営巣木こそ確認できなかったものの、真新しい採餌木が何ヶ所も確認され、Aさんからは別のキツツキと思われるドラミングを何回も聞いたと報告頂きました。

クマゲラ-wikipedia

にほんブログ村 平和

| | コメント (0)

2008年4月 1日 (火)

日本山妙法寺旭川道場が「2008年非暴力・平和巡礼」

日本山妙法寺旭川道場(旭川市神居町富沢、石谷政雄さん)が「2008年非暴力・平和巡礼」をスタートさせました。日程的には、3月29日~31日までの3日間、陸上自衛隊旭川駐屯地正門前で「平和祈念断食」を実施。4月1日~10日までかけて国道12号線に沿って札幌まで巡礼し、11日~13日まで札幌市内の自衛隊施設前で「平和祈念断食」を再度行います。

山田が平和巡礼を知ったのは30日のこと。買物公園で日本山妙法寺の信者さんが配布していた同巡礼のチラシを友人から受け取ったのがきっかけでした。日本山妙法寺(公式サイトwikipedia)といえば日蓮宗のひとつで、各地の平和運動で先頭に立ち、「宗教者九条の和」など平和を実現する共同行動に積極的に参加しているとの印象をもっています。イラク開戦のころは、旭川市内で取り組まれたピースウォークにも参加されていたように記憶しています。そこで、どのような行動を行われるのか取材してきました。

P3310038 31日午前、旭川駐屯地前につくと念仏を唱えながら歩道をゆく3名の僧侶達。正門へ行く前に「旭川地方協力本部」の玄関前でも念仏を唱え、一路、正門へ。正門では自衛官が待ち構えていました。そして歩いてくる僧侶達にむけてカメラで撮影を。はじめて目の前で確認しましたが、これが情報保全隊の記録になるのだと思います。

P3310048 正門前ではまず石谷さんが要請の趣旨が記載されているチラシを対応する自衛官に手渡しました。自衛官は「わかってます。昨日も、一昨日も私が受け取りましたから」と苦笑しながら受け取り、「ここまでが自衛隊の敷地ですから」と立ち位置について細かく指示。私達平和団体に対してはより威圧的で排除されると思いますが、仏教者に対しては一定の配慮があるのかな、と思いました(あくまで山田の私見です)。

P3310043 その後、3名の修行者のみなさんは正門脇に立ち、一心に「南無妙法蓮華経」と念仏を唱えました。申し訳ないと思いながらも石谷さんに少しお話を聞きましたら、「自衛隊は憲法違反の存在。条文を読めば誰でもわかる。その憲法違反の職にあって国民の税金で給与を得ている自衛官に、そのことを気づいてほしいのです。そのために祈っています」と話してくださいました。

石谷さんたちは今日4月1日に旭川市内を行進した後に旭川市神居古潭まで行かれ、その後は2日・深川、3日・滝川、4日・砂川、5日・美唄、6日・岩見沢、7-8日・江別(潅仏会)、9日・札幌に着かれ、10日は札幌市内行進、11-13日まで札幌市内の自衛隊施設前で「平和祈念断食」に取り組まれるとのことです。場所については真駒内の自衛隊前か、北部方面総監部になるか現在のところ未定で、相談して決めるとのことです。石谷さんたちの巡礼が事故や病気無く無事に最後までたどり着かれることをお祈りします。

【参考】

地球と平和のために 21世紀に生きる宗教者

日本宗教者平和協議会:編/新日本出版社:刊

| | コメント (0)

2008年3月27日 (木)

「イラク開戦5年『海外派兵恒久法』学習会」に参加して

Dscf2823 2008年3月21日、旭川平和4団体(旭川平和委員会、道北原水協、安保破棄旭川実行委、旭労連)主催でイラク戦争開始から5年の節目を忘れず、アメリカの戦争に協力していく日本のあり方に疑問を対置する「自衛隊海外派兵恒久法」学習会が開催され、30名の市民が集まりました。講師には北海道平和委員会理事長で弁護士の石田明義さん(北海道合同弁護士事務所)が駆けつけてくださり、貴重なお話を伺いしました。

Dscf2826 現在、マスコミ報道では福田首相が今国会に「恒久法」を上程したい旨表明し、遅くとも年内の臨時国会での成立を視野にいれていることが報じられています。政府がこのように急ぐ背景には、「恒久法」づくりで民主党までが推進の立場をとっているうちに、そして2009年1月に新テロ特措法(いわゆる「補給法」)が期限切れになるまえにレールを敷いてしまおうということです。これは「戦争への一里塚」どころの話ではありません。日本国憲法第9条を骨抜きにし、9条改憲ができなくともどんどん海外に出て行き戦争できるようにする法律、それが「海外派兵恒久法」なのです。

参加したわが青年部のS・Sさんは「こんな大変な法律が国会に出ているとは知りませんでした。これでは、たとえ憲法9条があったとしても海外派兵恒久法が出来たらなんでもありじゃん!ということですよね。福田さんって、ぼよんとした顔してるけど、陰ではひどいことをやってる人なんだって、わかりました。あの雰囲気にだまされないようにしないと!」と感想を寄せてくれました。

問題は、学習会への参加者が30名出会ったことも含め、平和を求める人々の間で「自衛隊海外派兵恒久法」の危険な中身が知られていないことです。民主党案も含めて問題は山積みにもかかわらず、民主党は美辞麗句を重ね、「新テロ特措法」対案の法提案者に護憲派議員を並べることで党内護憲派の口を塞ごうとしているように思えます。自民・民主の2大政党がめざす「恒久法」の危険性について、立場の違いを超えて学んでいく必要があると思います。

以前もご紹介しましたが、日本平和委員会がこの問題についての安価なパンフレットを作成しました。メールでご連絡いただければお届けしますので、ぜひご一読ください。

Photo ▼1冊150円(送料別)支払いは郵便振替または切手返送など要相談

| | コメント (0)

2008年3月20日 (木)

2008年3月例会:北鎮記念館見学会

陸上自衛隊旭川駐屯地内に建つ広報施設「北鎮記念館」。先日、2007年6月新装オープン以来の入館者数が3万人を超えたと第2師団公式サイトが記していました。旧館は年間約1万人だったそうですから、このままのペースでいけば4倍の4万人ほどの入館者数になるかもしれません。初年度ということで多いのだろうと思いますが、それでも恒常的に3万人くらいが入館するとなれば、影響力も大きいです。とりわけ、子ども達への影響が心配な施設。「まだ見てない」というメンバーもいましたので、3月例会は北鎮記念館見学会と題してみてきました。ここでは北鎮記念館への「論評」というのではなく、見学会の感想ノート的な報告にしたいと思います。

3月のとある日、参加したのはメンバー5名に非会員2名の計7名。メンバーが企画を知らせると「ぜひ参加してみたい」と急きょ駆けつけてくれた人。実は他にもとある中学校教員の友人から「参加したかったが、出張で旭川不在だった」との残念そうな声。一人ではなかなか行く気になれないけど、気になる存在、というのが北鎮記念館のイメージのようです。

P3090003 さっそく館へ入ります。参加者の足は入口で早くも止まり、じっと説明を読む。このペースなら閉館までかかちゃう、と促して中へ。いつもそうですが、入ると1階中央の「第七師団史」コーナーのところで説明をしてくれます。ほぼ同じ説明、私は何度聞いたことだろうか。そこから順路の2階へと促されます。今回は説明の自衛官氏はついてこなかったのですが、メンバーが「詳しい説明をちゃんと聞きたい」と言い、私もそのようが良いと思ったので言いだしっぺの人が依頼しに行き、自衛官氏とともに戻ってきました。

