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2007年7月に作成された記事

2007年7月30日 (月)

いわゆる「自衛隊票」はどう動いたのか?その思いは?

第21回参議院議員選挙が29日投開票されました。自公の与党勢力は大逆風で惨敗、と各メディアが報道しています。これは経済失政とともに、靖国派内閣による時代錯誤な「価値観押し付け」への批判もあると確信しています。安倍首相は辞任せず、内閣改造で乗り切るおつもりのようですが、改造内閣では靖国派の登用をいま少しお控えになられることをお勧めします。

ところで当ブログでも注目させていただいた元一等陸佐・佐藤正久氏は見事(?)当選されました。立場の違いは置いといて、まずはお祝い申し上げます。

当 佐藤正久 〈元〉陸上自衛官 新 251,579

ということで、25万票あまりを獲得なさったわけですが、これをどう見るか?というのが今日のテーマです。事前のマスコミ報道によれば自衛隊票は自衛官家族・出入り業者も含めて60万余、と書かれていたのですが、だとすれば42%しか獲得できていません。ちなみに、平成17年度末の自衛官定員と現員は、定員251,582人、現員240,812人です。定員を狙ったとすれば誤差3人というすごい読み。即応予備自衛官が8368人(平成18年)。現員+即応=249,180人で得票との差は-2399人。予備自衛官は47,900人いますが、これを加えると297,080人となります。さてここで、興味深いデータを。

0010_1 左は2004年参院選のときの新聞記事です。全国紙だったと思いますが、どの新聞の何日付だったかは記録して無かったです。朝日か毎日ではないでしょうか?

この記事はなかなか興味深いことが書かれています。前回参院選では自衛隊票をあてにした防衛庁出身候補が3人出て現職候補も含め全員が落選した、というのです。記事では「省昇格に逆風」とありますが、これを小泉人気の余波で2007年1月に昇格させたのは記憶に新しいと思います。いまの「逆風」安倍内閣ならできなかったでしょうね。

記事では3氏が「防衛庁・自衛隊」「軍恩連盟全国連合会」「宗教団体」と支持団体を「棲み分け」していたものの、実際には限りある「自衛隊票」を食い合いしていたそうで、自衛隊票が3分されてしまった結果3氏とも落選した、ということが書かれています。ちなみに、3氏の得票は次の通りです。

月原茂皓 現  85,502

鈴木正孝 元 101,651

関   肇 新 105,308

3氏合計で292,461票となり、佐藤正久氏の得票と比べれば4万票も多いことになります。自民党の比例得票数は2004年が1679万余票で、今回2007年が1654万余票ですから、大きな違いはありません。

2004年に3氏落選の憂き目を見たので、今回関係者のみなさんは候補一本化を図り、むしろ一人で無党派層の比例票をザクザク稼げる候補、ということで佐藤正久氏の出馬と相成ったように思います。限られた固い組織票の配分を考えたときに、候補一本化は妥当だろうと思います。この点だけは功を奏しました。

しかしながら、佐藤正久氏の個人名得票25万余票というのはどうなんでしょうか?第一に、前回3氏の得票合計を4万も下回ったこと。第二に、現員+即応予備自衛官とほぼ同数であり、OB票や家族票、宗教票を考えれば現役自衛官での得票は少なくないものの、万単位で支持されていないこと。第三に、目標としていた60万には到底届かなかったこと。安倍「逆風」を考えてもシビアな結果といわざるを得ません。これは何を表しているのでしょうか?

現時点では憶測でしかありませんが、元イラク派遣先遣隊長を打ち出し、業務時間に「防衛講話」までさせて「イラク」を押し出したことがかえって不評をかったのではないでしょうか?平和憲法のもとでの強引なイラク派兵は日本社会に賛否の分断を生み出し、派遣隊員家族を強い不安の奥底に投げ込みました。帰国してからも派遣隊員の自殺は相次ぎ、旭川駐屯地所属自衛官も一人自殺されています。一部ネットでは事実かどうかわかりませんが派遣隊員の子どもさんへの放射線障害の報告まで出ています(これは本当に事実かどうか不明で、現段階では根拠ないです)。安倍靖国派内閣は「憲法を変えて自衛隊を自衛軍に」といいます。そして「集団的自衛権も」と。そんななか、自衛官ご本人でも、ご家族の方でも、「そんなん、まっぴらゴメンだ」という声が反映されたのではないでしょうか。ある意味で当然の気持ちだろうと思います。これだけは「教育」で「自民支持」を徹底したところで、しきれない部分が出て来るだろうと推察します。

