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2012年11月28日 (水)

復興予算「流用」問題、旭川の自衛隊に約50億円も!

被災地の復興のために増税して5年間で19兆円規模で組まれた復興予算の被災地以外でのいわゆる「流用」が問題になっています。予算措置の過程で財界(日本経団連)が提言した内容をもとに具体化された「全国防災対策費」約2兆円が被災地以外での予算執行を可能にしたためです。

この問題ではさまざまな事業例が報道され、一部は執行停止されていますが自衛隊関係分についてはどの報道機関もほとんど扱っていないのが現状です。そのなかで「しんぶん赤旗」10月6日号ははじめて全国的な防衛省・自衛隊の復興予算「流用」を報じました(10月6日付一面「復興予算で空自操縦訓練」)。この記事中、旭川地方協力本部庁舎の増改修を行うとの記載があり、そこではじめて旭川の自衛隊にも復興予算が「流用」されていることを知りました。

私たちはその後、1ヵ月半にわたり、参院議員紙智子事務所の協力もいただきながら独自に調査をすすめ、以下のとおり旭川駐屯地・旭川地方協力本部・近文台補給支処関連で平成23年度予算で約50億円の復興予算が執行されていることを知りました。

調査によれば北海道全体で自衛隊が執行したH23復興予算は約97億円。この半分以上を旭川関連で占めています。その理由はわかっていません。おおまかな内訳は以下のとおりです。

■旭川関連(小計約50億円)

旭川地方協力本部庁舎新設
駐屯地内庁舎新設
※第2後方支援連隊・第2施設大隊・第2通信大隊・第119地区警務隊が使用
整備場新設
倉庫新設
近文台補給支処ボイラ更新等

■帯広関連(小計約15億円)※帯広防衛支局管轄分

帯広駐屯地庁舎新設
帯広駐屯地電源室新設
雨水排水工事/帯広・鹿追・釧路
遠軽駐屯地整備場新設
※遠軽は第2師団ですが帯広防衛支局管轄のようです。

■その他全道(小計約32億円)

医務室/北千歳・島松・幌別
発電施設/東千歳・丘珠・名寄・日高・早来
浴場/静内
車庫/幌別
受電所/丘珠
給水所/岩見沢
油脂庫/安平
倉庫/真駒内
通信施設/東千歳
燃料タンク/丘珠       等々

旭川駐屯地庁舎や旭川地方協力本部庁舎は建て替え理由に「災害発生直後から当該施設を災害派遣活動等の対応の拠点としての機能を十分に発揮できる」ようにすると書き込むことで、前述の「全国防災対策費」を利用できるようにしたようです。
旭川駐屯地庁舎は既存庁舎3棟を解体し新たに鉄筋コンクリート5階建庁舎2棟を新築。旭川地方協力本部庁舎は既存庁舎2棟を解体し新たに鉄筋コンクリート2階建庁舎を新築予定とのこと。すでに後者の解体工事ははじまっています。

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解体直前の旭川地方協力本部庁舎

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解体工事がはじまった旭川地本庁舎

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駐屯地庁舎建設は海洋土木大手の五洋建設が受注

旭川関連の50億円ですが、通常のH23年度旭川関連(集計対象を同じ範囲とする)の防衛省一般予算からの支出は約19億円。復興予算は2・5倍もの支出を可能としました。この結果、本来ならば一般予算で賄われるべき庁舎建て替えや整備場建設など費用のかかるハコモノに充てられたのではないかと推察します。

上記一覧をみれば、「全国防災対策」の観点から見ても一応理解できるものと明らかに無理があると思われるものもあります。このような予算の使い方は復興予算本来の趣旨から遠いのではないかと思います。阪神・淡路大震災の際、被災地の復興に充てられた「復興軽費」と今回の「全国防災対策費」に該当する「緊急防災対策費」は別枠予算になっており、この予算措置のための増税はありませんでした。しかしながら今回は所得税・住民税増税の上、復興予算を全て被災地に使うのでなく、少なくとも2兆円が「流用」されました。

前述の五洋建設は他にもいくつかの防衛省関連復興予算事業を受注しています。

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一方で同社HPでは震災復旧に全力をあげていることをアピールしています。得意とする海洋土木でのこうした貢献は重要ですが、もう片方の手で「流用」予算事業をこなしていることは複雑です。