P3090014 メイン展示の2階は原則的には時系列に展示がなされています。スタートは旭川開拓。2007年6月の第2師団創立行事で西川市長が「開拓の歴史は北鎮記念館」のようなことを演説してましたが、どうやら一つの売りにしているようです。見学会後の感想交流では、「旭川の歴史なら旭川市博物館(神楽、大雪クリスタルホールにある)の方がよいのでは」や「アイヌ迫害の歴史は何もわからない」などの感想が出されました。また「屯田兵→第七師団→第2師団を『流れ』として見せて、旭川の歴史をつくってきたのは軍だ、と言っているようで納得できない」との意見もありました。

P3090044 続いて目を引くのは日露戦争コーナー。ここは旧館よりも全体のうちの構成比率を増しているのではないかと感じるコーナーで、2階で唯一の映像資料がある場所です。日露戦争は「最後の勝った戦争の記憶」ということで、何年前かの日露戦争100年のときはテレビや雑誌などでも随分取り上げられ、靖国派もとにかく日露を語る、という頃がありました。その影響を色濃く受け継いでいる印象このコーナーでは、自衛官氏の説明も力を帯びます。映像資料は4分ほどのDVDですが、日本の権益を守るため仕方なく戦争をした、との印象を強く受けます。テロップでそういう解説も為されます。たたかって、勝って、帰ってきたと、そういう映像なんですが、そこには朝鮮半島や中国の人々の思いや生活は一切感じられない内容なんです。感想交流でも「日本とロシアの権益の話ばかりだったけど、占領されていた場所で元来生活していたひとのことが語られないのは靖国DVD『誇り』と同じだった」との声もありました。

P3090062 ノモンハン事件やアッツ・ガダルカナルあたりで戦局が怪しくなってくるに従い、自衛官氏の説明も怪しさを帯びてきます。つまり、オカルト的な色彩を帯び始めるのです。例えば、ノモンハンで全滅した部隊の遺骨が戻ってきたとき、その部隊の隊舎の前にいるはずもない歩哨が勢ぞろいして「ささげ銃」をした、だとか、アッツ玉砕のときは隣のキスカ島の残存兵を収容する船がアッツ島近くを通りかかった際、日本兵は誰もいないはずのアッツ島から「万歳、万歳」の声が聞こえたとか、まあそういう類の話が3-4例紹介されました。感想交流では「国が運営し子どもらがよく聞きに来る施設で、科学的根拠のない話をいかにも実話かのように説明するのは問題ではないか」との声も出されました。

P3090061 いわゆる太平洋戦争あたりの展示では館内すべて「大東亜戦争」の呼称が使われています。感想交流で指摘がありましたが、1階の自衛隊コーナーにあった年表でも第一次大戦の部分には「WW1」の記載があるにもかかわらず、第二次大戦の部分はわざわざ「大東亜戦争」と書かれていたとか。これについて私は説明を受けるたびに「なぜ大東亜戦争と書いてあるのですか?」と質問しています。もちろん毎回、説明してくれる自衛官は異なる人です。最初の自衛官A氏は「勉強不足でわかりません。調べておきます」と率直に言っておられました。このときは好感持てました(今度会ったら聞きたいと思います)。B氏は「地理的な特徴に注目した呼び名なんです」と説明しました。中国からアジア方面での戦争、その地理的特徴をわかりやすくするためだ、というのです。何か納得しそうですが、ではなぜ「大」をつけねばならぬのか筋は通っていません。そして今回の自衛官氏は「第七師団など旧陸軍がそう呼んでいたからです」と答えました。確かに旧陸軍は大東亜戦争と呼称していました。「では海上自衛隊の広報施設では太平洋戦争と呼称しますか?」と聞いたら「わかりません」と聞き流されました。旧海軍は太平洋戦争と呼称を主張していたのです。しかしその理由は、国民のなかに抵抗感のある「大東亜戦争」呼称をわざわざ使う理由としてははっきりしません。納得するまで聞いていきたいと思います。

P3090069 前回来たとき質問したのですが沖縄戦の展示がほとんどないのです。その時は「旧第七師団に関する展示をしているのですが、沖縄に派遣されたのは別の師団に再編成されて派遣されたのでここでは扱う対象ではない」との回答でした。しかし、「ああ沖縄戦」という新聞記事のスクラップは一つ展示されているのです。今回は前もって同様の説明がなされました。前回質問をうけて説明マニュアル(があるのではないかと推察している)が改訂されたものと思われます。それにしても、沖縄に派遣された部隊のことだけズバット欠落させているのはどうなんでしょうか?遺族の方々からの提供がなかったのでしょうか?沖縄戦では軍による住民虐殺が行われたとの証言があり、その地域には第七師団から再編された24師団がいたからなのでしょうか?真実はわかりません。

P3090081 最後のあたりに、なぜか海軍コーナーがあります。沖縄戦での説明と食い違いがあるのは何故でしょう。旭川縁の人がいたというなら、沖縄戦こそ紹介すべきなのに。それは置いといて、ここでは加藤建夫少将が大きなブースで紹介されています。ノモンハン事件などもそうですが、旧館で行われていた事件や部隊の紹介、という角度から、人物に光をあてて紹介する「パーソナル・ヒストリー」の手法が随分と取り入れられているように思います。以前、某高校の生徒グループが見学していたとき、5-6名の高校生に対し説明の自衛官が二人も付き添って、この加藤隼戦闘隊コーナーで「この人は旭川出身なんだ。旭川にはこんなにも立派な先輩がいたんだよ、すごいでしょう」という趣旨(正確には覚えてません)の説明をしていました。こういう手法の展示の方が、感情移入しやすいということなのでしょうか。

P6170010 全体を見学して2階で唯一説明をうけなかったコーナーがあることに気が付きました。他の参加者はみな初めてでもあったので気が付きませんでしたが、「226事件」コーナーについては説明されませんでした。なぜなのでしょうか?順路的に通過してしまう位置にあります。この配置自体が意図されたものなのかと勘ぐってしまいます。旧軍の汚点的な展示は、極力知らせまいという意図なのか?それはわかりません。

1階に下りてきて自衛隊コーナーと文学コーナーを見学。自衛隊コーナーには海外派兵ブースがありますが、ここの説明で自衛官氏は自衛隊のイラク派遣を「イラク派兵」と公言していました。私達としては「GJ」(グッジョブ)ってかんじですが、自衛隊的にはよいのでしょうか?ここでこんなことを書かなければ問題ないのでしょうが。

P3090097 旧館になかった(というか極小さかった)ものに売店があります。旧館では入口に自衛隊グッズが数点置かれていて売ってくれましたが(パンの缶詰、買いましたよ)、新館では自衛隊と商工会議所のコラボ=NPO法人「北鎮友の会」が運営する売店があります。オリジナル商品が置いてあり、売上はどうなのでしょうか。年間3万人も来ればかなり売れるのではないでしょうか。

以上が今回の見学会の概要でした。もちろん簡単な報告ですので指摘漏れの部分はたくさんあります。全体的な展示の問題として「旧軍を受け継いでいる」との指摘もありました。2時間の見学後、場所を移して1時間半ほど感想を交流しました。「ただ見るだけでは誤解ばかりが残る」との声もありました。学校単位での見学に疑問をもちつつも、少なくとも子どもらを連れて行くなら、事前事後学習をしっかりやって、戦前・戦後のことを学ばないと平和を育む教育にならないのでは、との声が多かったです。しかし学校現場の先生達は忙しすぎて難しいことはできないのではないか、などの意見も。

P3090099 子ども達は広報官らの一番の「狙い」なんだろうと思います。子ども達に迷彩グッズを身に着けさせての記念撮影コーナーもありました。子ども達には「カッコイイ」と見せている銃や戦車をバーンと撃ったら、罪も無い人や敵の兵隊が傷つき死ぬんだということを知らせねばなりません。それが教育というのではないでしょうか。そっか、広報施設だからね・・・。

| | コメント (0)

2008年3月 8日 (土)

「大雪山国立公園に演習場」とは!?