今後、佐藤正久氏はバッチをつけて、国会を部隊に「主戦論」を唱えるのでしょうか?「現場の声を国政へ」といいつつ、戦場=現場で必要な装備も訓練も制度も実現しないと、戦場では役にたたないぞ、と。その流れをすすめるか否かは、国民が決めることです。

つい先日、元自衛官が書いたブログ「猫に小判~自衛隊内部を滅多切り」が突如閉鎖されました。ブログが開設されていた期間は、長く見ても10数日だろうと思います。ブログの最後の記事では「このブログは誰がやっているのか自衛隊では探しているでしょう。私個人として、このブログを閉鎖する気はありません。もし閉鎖したとしたら圧力がかかったものと考えて頂きたいと思います。平和な国であることを願っています」と述べられ、突如の閉鎖が「圧力」であることを裏付けています。(このブログによる告発内容は後日ご紹介します)。

元自衛官であっても言論を封殺されるほど自衛隊組織の「縛り」は厳しいのです。現役ならばなおのこと。(余談ながら、そんな中で人権裁判をたたかっている女性自衛官はよくぞ国を提訴したものだ、と思います。改めて勇気に拍手)。しかし、思いは秘めていても伝わりません。今回、佐藤正久氏に個人名で「投票しなかった」ことによって示した「思い」を、何らかの匿名手段で発信していくことは憲法に保障された表現の自由に含まれることだと思います。その「思い」が、私達の立場と一致しても、一致しなくても、表現の自由は全て保障されるべきです。

自衛官も読んだらクリック願いまーす!

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2007年7月24日 (火)

上川神社例大祭の関連行事に旭川市長・自衛隊車両など参加

7月20日~22日まで、上川神社例大祭が開かれました。

0004_3 左は7月20日付北海道新聞(旭川版)の記事です。上川神社例大祭では市内大成地区で行われる露天営業とともに神輿巡行と市民パレードが主な行事となります。神輿関連では、「神輿をあげる会・粋旭」なるグループが昭和60年に発足し、市内中心部でかつぐ行事も恒例となっているようです。

このうち神輿巡行と市民パレードが「事実上、(略)同じでは」ないか(記事より)と指摘されており、これ(市民パレード)に対する市長の出席と自衛隊車両の提供が問題視されていました。

実はこれらの問題提起は以前からありました。以下は2005年8月14日の北海道新聞短期連載記事よりの転載です。

0005_1 記事にもあるとおり市民パレードの自衛隊車両には菅原功一前市長や祭典関係者、お稚児さんと家族らが乗車しています。市長は当時から「名誉氏子総代」との位置づけ。この職は西川市長も引き継いでいるということですね。市長が特定宗教の名誉職とはいえ「名誉氏子総代」の任に着き、その肩書きを記した自衛隊車両に乗り、市民パレードと称して神輿巡行のすぐ後ろを走るということに抵抗を感じる人もいるのではないでしょうか。

自衛隊は市長名の要請をうけての「部外協力」だといいます。「市民パレードだから問題ない」とのこと。自衛隊における宗教活動への協力はどうなっているのでしょうか。「自衛隊の宗教的活動についての通達」という文書があります。昭和49年11月19日に防衛庁事務次官名で出されたものです。通達では冒頭「宗教的活動については、憲法第20条及び第89条に明記されているところに従って指導されているところであるが・・・」と延べ、「今後更に下記事項について周知徹底」をはかるようにと通達されています。第20条については3項の「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない」の部分、第89条については「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない」の特に前段部分に該当するものとして注意喚起されていると思います。

通達では6項目について、それぞれ内容を記していますが、2番目に「部外行事への協力について」として以下の記載があります。「宗教的色彩を帯びた行事(神官、僧侶、牧師等の主宰する祭典、儀式等)に溶け込んだ形で、自衛隊の音楽隊、ラッパ隊、儀じょう隊等が参加することは、主催者が宗教団体、非宗教団体のいずれを問わず、宗教的行事に関与したことになるので、厳に慎むべきである。部隊等が宗教的色彩を帯びた行事に労力支援、物品貸与等の便宜を供することは、主催者が宗教団体、非宗教団体のいずれを問わず宗教的活動に対して便宜を供したことになるので、厳に慎むべきである」。

