2008年1月例会:沖縄問題を再び考える
新年、おめでとうございます。今年も旭川平和委員会ブログをよろしくお願いします。「2007年回顧、2008年展望」に書いたように今年もコツコツすすんで行きたいと思います。当ブログへのご意見、ご感想、ご批判はコメント欄か、またはメールにて受け付けています。
2008年1月例会を開催しました。メンバー半数の出席およびゲスト1名が参加しました。ゲストは鷹栖町出身で現福岡県選出の日本平和委員会青年理事Aさん(20)。政治学を学ぶ学生さんです。Aさんにも例会の第2テーマ「日本平和大会in沖縄」参加報告をしていただきました。感謝します。
第1テーマ:9・29教科書検定意見の撤回を求める沖縄県民大会
今年初の例会は「沖縄問題を再び考える」ということで、第一テーマは「教科書検定意見の撤回を求める沖縄県民大会DVD」をみんなで観て意見交換を行いました。昨年(2007年)9月29日に宜野湾市海浜公園で開かれた同集会。集会実行委員会が作成した純粋な記録DVDです。会員Sさんのお父さんお勧めの一品。
観てまず思うのは会場の熱気。集会では冒頭、沖縄県議会議長(自民系)や沖縄県知事、沖縄県教育委員長などが次々と挨拶します。普通、この手の「挨拶」はダレルものです。しかし、みんな集中して聞いている。それもそのはず、「挨拶」も実に内容のあるものでした。「挨拶」にたった人物が「実は・・・」と自分も集団死の生存者であることを紹介する。それを高校生らがじっと聞き入る。そこには真剣さ以外の何ものもありませんでした。
そして青年たちの真剣さ。集会前に「平和の火」をリレーでつないだ子ども達もそうですが、参加した子どもら、中学・高校生たち。友人の大学生はみな「参加した」と口々に言っていました。訴えた高校生2名の言葉は、思想信条の違いを超えて参加したすべての人の心に届いたことでしょう。その思いは私の心にも届いています。
例会参加者からはこのような集会の姿に一様に驚きの声があがりました。そして「なぜ沖縄県民の伝えたい思いが本州やここ北海道まで伝わらないのだろうか?」と疑問がわきあがりました。これは第2テーマでも共通した話題となります。
ある参加者から、こんな声がありました。「最新の雑誌『北海道経済』(2008年1月号)に右派の医者がコラムを書いているが、そのなかでこの集会を『デモ』と間違え、しかも『11万は誤り。1万9千しかいない』などと根拠の無い記述をしている。許せない気持ちでいっぱいだ」とHさんが述べました。
左がそのコラムです。書き手は旭川ペインクリニックの的場光昭氏。氏が前々回の道議会議員選挙旭川市区に立候補して無残な結果に終わったことは記憶に残っている方もいるかもしれません。このコラムは毎回、氏の価値観に基づく主張が続いており、今回は46回目。
今回のテーマは「偽装」。その一例として沖縄戦集団死に関わる軍の関与(強制)が削除された教科書検定意見に対する県民大会を槍玉に挙げたのです。曰く「沖縄県民をも・・・大嘘つきにしてしまう」と。
氏は「嘘を言う」と「嘘をつく」を区分し、県民大会に対する批判の集中点を北海道新聞をはじめとするマスコミにあてました。曰く「『11万人デモ』と北海道新聞も主催者側の発表を鵜呑みに報道していたが、航空写真を拡大して参加者を数えた結果1万9千人であったそうだ」「マスコミの助長によって沖縄県民をも大陸や半島人なみの大嘘つきにしてしまう」というのです。このようにマスコミを「断罪」する手法でもって、実際は県民大会(それも「デモ」だなどと恥ずかしげもなく大間違いを繰り返している!)を「偽装」だとレッテル張りをしています。このニュースソースはこちら(産経ニュース2007年10月17日「沖縄県民大会参加者『約1万8000人』自民歴史教育議連」)だと思います。ニュースソースでも「デモ」だなどと一言も触れていないのに「デモ」「11万人デモ」「デモ」と3度も繰り返すあたり、思い込みが激しい方なのかな、と推察します。産経の記事では航空写真から可視可能な人を数えたといういかにも信憑性がありそうなことを書いているものの、沖縄タイムス2007年9月30日付記事が述べているような「周辺の敷地にも人があふれかえった」ような状況は一切反映していないと思われます。そもそもこの手の集会を実数より低く見積もっている警察発表(約4万人)の半数にも届かぬ数字にいかなる根拠があるのか、ましてや現地を見ていない「都内の警備会社」なるものが机上の空論ではじき出した数字に科学的な根拠があるのか疑問しか残りません。
そもそも9・29県民大会後、いち早くネット右翼が「11万は虚数」と騒ぎ出していましたが、その論法は「水増し」は「左翼団体」の「常套手段」というものですが、そもそもこの集会の実行委員会代表は自民党系である沖縄県議会議長さんです。もちろん県教組や高教組、新婦人や共産党、社民党なども加わっていますが、いわゆる保守系のPTA連合会や子ども会育成連合会などが前面にたって準備した大会であり、県民大会を「左翼が偽装した集会」とのイメージにすり替えたいネット右翼の意図は見透かされていると言わざるを得ません。保革一体となり抗議の声をあげた沖縄県民の怒りを本土に伝えたくない、というのが正直なところと推察します。
第2テーマ:11・23-25日本平和大会in沖縄
Aさんに報告いただいた11月の日本平和大会in沖縄。Aさんは参加した催しで学んだことだけでなく、移動中目に付いたことや現地の人に積極的に話しかけた内容などを盛りだくさんで報告してくれました。ときには疑問、ときには悩みも含めて。
嘉手納基地近くの「道の駅」でみた「壁画」にはポップな米軍のイラストが書かれていて、実際はこんなものではないはずと疑問を深めたそうです。また基地に隣接している畑でジャガイモをつくっている男性との対話では「基地さえなければ」と男性の心情を推察するも実際は「生まれた頃からあったからね」と半ば諦めに似た思いを聞き、その思いにも寄り添いともに考えていく姿勢が大事なのではないかと模索していたり。そんなAさんの報告を聞くたびに、沖縄の実情に対する私達「離れた人々」の無知や無関心が問題だと思いますし、それを引き起こしているメディアによる「報道しない」姿勢への疑問も抱かざるを得ません。それはメディアの安保条約に対する距離感も影響しているような気がしてならないのは私(山田)の感想です。
意見交換を終えると予定終了時刻より30分以上遅くまで例会を開いていたことに気づかされました。参加したメンバーのうち、沖縄の基地の実相を見てきたことが無いメンバーは「ぜひ一度行きたい」と口々に語られました。
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