ニュース紹介ではありますが、今朝(2008年3月8日)付の北海道新聞に「大雪山国立公園に演習場」の驚くべき記事が掲載されていました。95年から順次買収し演習場の「緩衝地帯」のような目的で利用されており、着弾も想定していたにもかかわらず、立入禁止措置を具体的にとっていなかったというのです。安全管理の側面と、環境保護の側面の両面の問題があると思います。近く関係する地元の方にコメントをいただき、追加掲載したいと思います。以下、北海道新聞サイトから転載。

--------------------

防衛省 大雪山国立公園に演習場 589ヘクタール買収、拡張 95年度から市民に周知せず(03/08 06:55)

0002  防衛省が、陸上自衛隊上富良野演習場(上川管内上富良野町、中富良野町、富良野市)の東側に隣接する大雪山国立公園の国有天然林計五百八十九ヘクタールを、演習場用地として林野庁から買収していたことが七日までに分かった。同省は買収の目的を「流れ弾などの着弾による市民の危険を防止するため」としているが、立ち入り禁止の周知はしておらず、登山愛好家らが拡張された演習場内を歩いていたケースもあった。環境省によると、国立公園内の土地の売買は自由で、林野庁も「売買は正当な理由によるもので問題ない」としている。

 買収区域は十勝岳連峰の西端にある富良野岳と旭岳の山麓(さんろく)。演習場を幅約一キロ、延長約六キロにわたって拡幅する形で買収しており、すべてが国立公園内。

0001 【図を拡大】

 同演習場は、一九五五年度に開設、りゅう弾砲、戦車砲などの射撃訓練を行ってきた。九五年度に最高で地上二千メートルという高い弾道を描く一二〇ミリ重迫撃砲の演習が始まり、着弾地が風下にぶれる可能性が出てきたため、演習場拡張に着手した。買収は同年度から二〇〇六年度まで、計十二回にわたって行い、買収総額は約七億八千万円。同演習場の現在の総面積は約四千ヘクタールで、今後、さらに国立公園内の約二百ヘクタールを買収する予定だ。

 上富良野駐屯地によると、同演習場では月平均百二十時間程度の演習を行っているが、これまで国立公園内に着弾した例はないという。同駐屯地は「険しい地形なので市民は入らないと判断した」として、拡張部分について看板などで立ち入り禁止を周知する措置は取っていない。

 しかし、実際には地元住民らが山スキーなどで入山しており、二年前に春スキーを楽しんだという男性(58)は「現場には拡張された演習場と分かる標識も何もなかった」と話す。

 これに対し、同駐屯地は「(市民が入山している)事実は把握していない。市民が立ち入り禁止区域に勝手に入ったことになる。今のところ、立ち入り禁止を広報するなどの考えはない」としている。

 川口迪彦・北海道平和運動フォーラム事務局長は「市民に知らせず立ち入り禁止措置もとらないまま演習を実施していたとは危険きわまりない。最低限、人命尊重のために敷地を明確化すべきだ」と指摘している。

 現場は国立公園内としては最も規制の緩い「普通地域」だが、工作物の設置や土地の形状の改変には届け出や事前通知が義務づけられている。流れ弾が着弾した場合は土地の形状が変わる可能性があるが、環境省は「(流れ弾は)事前予想ができないため通知は不要」としている。買収後は自衛隊が自然公園法に基づいて土地を管理しており、工作物の設置などはしていないという。

 防衛省によると、道外では国立公園内に開設した演習場が三カ所、演習場開設後に国立公園に編入された所が一カ所あるが、演習場拡張のために新たに国立公園内の土地を買収した例はない。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/80355.html

--------------------

| | コメント (0)

2008年3月 5日 (水)

集会告知:イラク開戦5年・学習講演会/ストップ海外派兵恒久法

イラク戦争が始められて5年が経とうとしています。「終わった」とされた戦争は、いまなお日本(航空自衛隊)も含む多国籍軍により遂行され、無辜のイラク人民(とりわけ子ども達)が被害を受けています。私達はイラク戦争が始められようとしている頃イラクへの自衛隊の派兵が、わが街旭川から為されようとしている頃、その都度街頭に立ち、ピースウォークで、または集会でと戦争反対の声、派兵反対の声をあげてきました。

5年が経ち、いま国会で自民党・民主党の政策的「オール与党」によって企まれているのは「自衛隊海外派兵恒久法」についてです。これは新テロ特措法審議の過程、民主党の小沢代表によって提唱され、民主党が「テロ根絶法案」として「海外派兵恒久法」の法整備を義務付ける「おまけ」付法案を提出していました。リンク先の民主党ウェブサイトのページでは明記されていませんが、DLで法案を見てみますと第5章に明記されているのです。このような法案を自民党「新テロ特措法」の対案として提起するなど、理解に苦しみます。残念なことにこの法案の発議者として民主党サイトに登場しているのはNGO活動家、世界日報記者の日韓ハーフ、日教組出身の元教員の3名。自衛隊を恒常的に海外に出すことについては否定的な意見をお持ちのバックボーンをお持ちと思うのですが・・・。これをうけて福田首相も「海外派兵恒久法」の検討を開始すると明言しています。国民の知らぬところで、事態は明らかに進んでいます。

そこで旭川平和4団体(旭川平和委員会、道北原水協、安保破棄旭川実行委員会、旭労連)ではイラク開戦5年のいまこそ、市民によく知られていないものの非常に危険な「自衛隊海外派兵恒久法」について深く学び、語り広げようと以下の学習講演会を企画しました。当日は日本平和委員会が緊急作製した「ストップ『海外派兵恒久法』-それは海外派兵自動マシーンです-」(頒価150円)をテキストにします。

イラク開戦5年・学習講演会「ストップ海外派兵恒久法」

と き:2008年3月21日(金)午後6時30分~8時30分(予定)

ところ:ときわ市民ホール402号室

講師:石田明義さん(北海道平和委員会理事長、弁護士)

資料代:300円(「ストップ海外派兵恒久法」パンフを含む)

主催:旭川平和4団体(以下の4団体)

   旭川平和委員会

   原水爆禁止道北協議会

   安保破棄諸要求貫徹旭川実行委員会

   旭川労働組合総連合

問い合わせ:旭労連(℡0166-22-2133)

--------------------

Photo

●緊急出版パンフ「ストップ『海外派兵恒久法』」

 発行:日本平和委員会

 発行日:2008年2月21日

 A5版24ページ、2色刷、イラスト・写真付

 頒価150円、送料実費

メールでご注文いただければ郵送でお届けします。

代金支払いは郵便振替(手数料ご負担いただきます)にて。

学習講演会に参加できない方等、どうぞご注文ください。

--------------------

憲法の平和原則と海外派兵

著者:日本共産党
販売元:日本共産党中央委員会出版局
Amazon.co.jpで詳細を確認する

自衛隊の海外派兵

販売元:社会批評社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0)

2008年2月18日 (月)

陸自旭川駐屯地で第3回C4I2部隊実験、実施中(~22日)

以前記事に書いた陸上自衛隊のIT化=C4I2部隊実験ですが、2月中旬から旭川駐屯地で第3回部隊実験が行われることが自衛隊準機関紙「朝雲」の報道などでわかっていました。しかし、いつからはじまるのか?どういう実験をやるのか?部隊実験に伴いヘリの離発着や車両の出入りなど地域住民への騒音等は酷くならないか?など疑問もありました。実際にヘリ騒音は2-3月に実施されつつあるヘリ体験搭乗の訓練なのか、普段飛んでないタイプのヘリが離発着し、騒音は普段より気になっています。なのでどういう部隊実験になるのか、心配は当然のことといえます。