これを読めば主催者が「市民パレード実行委員会」であったとしても「宗教的色彩を帯びた行事」に運転手としての隊員の労力支援、自衛隊車両の提供としての物品貸与については「厳に慎むべき」と通達されています。では「宗教的色彩を帯びた行事」かどうか、実際に確かめなければなりません。7月21日、現場を見てきました。

P7210091 白丁(注1)

(注1)「白丁」とは?/お祭りで神輿を担いだり、山車を引っ張ったりする人、またはその衣服のことを白丁(はくちょう)と呼んでおり、今でも全国各地のお祭りの神輿の担ぎ手は、この白丁衣装を着ています。頭に黒の白丁鳥帽子をかぶり、白の狩衣(かりぎぬ)と袴を着て、足には白足袋に白雪駄が一般的なスタイルです。もともとは律令制度の下で「はくてい」と呼ばれた無位無官の公民をさした「白丁」が起源かと思われます。朝鮮半島では被差別民の呼び名とされているようですが、ここで紹介している「白丁」とは別起源の言葉のようです。

Kc330018_1 ※この若者たちは市内のとある専門学校の生徒さんが学校行事として動員されています。左はその専門学校のウェブサイトから。学生達の準備の様子が伺えます

P7210092 先太鼓

P7210093 獅子舞

※この他、列外に獅子頭もいました

P7210094 大麻司

P7210096 第一神輿

P7210097 権禰宜

P7210100 第二神輿

P7210101 第二神輿近影

P7210104 第三神輿

P7210105 禰宜

P7210107 東5条小・吹奏楽部

※神輿巡行の最後(それとも「市民パレード」の冒頭?)に子どもたちの吹奏楽パレード。東5条小の前は明星中・吹奏楽部が演奏していました。「慰霊音楽大行進」の「伝統」がここに保持されているように思えます。学校単位で子どもたちを宗教行事に動員するのは、いかがなものでしょうか?

P7210108 吹奏楽部の子どもたち

P7210110 ここから自衛隊車両

P7210113 祭典委員長

P7210114 名誉総代。つまり・・・

P7210115_1 西川将人旭川市長

P7210116 続く祭典関係者の車列

P7210118 太鼓車両は他にも

P7210123 第二賽物車

P7210125 女子供奉員

P7210127 お稚児さん

P7210128 お稚児さん

※先だって市内の保育園に「お稚児さん募集」のチラシが張り出されました。詳しく見ませんでしたが、応募していたら自衛隊車両に乗せられ、この行列に参加することになったのでしょうね。出発から2時間以上経過していたこともあってか、子どもらは飽きぎみの表情でした

P7210130 最後尾あたり

以上が神輿巡行と市民パレードのおおよその雰囲気です。写真点数が多くなってしまう関係で、撮影したものの掲載しなかった車両もあります。

確かにそのまま宗教行事である神輿や神職の行列部分と、吹奏楽以降を「分けて」いる配慮が見え隠れします。しかしながら、同じ模様の神社幕をつけ、市民パレード部分にも「名誉総代」(上川神社の名誉総代は旭川市長と商工会議所会頭が歴代就任している)「祭典委員長」などの祭典要職が乗車し、お稚児さんが続く。車列に乗車しているのは神社関係者及び祭典関係者のみ。その車列を「市民パレード」と銘打っただけで(自らが勝手に区分しただけで)、「この部分は宗教行事ではない」と主張することは論理的に無理があるといわざるを得ません。山田の印象は「明らかに宗教行事」です。

沿道には市民もチラホラ出てきて見ています。車列のスピーカーから「氏子のみなさんは穀物をお供えください」という趣旨のことを言っていました。若い専門学校生の白丁さんたちは、これを受け取って賽物函に入れます。「市民はみな氏子」との認識なのでしょう。だとすれば、それは「市民パレード」ではなく氏子の祭りであり、宗教行事そのものではないでしょうか。

ところで、こんな不心得者も出ています。

0008_2 容疑者は恐らく、前日の北海道新聞記事(上で紹介のもの)を見て勢いで脅迫電話をかけたのでしょうが、軽挙としかいえません。私たちも西川市長の参加には異論がありますが、だからといって暴力でどうこうしようとか、ましてやテロや妨害などはもってのほかです。私たちは道理ある主張を幅広い市民に伝え、これを支持いただくなかでこそ平和な社会の実現が期待できると考えています。

重ねて申し上げます。暴力や脅迫は絶対に許せません。戦争という最大の暴力行為を無くすために、非暴力・平和主義の行動を一貫してすすめます。

さて話はそれましたが、この件、今後も引き続き取材・調査していきたいと思います。閲覧読者のみなさんからの情報・ご意見をお願いすると共に、続報にご期待ください。

柴田さんも西川さんも高丸さんも、ぜひぜひクリッククリック!