旭川駐屯地内の整備場建築工事を受注したのは旭川の地場建設業者・荒井建設。

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荒井建設HPでも震災復興をアピールしています。

余談になりますが荒井建設の「軍」とのつながりは古く、大正12(1923)年、層雲峡に「層雲閣」(現:層雲閣グランドホテル)設立。翌大正13(1924)年に私費を投じ上川~層雲峡間の道路12キロを整備。昭和3(1928)年に私費で第七師団転地療養所を建設し寄付。その代わりに「陸軍用地から温泉の余り湯を分与して荒井の層雲閣に引湯する」約束を当時の師団大隊長から取り付けるなど軍との太いパイプがありました。

いま自衛隊は被災地での救援活動を様々な機会に広く紹介しています。

陸上自衛隊第2師団HP/東日本大震災 第2師団活動記録
http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/2d/kuniwomamoru/saigai/tohoku/touhoku_index/touhoku_index.html

現地に駆けつけ、日夜わかたず活動された隊員のみなさんには敬意を表します。消防のみなさんも警察のみなさんも自治体職員のみなさんもボランティアのみなさんも一緒にがんばりました。被災地のことを本当に心配されています。だからこそ、復興予算は被災地に使うべきです。その気持ちは同じではないでしょうか。

今回ご紹介した事業が本当に必要ならば、防衛予算のなかできちんと位置づければよいのではないかと考えます。

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この問題は、引き続きご紹介して行く予定です。

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コメント

1.この建設または立て替え工事そのものは震災以前から予算枠が確定していた点

2.復興予算が組まれていたとあるが、それは全体から統計して指摘以下の割合であり、大げさに書きすぎである点
しかも本来ずいぶんと昔から計画し予定されていた中で本来一般予算とすべき部分がその当該予算が削減された分を復興予算のうちの「震災対処」の形で埋める形で執行されたのであり、これは「現民主党政権」を批判するべきを何故か自衛隊側を叩く意図が見える点
庁舎の老朽化に伴う緊急対処が必要となっている点はどう考えているのでしょうか?
そしてそれに関して以前から計画されていたはずなのにいざその事業を行う際に「予算が削減」されている事実をどう考えているか


予算執行に関しては予算委員会の決済・承認が必要とするも、その殆どを民主党幹事長を経由しなければならない事から指摘し叩くべき方向は自衛隊では無いです。

3.新聞赤旗をソースとして提示されているようですが、ある意味赤旗も昔からかなり情報の改竄や意図的な情報操作を行う節が見受けられる新聞ですが、そういった新聞をソースとして提示する姿勢はどうかと思います。
ましてや「自衛隊に悪意」がある組織ですからね、発行元は(苦笑)

4.ところで先程私の知人から「以前留萌等の部隊に関するコメントをしたはず」との事ですが、消されている点をこの場で明確かつ論理的にご説明をお願いしたいと存じますが、返答する気はございますか?
都合の悪いコメントや内容を削除や改竄・不掲載というのは非常に論理的に問題があると私は思います。


ブログの管理者は山田氏ではありますが、そのブログに関して「これはおかしい」とする意見や「それはどうかと」といった意見を封じるような姑息な真似は『立派な大人』である貴方はしてはならないでしょう。
ましてや「子供を持つ親」ならば尚更でしょうね。
都合が悪いコメントを意図的に封じるならば、こういったブログ等は「コメントを一切受け付けない」方式にすべきでしょう。
当然、仮にそういった形に変更したとして、閲覧者がどう見るか
良い方には映らないでしょう、姑息な人間のやることにしか映らないと私は思います。

管理者承認方式の欠点は「ブログ管理者の都合が悪いコメントを意図的に封じてさも『賛成意見のみ』に集約しやすい」点ですが、これは言葉を変えれば自分にとって疾しい点が多いから行う方式であり、普通の人間ではこういった事は行わないはずです。
もう少し良識のある活動をすべきでしょう。

旭川市永山在住、やまもとくみこ拝

投稿: やまもとくみこ | 2012年12月 1日 (土) 18時31分

やまもとくみこさんは、今回の件も含めて第2師団の内情、予算の決まり方等、かなりお詳しい様子。自衛隊関係者または関係者家族とかでしょうか。そういう情報を持っている方がもっと問題提起すべきなのです。

民主党政権に対する審判はすでに12月16日に下りましたのでここではいいでしょう。

いづれにしても、この大型事業が行われたことで、類似ケースが全国で行われていることで被災地に必要な予算がまわっていないことは事実です。

投稿: 管理人:山田 | 2012年12月22日 (土) 15時01分

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