C4i23 そこで旭川平和委員会青年部としては由井久志青年部長名で陸上自衛隊第2師団広報室長宛に質問状を送付しました。1月28日に発送し、1週間程度での回答を依頼しました。依頼はこちらの都合ですが、回答が届いたのは2月16日(土)。2週間半もかかっています。1週間は無理としても、せめて部隊実験が始まる前に回答してほしかったと思います。余談ながら自衛隊に対する質問状への回答は、どこで遅いのです。自衛隊矢臼別演習場付近の町道が自衛隊によって「無断封鎖」された事件(2007年10月19日発生)で、矢臼別平和委員会が自衛隊に宛てた質問状は1ヶ月以上経ても回答が来ていないというのです。これは現場の部隊、広報部署に回答権が実質なく、すべて北海道防衛局へあげられ、本省の指示をうけて回答が起案されるものと推測されます。このような「機敏でない」意思決定は、お役所仕事としてどんぐりの背比べだと言わざるを得ません。現場で対応できる範囲については、現場で機敏に回答すべきではないか、と思います。

さて以下に質問及び回答部分を拡大してご紹介。

C4i23_2

というわけで、旭川駐屯地でのC4I2部隊実験は現在実施中であります。でも回答書が届く前に「たぶん今やってんな」という思いはしていました。「2月中旬」ということでも12日からの週に始まるだろうと思いましたが、確信を得たのは2月12日(確か12日。13日ではなかったように記憶しています)に旭川市末広の国道を第25普通科連隊の車両数台が駐屯地方向に移動していたので、普段あまり見かけないRecs配備の25普連の車両ですから「始まるな」と思った次第です。それにほぼ同時期に旭川駐屯地の体育館は普段カーテンが開け放されているのに、ピッタリと閉められていました。指揮所演習を行うとのことでしたから、体育館を使うのは間違いないと思っていました。いかがでしょうか。

回答を得た後の17日(日)、「今日は休みか、それとも短期間だし休みなしか」と思いつつ所用で旭川駐屯地の前の国道を走っていましたら体育館の閉め切られたカーテンの一枚が開き、窓も開き、なにやら器具のようなものが外にむけて出ていました。あれはいったいなんだったのでしょうか?通信機器の一種?アンテナでしょうか?走行中、一瞬目に飛び込んだだけだったので、よく見えませんでした。

この他に懸念されていた騒音被害のようなものは特に報告されていません。やはり指揮所訓練ですからそうなのでしょう。第2師団を舞台にしてのC4I2部隊実験はこれで終わるのか?そして以後は師団演習を重ねていくのか?それとも、さらにすすめられるのか?防衛省技術研究本部は「先進個人装具システム」も開発中とのことで、完成の折には再び真っ先に第2師団に配備されるのでしょうか。

2008年度は山形の第6師団にFicsが配備されC4I2部隊実験が行われるとの情報を得ていますが、第2師団をめぐる動向には今後とも注目していきたいと思います。

| | コメント (0)

2008年2月16日 (土)

米軍機移転訓練、2月25‐28日にFA18と決まる

今朝(2008年2月16日)の北海道新聞一面コラム「卓上四季」が、米軍機の移転訓練問題でなかなかすっきりした物言いをされています。以下に紹介します。

--------------------

戦闘機マジック(←リンク切れに注意)

手品師たちは昔から、観客に怪しまれない動きをしながらトリックを用意したそうだ。例えばさりげなくポケットに手を入れる。観客は「何か種があるのではないか」と疑いながらその手に注目する▼手品師はハンカチを取り出す。汗をふいてポケットに戻す。「何だ、それだけか」。観客は納得して視線を移す。そこで手品師はポケットから手を出す。手にはもちろん、隠していたものを握っている▼そんな舞台でも見るようだ。在日米軍再編に伴う訓練移転で、千歳基地を使った日米共同訓練が二十五日からと決まった。飛んでくるのは、米軍岩国基地のFA18戦闘攻撃機だという。おや、いつの間に岩国基地からになったんだっけ?▼沖縄には基地が集中している。負担を少しでも軽減するための移転だ、と政府は繰り返し説明してきた。ならば仕方ない、と納得した人は少なくなかったはずだ。その結果、受け入れが決まった。だまされた思いがするのは、地元ばかりではあるまい▼「実は全国の基地を米軍が自由に使えるようにするための再編だ」。そんな指摘は当初からあった。種明かしをされてみれば、その懸念がますます深まるようだ。沖縄の負担軽減という建前から切り離されるなら、千歳を使った訓練はなし崩し的に増えかねない▼「訓練移転」の言葉がトリックめいている。これは千歳への「訓練拡大」ではないのか。

--------------------

リンク切れするかもしれませんが、関連記事として2月15‐16日の両日、北海道新聞には「米兵外出に職員同行」(16日)、「戦闘機移転訓練 千歳は25-28日」(15日)などがありますのでご紹介しておきます。

Fa18f なおやってくる米軍FA18ですが通常型の「ホーネット」でもF15比で騒音は格段に酷いとの声がありますが、岩国基地に移転計画の有る厚木基地所属の約半数はエンジン性能が向上されたFA18E(単座、またはFA18F複座)スーパーホーネットで、さらに通常比35%も出力が増大。これに伴い一層爆音が酷いとのこと(赤旗2004年10月2日記事「神奈川厚木基地・爆音が胸押しつぶす」参照)。アメリカでも社会問題になっているようです。

北海道新聞「卓上四季」が言うように「トリック」で誤魔化そうということでしょうが、道民は騙されず、ともに声をあげていく時ではないかと強く思うのです。

------------------------------

追記:当ブログがリンクさせていただいている「念仏者九条の会北海道」様が、当ブログの「2・9米軍来るな千歳集会/参加報告」を丸々紹介してくださっています(こちら)。念仏者九条の会ブログ管理者様より依頼があり、拙文ながらありがたいお申し出に了解させていただきました。ポイントに強調もしていただき、よりわかりやすくなっています。御礼を申しあげると共に紹介させていただきます。

| | コメント (0)

2008年2月12日 (火)

2・11「建国記念の日」関連集会/参加報告

2月11日の「建国記念の日」に旭川で開かれた2つの集会にそれぞれ参加してきました。靖国派は「建国記念の日奉祝会」、政教分離派は「旭川2・11平和集会」。それぞれについて概略を報告します。

「紀元二六六八年 建国記念の日奉祝会」

ロワジールホテル旭川で開かれた実行委員会主催の同集会。事前宣伝で午後2時から式典があり、午後2時40分から講演があるとわかっていたのですが、都合の関係で2時40分に会場到着しました。ちょうど式典が終わったところで短時間の休憩。会場に入り後ろの方に立っていると目の前を制服を着た第2師団長・師岡陸将が「前の方が人が少ないから・・・」と談笑されながら通過される。おっしゃるとおり、会場は400席ほどでしたが入場していたのは320名~多く見積もっても350名くらいかと思います。

実行委員会の代表は日本会議上川会長で豊岡中央病院を運営する医療法人の理事長田下昌明氏。後で聞くところによれば、日本会議や隊友会などが中心となっている実行委員会のようです。街中に貼られているポスターの連絡先は隊友会旭川中支部事務局長さんの個人宅になっていましたので主力は両団体なのでしょう。そのことは式次第で開式・閉式の辞を隊友会関係者が行っていることからも推察できます。田下氏は当ブログ記事「防衛協力団体、とは?」でも紹介しましたが防衛親睦団体「北友会」の会長も務めています。第2師団の広報紙?ともいえる「北鎮」2008年1月号でも写真入で登場しています。

P2120005 式典に参加できなかったのは失敗でした。左の式次第のとおり今津代議士をはじめ民主党の西川旭川市長、商工会議所の高丸会頭、第2師団の師岡師団長が式辞を述べることになっています。会場で配られたパンフレットには西川市長と今津代議士の「祝辞」も掲載されていますが、それぞれが何を述べたのか?聞いてみたいものでした。とくに西川市長については2007年の北海道護国神社慰霊大祭には「公務欠席」したものの、同年の西神楽招魂祭には代理出席をさせており、目立たないところでは「本籍自由党」の素地を隠していないとも言われています。