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2007年7月20日 (金)

佐藤氏の候補者ポスターの件、続報

7月17日に書いた「自衛隊官舎(防衛省用地)の“前”に佐藤氏候補者ポスター掲示」でご報告した件ですが、その後動きがありました。というのは一斉に撤去されていたのです。

7月20日朝に別の用事があり、とある自衛隊官舎前を通過したところ、前回通ったときは立っていた佐藤氏の候補者ポスターがきれいさっぱり無くなっていました。どうしたことだろう、と思い、午後になって別の官舎も見に行ったところ、こちらも撤去されていました。

しかしながら、例えば萩岡宿舎では道路の向い側の民有地に移設(なのかどうか正確には不明ですが)されていましたし、他の場所でも近隣の防衛省用地でない道路用地などに佐藤氏のポスターはありましたし、北海道護国神社内の掲示板には枚数が増やされていました。

何らかの事情が聞けないかと旭川市選挙管理委員会に問い合わせたところ、「国有地への掲示は違法なんです」との答え。「市内各所で問題になっていまして、問い合わせがあれば現地を確認して後援会や各政党に連絡して撤去してもらっている」とのこと。なるほど違法だったのか、と思いつつ聞きました。

国有地はさておき「もっと自由に選挙ができればいいのにね」と思いつつも、佐藤氏の場合、防衛省用地に「独占的」に立てていたのが解消されたのは公平平等な選挙をすすめる上で一定の意味があったのではないかと思います。小さなことですが。

どの陣営のみなさんもクリックお願いします!

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2007年7月18日 (水)

7月例会「女性自衛官の人権裁判」

先日、当会7月例会を開催しました。

6月例会以降2名の新規入会がありまして、新入会員も参加しての例会となりました。7月例会のテーマは二つ。一つは「女性自衛官の人権裁判」について、概要の学習と支援の検討です。二つは久間前防衛相の原爆投下「しょうがない」発言について。

●女性自衛官の人権裁判について

山田から、訴訟資料や「支援する会」サイトからの資料など数十枚の資料集を提供し訴訟の経過などを説明。8月に開かれる2回目の裁判期日にむけて旭川平和委員会として「できる支援」について話し合いました。

質疑応答のなかでは「自衛隊員の人権」が話題となり、一方で「軍隊」としての命令系統や訓練内容(埼玉県知事が以前“失言”しましたが、戦闘訓練というのは相手の戦闘能力を奪うことが目的なわけで、結果的には生命維持機能を損傷させる場合もあるわけです。そういう訓練に対する不確信もあるのでは?)がありつつ、もう一方では日本国憲法の下保障されるべき基本的人権があります。自衛隊法や関係諸法令ではそれらの一部制限もなされていますが、日本の自衛隊員のおかれている人権状況と、諸外国(例えばフランス軍やスイス軍などは?他には?)の軍隊における軍人の人権や地位はどうなっているか?について論議になりました。この問題では引き続き調査・学習を進める予定です。

支援内容については、「支援する会」がすすめている署名の推進、原告へのメッセージによる激励、8月27日16:00予定の札幌地裁での第2回期日の傍聴の3点を確認しました。

●久間前防衛相「しょうがない」発言について

参加者の総意で「しょうがない」発言に対する抗議声明を採択しました。久間氏は「選挙への影響」を怖れたのか、「選挙への影響を怖れる権力者」を怖れたのか、辞任しました。しかし、発言を撤回することなく誠意ある謝罪もないままです。後任の小池百合子防衛相はさらなる「靖国派」であり、小泉前首相時代、郵政民営化の可否を問う衆院選挙で「刺客第一号」として名を馳せました。毎日新聞7月14日付全候補者アンケートでは、自民党候補の32%が「核武装」を「情勢により検討すべき」「検討開始すべき」と答えています。久間氏の発言には自民党内の「好核」論調が背景にあり、これを正すことなく「首のすげかえ」では国際社会にも国内世論にもきちんと顔向けができないのではないでしょうか。今度の参院選は、これに対する国民の審判が問われています。

