« 2010年「2・11平和集会inあさひかわ」に参加して | トップページ | 2010年旭川冬まつり企画展「師団通りを振り返る」 »

2010年2月16日 (火)

2010年2月例会:「平和を守る『信教の自由』~砂川政教分離訴訟・最高裁判決」

旭川平和委員会青年部は「砂川政教分離訴訟」をテーマに2月例会を開催しました。この例会には同訴訟弁護団の主任弁護士である石田明義弁護士(北海道平和委員会理事長)を講師にお招きし、訴訟の概要とポイントなどを詳しく聞きました。この例会には青年部メンバーの他、ご案内していたゲスト3名が参加。学びあいました

Sn3d1122 ■全体の様子

石田氏は空知太神社と富平神社のそれぞれの成り立ちから詳しく説明しました。

空知太神社は戦後、ある個人から「神社にすること」を条件に寄付された土地で、寄付後の市有地に神社を建てることを当時の市長も市議会も容認しました。「そもそもその時点で問題がある」と石田氏。建物は町内会のものですが、何度も補助金を出し建物増築、土地買い増しを行っています。「神社として使うのは正月と春・秋のお祭りの年3回だけ」との理由で使用料として氏子が年6万円を支払っているそうです。

富平神社は戦前、富平小学校の教員住宅建設のため神社境内地を当時の砂川町に無償譲渡されました。しかし、必要に応じて(住宅が不要になる等)神社に土地を返還するとの口約束があったそうです。戦後、教員住宅はなくなりましたが市の土地所有はそのまま継続。住民監査請求を機に砂川市は、町内会に「地縁団体」をつくらせ法人化、そこに無償譲渡しました。

この訴訟は2人の地域住民の疑問から生じたものですが、お2人ともそれぞれ戦争体験があり、その苦い思いから立ち上がる決意をなさったこと、住民監査請求あたりまではもっと仲間がいたものの、やはり裁判となると(事を構えるとなると)一人去り、二人去っていくなか負けじと立ち上がったことなども紹介されました。

それぞれの判決については下記をご覧下さい(リンク切れの際はご容赦ください)。
空知太神社訴訟・最高裁判決PDF
富平神社訴訟・最高裁判決PDF

Sn3d1126 ■石田明義氏

石田氏は、富平は明らかに不当判決だと指摘。空知太について原告は悩んだ末「最高裁は憲法を守った」との垂れ幕を出しました。確かにあいまいになっていた神社と町内会、自治体の関係をめぐり、自治体が「地域慣行」や「習俗的」を理由にあいまいさを正当化するのは間違いだと判示したことは評価しつつ、一方でなぜ札幌高裁に差し戻したのかと批判されています。とりわけ町内会との関わりについて判断を回避したことは、「機が熟してないとみたのか」と今後の地域での積極的な取り組みを提起していました。町内会が積極的に「祭り」や「慣習」の名目で宗教活動を担い、それを自治体が支援する構図は多く残されており、今後「町内会と神社」「町内会と宗教団体」の問題は大いに告発されるべきと石田氏。

札幌高裁は原審で空知太神社の解決方法として「祠(ほこら)、鳥居、神社名、地神宮の収去」を提起しました。これに対し砂川市は「祠、神社名、地神宮」は応ずるが「鳥居」は困難(なぜかは不明)との態度を示したそうですが、それならば差し戻し審で富平のように「地縁団体つくらせ無償譲渡」とは単純にならないと推察します。この点では「地縁団体つくらせ無償譲渡」方式が蔓延するのではないか?との危惧が提起される一方で、石田氏は「富平には元々神社であったり返還の約束があったなど歴史的経過があった。各地の事例で単純にあてはめることはできないだろう」と推測されています。

町内会と神社の関わりでは当会も以前から関心を持って調べてきた経過もあり、この日の質疑応答のなかでも「町内会が神社との関わりを強め、会員への『抑圧』を強めれば強めるほど町内会が空洞化し、本来必要なコミュニティー機能が失われるのではないか」「すでに旭川市中心部では『神社委員のなり手が居ない』『町内会自体が解散した』などの事例は多いと市民委員会幹部から聞いている」などの声もありました。

宗教団体は個別の意義をもち自立的に活動しています。そのために必要な諸活動は各宗教団体独自に行っています。山田が知るキリスト教会も仏教のお寺も天理教もみなそうです。これを機に町内会は神社の下働きのような仕事から手をひき、本来強めるべき地域の支えあい、助け合い、活性化に力を注ぐときではないでしょうか。神社の宗教活動は信者である氏子団体が行えばよいことであり、一般論としてそのような力が失われた宗教団体はそのレベルで存続するしかないのではありませんか(私見です。例会の結論ではありません)。

市民的自由の危機と宗教―改憲・靖国神社・政教分離 市民的自由の危機と宗教―改憲・靖国神社・政教分離

著者:菱木 政晴
販売元:白澤社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

|

« 2010年「2・11平和集会inあさひかわ」に参加して | トップページ | 2010年旭川冬まつり企画展「師団通りを振り返る」 »

例会・活動報告」カテゴリの記事

政教分離」カテゴリの記事

日本国憲法」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/407471/33386797

この記事へのトラックバック一覧です: 2010年2月例会:「平和を守る『信教の自由』~砂川政教分離訴訟・最高裁判決」:

« 2010年「2・11平和集会inあさひかわ」に参加して | トップページ | 2010年旭川冬まつり企画展「師団通りを振り返る」 »