P2120006 式次第では来賓紹介がありますが、来賓には先の4名以外に自民党道議2名、旭川市議会議長の民主党岩崎議員、陸上自衛隊幹部6名(これら幹部自衛官は北海道護国神社慰霊大祭にも特別来賓として出席していた)、神社宮司2名、旭川ペインクリニックの的場光昭理事長、他数名となっています。北海道護国神社慰霊大祭と同じように、ここでも政・軍・財の協力関係が浮き彫りになっています。

P2120007 山田が参加したのは第2部:記念講演のところからで、講師は当ブログでも話題の佐藤正久参院議員。文民統制逸脱の「駆けつけ警備」問題は一時話題になったものの、すぐにメディアから消されてしまいました。演題は「私たちが守るべきものとは」として、60分の講演でした。講演は長く話した割には実質は大したことは言ってなく、テロ特措法に基づく海上補給活動について反対の世論が高まったのは「説明しきれていない」ためだと指摘。説明のために「自分は一年生議員ながら自民党HPのトップに丸川珠代参院議員とのインタビューを貼らせてもらった」「自民党はやる気さえあればできるんです」と批判世論のある自民党へのフォローも欠かしません。結局、「日本は石油がなければ困る」「インド洋警備は石油輸送で日本も恩恵を得ているのに、それまでやっていた燃料補給を放り出してしまった」と述べ、「国益のためにやらねばならない」と訴えます。国益のため、国益のため、といいますが、そこでは民主主義国家として憲法を守るという民主主義の保障は眼中に無い印象でした。国民は際限の無い派兵活動、法で歯止めがかけられない派兵活動に対しNOの民意を表明したのです。憲法に基づいてやれ、と国民が指示したのです。そのことをきちんと各国に説明すべきところを、「国益のために撤退は誤り」とただ根拠無く言う様はイケイケドンドンの先遣隊長“らしさ”でしょうか。

佐藤氏は民主党の「アフガン対案」については批判的でした。その点はさすが持論の「体制つくってから派兵」論者だなと思いました。民主党のアフガン対案では現地調査もせずに危険なアフガンに自衛隊を送ろうとしている、と指摘。ペシャワール会の中村哲さんを例に挙げ「あの活動のように特定地域で長年取り組めば信頼関係もできているでしょうが」、そうでないところにいきなり自衛隊や文民警察等を投入するのは危険すぎる、と述べていました。いま福田政権は派兵恒久法づくりのために民主党アフガン対案に積極的だと報道されていますが、いざ自民党が衆院で一転賛成することになったら佐藤氏は難と言いますか、注目したいところです。

P2110026 佐藤氏は最後に、「国益を守っていくということをどう実現していくか」と問題提起し、そのためにはこのような精神が必要ですと、内ポケットから取り出した「とある文章」を読み上げました。「これは何かわかりますか」と会場に問うと、大きな声で「教育勅語!」との返答。そうだろうな、とは思っていましたが、あまりに彼らなりすぎる落としどころに興ざめしてしまいました。読み上げたのは教育勅語の現代語訳(←リンク先のものとほぼ同じと思います)でした。佐藤氏は「私がこれを読めば『軍国主義』と言われますが、どこが軍国主義でしょうか」「こんないいことが書いてある」と述べ論を閉じました。

この論調はまさに靖国DVD「誇り」と同じではありませんか。大切にすべきは国でありみんなの利益だといいながら、家族愛や兄弟愛、支えあいといった道徳を持ち出し、それが無いのが問題だと復古調の主張を繰り返しています。そもそも家族の団欒を奪ったのは過重労働や低賃金化ではあるまいか。それは自民党と財界の経済政策の結果ではありませんか。それにこの教育勅語の現代語訳ですが、結局のところ「非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません」とし、それが「善良な国民」としての「当然の努め」であると結論付けており、これを子ども達に洗脳のように刷り込むことは軍国主義といわずしてなんであろうか、と思います。

旭川2・11平和集会

この日の夜、日本基督教団旭川六条教会において信教の自由と平和を願う人々により「旭川2・11平和集会」が開かれました。主催は同集会実行委員会。市内のプロテスタント教会を中心に準備されたものと推察します。

P2110030 集会は日本基督教団旭川豊岡教会の筒井牧師が司会を務められ、冒頭に礼拝、第2部として記念講演という似て非なるものなれど構成は靖国派集会とおなじように進められました。集会には40名強が集まり、少数なれど自発的意思に基づく力強い意思と祈りがあったように思います。

礼拝では日本パブテスト連盟東光キリスト教会の松坂牧師が説教されました。続く講演では無教会主義の牧師活動をされている元軍医で医師の荒川巖さんが「クリスチャン軍医としての体験」と称して自身の経験を話されました。

P2110028 荒川さんは海軍軍医中尉としてグアム・三重・台湾と勤務され、台湾で終戦を迎えられました。荒川さんによれば「海軍は陸軍と違って大らかだった」とし、「誰を尊敬しているか」と上官に問われたとき、本来なら「天皇陛下」というべきでしょうが「内村鑑三と矢内原忠雄と新渡戸稲造」と答えたと話し、上官は「お前、無教会主義か」と聞かれたものの特に罰はうけなかったことなどを紹介。「陸軍だったら大変だったでしょう」と戦前の陸・海軍の微妙な違いについても話されました。また軍医として兵士を治療すれば再び前線へ出て人を殺すかもしれない、との状況のなかで、「人としてあるべきことをしよう」「人を生かそう」と治療に専念したこと、終戦時に診察室を連合軍に明け渡した際もすべての医療機器・医薬品を整理して渡し「人を生かすために使ってほしい」と述べ連合軍から賞賛されたことなども紹介しました。

集会には旭川平和委員会青年部から4名が参加し、荒川さんの講演に耳を傾けました。

| | コメント (0)

2008年1月29日 (火)

第2師団のIT化実験の狙いと今後

20080124 陸上自衛隊第2師団は2007年から「師団等指揮システム」(Fics)、「基幹連隊指揮統制システム」(Recs)を導入し、いわゆるIT化実験師団として訓練を行っています。2007年だけでも7月、10月、12月に大規模な演習を行い、実用化に向けて訓練を重ねています。10月、12月の演習は防衛省研究本部と合同で行われており、演習結果を即反映できる体制がとられています。私達は地元旭川の第2師団がIT化していくことが、自衛隊のどのような変化につながっていくのかを注視してきました。

自衛隊準機関紙ともいえる『朝雲』1月24日号に日米の陸軍“サイバー化”について特集的な記事が掲載されました。以下、ご紹介します。

--------------------

記事では西側各国で整備がすすむ「サイバー部隊」のうち、日米の両整備状況に的をあてています。この「サイバー部隊」化の構想は1990年代など早くからあったものの、ここ10年位のIT技術の進歩のなかで具体化してきたといえます。イギリスでは1998年、フランスは1994年、ドイツも1994年に具体化がすすめられましたが、それぞれそのベースとなる構想は1970年代からあったようです。どの国のシステムも相互運用性が重視され、アメリカを含む複数の陸軍共同での演習が行われてきています。(参考:DRC2001年「欧州主要国陸軍のC4I2基盤の整備」中村暁氏・・・余談ながらDRCディフェンス・リサーチ・センターの研究委員の多くは元幹部自衛官であり防衛行政サイドの意向を反映していると推測されます)

記事中で対比紹介されているのは米陸軍の統合歩兵戦闘システム「ランド・ウォーリア」と日本の「師団等指揮システム」(Fics)と「基幹連隊指揮統制システム」(Recs)。日本は米「ランド・ウォーリア」を上回るとされる「先進個人装具システム」も開発中とのこと。日本のFics・Recsは現在第2師団に先行装備され2007年も幾度となく部隊実験が行われています。第2師団が全国のなかで一番練度の高い師団となるわけで、米陸軍との相互運用性を重視した場合、海外展開の最有力候補になることは明らかです。現在も北部方面隊が中央即応集団の国際任務部隊として指定されています。ではそれらの装備の特徴とは・・・。

20080124 米陸軍「ランド・ウォーリア」はヘルメットに装備された片目用ディスプレイに地図情報や部隊の位置情報などが表示され、これを確認しながら作戦を行うという個人装備。「情報優越」こそ戦闘能力の増大の要と開発されたそうです。具体的にはパソコン・GPS・通信機・各種センサー・電池などで構成され総重量7・2キロ。これを全身に装備し行動します。具体的にはこちらのサイトなどを参照ください。

この装備は現在、イラクの最前線で装備運用されており米陸軍第2歩兵師団第4ストライカー旅団戦闘団が運用しているとのこと。40度を超える気温、砂漠地帯の劣悪な環境の下で何が障害になるか、ということのようです。しかし最大の問題は重量だそうで、兵士が装備するその他の装具を含めると30-35キロにもなり、加えて武器・弾薬が加わり、兵士の負担が大きくなります。そのため戦場では「ストライカー」型装輪装甲車を拠点に展開するものの、現在の「ランド・ウォーリア」では長距離通信ができないため離れすぎると情報ネットにカバーされなくなる難点があるのだとか。

運用を担う兵士の間では「ネットで味方の動向を把握しながら作戦が行えるので心理的負担が減った」「声を発さずにメールで交信でき安全」というメリットの一方、「装備が重くてかさばり動きが緩慢になる」「武器を抱えて移動するのは大変」などのデメリットも報告されているとのこと。他にもバッテリー残量(バッテリー切れは最大の敵。一方で発電性繊維で戦闘服をつくることにより充電しながら戦闘が可能になる、との情報も・・・)、セキュリティー(日本の場合、民生用認証技術はここで軍事転用されることも)なども問題も残されています。

20080124_2 一方、日本のシステムについて「朝雲」はほとんど触れていません。まだ実験段階で紹介できないのか?と思いつつ、本格配備になっても防衛機密の高い壁に阻まれそうな気配です。記事では第2師団と防衛省技術研究本部の合同「C4I2」部隊実験を紹介。第2師団では遠軽の第25普通科連隊(25普連)に配備されているRecs。2007年10月から開始し、12月には25普連を基幹とする戦闘団を北富士演習場に展開させての総合検証を行っています。この間も25普連はRecsを運用しての春季演習場整備(上富良野・矢臼別、5月)や災害情報収集訓練(第2飛行隊と連携しヘリと地上で情報ネット構築)、紋別総合防災訓練の場を「活用」しての第2通信大隊と一体となってのFics運用訓練などを実施しています。

これらIT化装備は現段階では第2師団のみ配備されていますが、新年度は山形の第6師団にFicsが配備されることが決まっているようで、順次陸上自衛隊の各師団に配備されると推察しています。実際、Recs量産試験確認支援(開発実験団長が視察、5月)など、Fics・Recsの量産試験は進められており各システムの具体的な量産確認試験は富士通・NEC・東芝など主要電気通信関連会社と契約がすすめられています(防衛省HP「平成19年度公募契約予定品目一覧」等参照)。これらの配備にどれくらいの予算が必要なのか?現段階では詳しくわかりませんが、新たな金食い虫であることは明瞭です。

第2師団では師団独自に師団部隊実験演習を7月・8月などすすめているのと別に、技術研究本部と合同の前述「C4I2部隊実験」を行っていますが、その3回目は2008年2月に旭川駐屯地で行われることが既に明らかになっています。記事ではその目的を「厳寒の道北で電源の維持・確保など、システムの継戦能力もテーマとなるはず」としています。これら装備はアメリカが展開するどのような気候地でも対応せねばならず、その意味では寒冷地訓練は欠かせないでしょうが、いったい狭い旭川駐屯地でどのような演習を行うのか注視しています。

これらIT化は2007年6月の第2師団創立記念行事でも「災害派遣」の現場で活躍すると宣伝されていたことや、上記「紋別総合防災訓練」での運用など「災害」対応名目で浸透を図り、実際には米軍との相互運用性を高め海外任務で多用(運用試験)するのではないかと推察しています。このような派兵型装備の充実と予算化には危惧するとともに、イラク派兵時のように再び第2師団が先行投入されるのではないかと疑念を抱いています。

イラク派兵第一陣の結果、帰国後自殺者まで出した第2師団。他の帰還隊員のその後の心身の健康状態がどうなっているかという疑問には答えないまま、またもや旭川(道北)からの海外派兵を許してはならないと考えます。(正確にはイラク派兵後、ゴラン高原に隊員を出しています)。

| | コメント (0)

2007年12月29日 (土)

女性自衛官の人権裁判-加害自衛官、不当にも不起訴!

以前にも何回かご紹介している「女性自衛官の人権裁判」。現在なお札幌地裁に民事訴訟が係争中です。一方、航空自衛隊千歳地方警務隊が捜査していた刑事の扱いが12月27日札幌地検で決まり、不当にも不起訴となりました。以下、記事と弁護団声明、支援する会声明をご紹介します。

0005 1)新聞記事
■ 朝日新聞(2007年12月28日 金曜日 朝刊 道内14版 25ページ)
「わいせつ行為」同僚男性不起訴
  女性自衛官訴訟
航空自衛隊北部航空方面隊の道内基地に所属する女性自衛官(21)が同僚の男性自衛官からわいせつ行為を受けたとして国家賠償を求めている訴訟をめぐり、札幌地検は27日、空自千歳地方警務隊が強制わいせつ容疑で書類送検した男性自衛官を不起訴処分とした。女性自衛官の代理人を務める弁護士は、検察審査会に不起訴不当の申し立ても検討するという。
 この問題では、女性自衛官が深夜の基地で泥酔していた男性自衛官に無理やり体を触られるなどしたとして、国に慰謝料など約1115万円の賠償を求めて今年5月に提訴。国側は事実を否認し、争っている。

2)弁護団声明
■ 加害者不起訴処分に対する声明
          女性自衛官人権侵害・国家賠償請求訴訟弁護団
             弁護士  佐  藤  博  文
札幌地方検察庁は,昨年9月9日午前4時30分ころ北部航空警戒管制団の北海道内基地において発生した女性自衛隊員(原告)に対する強制猥褻被疑事件について,12月27日,不起訴処分を決定した(朝日新聞12月28日付朝刊)。

不起訴の理由は,証拠不十分とされる。

しかし,事件発生直後,原告が部隊上司に被害を訴え病院への診察を求めたのに,上司を含む複数の男性隊員の同行を条件にしてこれを事実上拒み,それどころか逆に,深夜に無断で犯行現場(ボイラ-室)に行ったとし,あるいは飲酒をした疑いがあるとして,原告を懲戒処分の対象として取り調べ,外出制限などの不利益を科し,犯罪被害者としての保護も捜査も行なわなかった。警務隊が捜査を開始したのは,事件から半年も経った本年2月26日のことであり,検察官送致に至っては,原告が5月8日に民事訴訟を提起してからのことであった(5月末)。

以上の経緯を見るならば,検察官の証拠不十分を理由とする不起訴決定は,事件後すみやかに原告の保護と厳正な捜査を行なわなかった基地の行為を追認するものと言わざるをえない。公益の代表者(検察庁法4条)である検察官は,このような部隊による組織的な犯罪隠蔽行為に対してこそ,徹底的に追及し,公開の法廷で真実を明らかにすべき責任がある。そうでなければ,圧倒的な組織力の前には,個人の基本的人権を保障することは不可能に等しいということになりかねない。

原告と弁護団は,今回の不起訴処分に到底納得できないので,「民意を反映させてその適正を図る」ために(検察審査会法1条),札幌検察審査会に審査申立を行う予定である。また,すでに4回の弁論を経た民事訴訟については,被疑者の犯罪行為と部隊ぐるみの隠蔽行為を明らかにすべく,引き続き全力を尽くすものである。

今後とも,原告への激励とご支援を心からお願いするものである。

以上

3)支援する会声明
  ■声明文
 私たち「女性自衛官の人権裁判を支援する会」は、勇気を持ってはじめて自衛隊に在職のまま性暴力被害とその後の自衛隊のいやがらせ、退職強要を訴えて国を提訴した原告を支援し、女性の人権回復を求める会です。

 今回、原告が勇気を持って告訴したこの強制猥褻事件が、「不起訴」処分になったことを知り、被害者の人権に視点を当てた正しい「処分」をされていないと大変残念に思い、いくつかの問題点をあげさせていただきます。

 私たちは、実際に被害者である原告と出会う中で、彼女の受けた被害のひどさの事実、被害を訴え出ても被害者としては扱われず、自衛隊という組織が形だけの精強さを唱え現実にある人権侵害を認めず、あるはずがない性被害を訴えるトラブルメーカーとして、職場でもあり、生活の場でもある基地内の同僚や上司から、無視・疎外・排斥を受ける辛さと日々闘っている現実を見てきました。

 この事件の特殊性は自衛隊という組織のあり方、特殊性を抜きには考えられません。「精強さを保つ」と言いながら、その内容は、女性自衛官の地位が建前として男女平等であっても、体力的には男性自衛官に「劣る」 とされることであり、たとえば仕事内外を問わず飲食時に「侍らされる」ような「女性としての役割」を担わされ、「性的対象物」とみなされることが少なからず存在します。女性自衛官はその初任研修の最後に、圧倒的に女性が少数である基地の中では、女らしく気配りをすることの重要性を説かれると言います。

 もうひとつは、上官の命令には絶対服従という秩序や規律の維持が、自衛隊の中では絶対的に優先されていることです。性暴力という人間として大変苦痛な犯罪行為に対しても、大声を上げて逆らったり、強力に抵抗するなどということは許されるべくもありません。

 このような組織のままでは、人権侵害への適切な対処を行う仕組みが整わず、あっても形だけであり、セクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメントが起きても防止できないし、組織のあり方自体が温床そのものとなるのは明白です。

 しかも、被害にあった女性がそれを訴えた場合には、被害の側が責任を問われ、秩序を破ったとして、彼女が自衛隊組織に存在し続ける正当性をも剥奪することができてしまうということなのです。

 今回の事件は、そのような中で起こるべくして起きた事件であり、この事件はこれまで声を上げることができず、隠され、退職に追い込まれた、多数の被害女性たちのセクシュアル・ハラスメント、性暴力事件に連なる初めての告訴でした。

 そもそも、この事件が強制猥褻であって、強姦未遂ではない、という当初の警務隊の判断も誤っています。性暴力被害当事者の声や気持ちに注意を払うことなく、加害者側の言い分を一方的に取り上げた大変偏った判断であったといわざるを得ません。

 現実の法秩序が、人格の重要な核をなす性の尊厳が蹂躙されることの重大さの認識に目を向けず不十分な判断がされているか、また身体の負傷の軽重、抵抗の状況のみに証拠を求めることがどれほどの女性の人権の侵害になるのか、というような問題点にもしっかり目を向けた「裁断」をいただきたかったと考えていましたが、この結果はきわめて残念です。

 原告と弁護団は検察審査会に不服申し立てを検討しているとのことで、支援する会としても原告の意志を尊重していきたいと考えていることを申し添えます。
                  2007年12月28日
                  女性自衛官の人権裁判を支援する会
                 http://jinken07.10.dtiblog.com/  
                        共同代表:影山あさ子  
                              清水和恵   
                              竹村泰子

--------------------

以上ですが、山田としても自衛隊警務隊のあり方に大いなる疑問を感じています。本人の訴えにもかかわらず、半年もの長期にわたり捜査を開始しなかった警務隊のあり方、そして民事訴訟の直後、あわてて送検した態度、これらは自衛隊の組織的隠蔽主義の表れとも受け取れます。警務隊は自衛隊内部犯罪の捜査を公平公正に行えるのでしょうか。自衛隊の命令系統の意思に逆らってでも、憲法と法に基づく正義を執行できるのでしょうか。甚だ疑問です。事務次官や幹部自衛官が逮捕・起訴される昨今、上意が必ずしも社会正義であるとはいえません。任務に携わる現場自衛官の遵法意識が問われます。

なお、民事裁判の第5回口頭弁論は以下の日程等で行われます。支援の傍聴と報告会への参加、原告への激励を心から呼びかけます。

●第5回口頭弁論

 日時 2008年2月7日(木)15:30~

 場所 札幌地方裁判所

●報告会

 日時 2008年2月7日(木)18:30~

 場所 かでる2・7 820号室

| | コメント (0)

2007年12月25日 (火)

防衛協力団体、とは?

12月例会の議論の中で「任期制自衛隊員」の任期満了後のことが話題となり、任期満了し退職する自衛官の受け皿となる企業が組織されていることがメンバーのなかでも意外と知られていませんでした。一般には広報されているものの、知ろうとしなければなかなか詳しく知る機会のないいわゆる「防衛協力団体」について、この機会に紹介しておくべきと考え、陸上自衛隊第2師団HPから該当部分をご紹介させていただきます。

--------------------

【自衛隊協力会】(財界の軍民協力推進母体)

→ご存知旭川財界の重鎮・髙丸旭川商工会議所会頭。髙丸会頭在任時で記憶に残るのは第2師団からのイラク派兵の頃、旭川財界が総力をあげて政・官・財一体となり取り組んだ「黄色いハンカチ」運動。2004年1月の「市民と自衛隊を結ぶ新年交礼会」でも「この運動を旭川から全国に広めてほしい」とあいさつし、河野芳久第2師団長(当時)は「みなさんの支援でわれわれも力が出てくる」と答礼しています。言葉の通り順次派兵される部隊の地元では「黄色いハンカチ」の「押し付け」が行われました。「黄色いハンカチ」は「派遣自衛官の無事を祈る」という誰でも賛同できる「錦の御旗」を掲げながら、「危険な戦地に自衛隊を送るべきでない。憲法違反でないか」という派兵そのものへの慎重論を押しつぶしていきました。まさに自衛隊(というか国)に協力する最前線を歩んでおられます。

→新しい北鎮記念館の中で売店業務をすすめるNPO法人北鎮友の会。この本部は登記上、旭川商工会議所がある道北経済センタービルにあります。旭川財界による自衛隊広報戦略協力組織ともいえるのでは?

自衛隊協力会道北地区連合会は、第2師団管内の各市町村、自衛隊協力会の連携協調を図り、自衛隊の諸活動に協力し、我が国の防衛に貢献することを目的とする。

沿 革

○ 昭和35年3月~37年7月、自衛隊員の激励並びに後援等に努めるとともに、自衛隊の実態を認識し、自衛隊の健全な発展に寄与する目的をもって、名寄(35年3月)、旭川(35年3月)、富良野(36年3月)、遠軽(36年3月)、留萌(36年4月)、稚内(37年7月)に各地方自衛隊協力会を設立した。

○ 昭和40年、管内全市町村が結成、会員数は約2万名に達し、これを契機に第2師団管内の各市町村の自衛隊協力会相互の連携協調を図り、活動をより効果的にするため、6月、自衛隊協力会道北地区連合会が誕生、事務局を旭川市役所に置いた。昭和48年11月、事務局を旭川商工会議所内に移し、以後、会長は旭川商工会議所会頭とした。
現在会員数は3654名(平成12年4月現在)を擁している。




■旭川市自衛隊協力会
会長 髙丸 修

旭川市自衛隊協力会は、自衛隊に対する理解と相互協力を通じて、市民の間に郷土を愛し、発展させ、これを防衛し、防災しようとする気運を高め、併せて自衛隊の健全な発展を図ることを目的とする。

事 業

1 自衛隊の各種活動に協力すること。
2 災害派遣、部外工事の機会を通じ市民に防衛、防災思想の普及徹底を図る。
3 隊員の福祉、厚生に協力すること
4 懇談会、見学会等を実施し、防衛に関する認識を高揚すること。
5 会員相互の親睦を図ること。
6 その他、本会の目的達成に必要な事項



■ 旭川自衛隊協力会婦人部
部長 渡部京子


■名寄自衛隊協力会婦人会
会長 吉田美枝子


■遠軽町自衛隊婦人協力会
会長 斉藤恵美子


■富良野地方自衛隊協力会上富良野支部
部長 村上和子

【隊友会】(自衛隊OB組織)

■ 社団法人隊友会旭川地方隊友会
会長 椛村 天臣

社団法人隊友会旭川地方隊友会は、国民と自衛隊とのかけ橋として、相互の理解を深めることに貢献し、もって我が国の平和と発展に寄与すると共に自衛隊退職者の親睦と相互扶助を図り、その福祉を増進することを目的とする。

沿 革

○ 昭和33年1月、第2管区隊総監部を退職した、新妻義次氏を発起人代表として「鳩友会」が結成された。当時防衛庁が各地に自衛隊退職者の全国組織の推進と育成支援を提唱、「自衛隊退職者の全国統一団体結成発起人会議」が開かれ、昭和34年7月10日、東京虎の門共済会館において、「中央結成大会」が実施された。旭川においては、これにさきがけ昭和34年2月13日「退職者団体発会準備委員会」が発足、「隊友会旭川支部」の結成式を実施した。 

○ 昭和35年12月27日、隊友会が社団法人としての設立が認可され、昭和39年11月1日、旭川支部を核として、旭川支部連合会が設立、それまでの名寄・留萌・遠軽及び稚内の4部会がそれぞれ支部に格上げとなり、平成8年7月現在、隊友会旭川地方隊友会に改名された。平成12年4月現在、9支部約2,000名を擁している。

【自衛隊父兄会】(隊員家族の組織)

■ 社団法人全国自衛隊父兄会旭川支部連合会
会長 生駒 耕作

→生駒氏は旭町に本社を構える中央警備保障(株)の代表取締役を務められています。2004年には募集相談員活動で防衛庁長官感謝状、2006年には会社に対して防衛庁長官感謝状が授与されています。

社団法人全国自衛隊父兄会旭川支部連合会は、自衛隊旭川地方連絡部長管内の地区支部協議会(以下「地区協」という)の連携を強化し、定款第3条に示す目的のほか、旭川管内における本活動の核心とし、地区協の育成指導にあたるものとする。

沿 革

○ 第2管区隊(現第2師団)内において、自衛隊父兄会の結成が最も古い支部は、昭和30年6月に結成され、以来逐次増加して21個市町村に及び、それぞれ独自の活動を実施していたが、昭和36年、これを組織化し、「自衛隊父兄会旭川連合会」として発足した。

○ 昭和38年1月30日、「自衛隊父兄会北海道連合会」が発足、これに加入すべく直ちに準備を整え同年3月10日、「自衛隊父兄会道北連合会」を設立した。事務局を旭川地方連絡部内に設置し、23個支部・会員数1562名の組織となった。

○ 昭和41年、「全国自衛隊父兄会連合会」の発足と同時にこれに加入、昭和51年10月18日、全国自衛隊父兄会連合会の社団法人化に伴い、会則の改廃を実施し、呼称が「自衛隊父兄会旭川支部連合会」となり、平成12年4月現在、60個市町村に支部を持ち、会員数約2,900名となった。 

事 業
1 防衛思想の研究及び普及
2 自衛隊員の募集に対する協力及び自衛隊の諸行事に対する協力
3 自衛隊の慰問及び激励
4 殉職隊員遺族の援助
5 会員の親睦及び福祉の増進
6 機関誌等の発行
7 その他、この会の目的達成に相応しい事業

【自衛官志願推進協議会】(募集相談員:民間有志の組織)

■ 自衛官志願推進協議会道北連合会
会長 山田 允孝

→「旭川地方連絡部」は組織改変で「旭川地方協力本部」となっています。第2師団HPは旧組織名のままでしたので、そのまま掲載しました。

→山田氏は「自動車技術会北海道支部」HPによれば「旭川地方整備振興会・専務理事」の肩書きをもつ民間人。自動車技術会北海道支部幹事もされている。

自衛官志願推進協議会道北地区連合会は、主として志願者情報の提供及び地域住民等に対する啓発活動等による自衛隊旭川地方連絡部の募集広報活動に自主的協力するとともに、会員相互の研修及び親睦を図ることを目的とする。

沿 革

○ 募集事務の委任は、当初法律(保安庁法第150号)に定める「地方公共団体の組織を通じて行う募集」により、通常は市町村役場の特定吏員に委任されていたが、募集の効率化・円滑化を図るため協力者を募りその人方を「募集相談員」と定め全国的に普及された。旭川地方連絡部管内では、昭和45年7月25日、留萌自衛隊協力会が市内の有志12名に対し、「募集相談員」として委嘱したのが始まりで、昭和47年1月には、旭川地方連絡部管内で募集相談員の数は373名となった。

○ 昭和47年9月13日、募集相談員と旭川地方連絡部の担当者とが密接に連携して勧誘に当たるため、組織の一元化を図る必要性から「自衛官志願推進協議会」が発足、同時に「自衛官志願推進協議会道北地区連合会」を設立し、道北62市町村を10地区に区分し、「地区協議会」とした。平成12年4月現在、会員数は約370名を擁している。

事 業
1 自衛隊旭川地方連絡部の募集広報業務に関する業務
2 自衛隊に関する地域住民等への啓発活動
3 自衛隊旭川地方連絡部の実施する諸行事に関する協力
4 研修会等の実施に関すること
5 その他、第2条の目的を達成するに相応しい事業

【自衛隊退職者雇用協議会】

■ 北海道自衛隊退職者雇用協議会旭川支部
会長 湯佐 英司

→湯佐氏は旭川市内で運送業を営む北興グループ代表(北興運輸㈱会長、㈱谷内代表取締役)。ライオンズクラブ役員なども務める財界人。

自衛隊退職者雇用協議会旭川支部は、隊員相互・旭川市自衛隊協力会並びに旭川公共職業安定所、社団法人隊友会旭川支部及び社団法人全国自衛隊父兄会旭川支部連合会との緊密な連携の下に自衛隊退職者の雇用及び旭川市内定住の促進を図り、有能な労働力を確保して、旭川市経済及び各産業の発展に寄与することを目的とする。

沿 革

○ 昭和30年代の後半、我が国は高度経済成長期のまっただ中にあり、経済界は、労働力不足に悩まされ、地元旭川地区の産業経済発展のために、人材の確保が急務となった。その時期、旭川経済界の中に自衛隊で訓練を受け、かつ各種の技術を身につけた自衛隊退職者を企業に採用したいとの声があがり、当時の旭川商工会議所会頭、中保恭一氏を代表とする発起人会の尽力により、「企業体・公共機関・自衛隊及び協力諸団体相互の緊密な連携のもとに、自衛隊退職者雇用及び旭川地区での定住の促進を図り、有能な労働力を確保して、旭川経済圏各産業の発展に寄与する」ことを目的として昭和38年5月参加55社で、北海道自衛隊除隊者雇用協議会旭川支部として旭川商工会議所内に発足、次いで昭和40年6月、旭川商工会議所から独立し、初めて組織的な活動を開始した。(参加企業74社)じ後、昭和60年度以降の退職者急増期に対応すべく、昭和58年5月、名称を現在の北海道自衛隊退職者雇用協議会旭川支部として新たに発足し、現在加盟企業数404社を擁している。

事 業
1 自衛隊退職者の雇用推進
2 自衛隊退職者の旭川市内定住促進に関する協力
3 隊員の職業訓練に関する協力
4 隊員に対する地元産業の紹介及び職場見学