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2007年7月17日 (火)

自衛隊官舎(防衛省用地)の“前”に佐藤氏候補者ポスター掲示

参院選がスタートしています。当ブログが注目している元イラク派兵先遣隊長・佐藤正久自民党比例候補も選挙戦に突入したようです。私たちは佐藤氏に対し、氏の主張に異議はありますが、候補者としての氏にどうこう申しているわけではありません。特定政党を支持することも、特定政党を支持しないこともブログとしては意思表示しません。

私たちが疑問視しているのは、自衛隊という国の組織が事実上、特定候補を支援することへの疑義であり、過去に「国家神道」として猛威をふるった宗教法人が特定政党候補を支持して非課税の境内地を提供することに対して疑義をもっているだけであります。思想信条は各々の自由にて、どんな主張であれ選挙の場で国民の審判を問うていただきたいと思います。ただし、圧力も虚偽やゴマカシもない公正な選挙でお願いしたいですね。

ところで旭川の自衛隊官舎“前”にも佐藤正久氏の候補者ポスター(証紙付)が張り出されています。“前”と書いたのは、敷地内であれば防衛省は佐藤陣営に対して撤去要請をすべき場所になろうと思うからです。ただし、一庶民からみれば、どう考えても官舎敷地に見えるのですが、問題なく立てられていることを考えれば、敷地外なのでしょうね。その辺の事情も考慮して「官舎前」とせず「官舎“前”」とした点にご着目願います。

Kc330020

【自衛隊官舎萩岡宿舎①】

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【自衛隊官舎萩岡宿舎②】

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【自衛隊宿舎:春光4条7丁目】

※右後方に見えるコンクリート製の柱は旧第七師団正門跡。

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【自衛隊官舎末広東宿舎】

以上、主要な官舎のみ見てきました。お住まいの方にはご迷惑にならぬよう配慮し、敷地内には立ち入っておりませんので、関係の皆様におかれましてはご容赦ください。なお、各看板の近くにはご丁寧にもこのような張り紙がありました。古さからみて、以前からあったものと思われます。

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一般論としてはその通りですが、これをもって「反戦ビラ」対策にしようとは無理を感じます。立川反戦ビラ訴訟が最高裁で争われていますが(一審:配布側無罪、二審:配布側有罪)、ピザ屋等の商業チラシがガンガンと配られているもとで、それに対して不法侵入の告発を行わないのに、反戦ビラのみ事実上取り締まるのは「不法侵入」ではなく言論そのものを取り締まり対象とする言論弾圧に他なりません。この点については、今後、当ブログとしても書いていきたいと思います。

さて、以上見てきたように佐藤正久氏陣営は防衛省敷地“前”に選挙運動の候補者ポスターを掲示しているわけですが、山田としては選挙というのはできるだけ自由に行なえるべき(買収や誹謗中傷を除く)と考えております。ですから土地登記を調べて「そこは防衛省用地にかかっていますよ」などと主張するつもりはありません。むしろ自衛官のみなさんに唯一行使できる政治的権利=選挙権の納得いく行使のために、佐藤氏だけでなく諸党派のみなさんも立ててはどうでしょうか?あくまでも各陣営の自主的なご判断にて、ですが。とくに主張(とりわけ憲法9条に対する主張)としては佐藤氏と対極に位置する日本共産党、社民党、9条ネットなどは掲示しませんか?

ところで「北海道護国神社はどうなったかしら?」と思い見てきましたら、相変わらずこういう状況(下の写真)でした。掲示がなされていない空白の日もあったようですが。これまでの「政治活動」から明確な「選挙運動」へと移行されたことを記しておきたいと思います。

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まったくの余談ですが、写真の真ん中のポスターにご注目いただけますか?佐藤氏の候補者ポスターを各官舎でずいぶん拝見しましたが、全部ベレー帽をかぶったものでした。しかしながらこちらだけが脱帽されています。2タイプあったんですね。レアもの?いや、それだけなんですが。

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2007年7月14日 (土)

〈アーカイブ〉旧陸軍第七師団「軍用水道」

●〈アーカイブ〉の新設について

旧サイトのうち、改めてブログにて紹介すべき記事を再録します。基本的にはそのまま転載しますが、一部手を加える場合もあります。

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2004年7月27日、知人のジャーナリストA氏から電話あり。A氏いわく、「いま戦争遺跡の取材をしていて、春光台の『軍用水道』を見に行くんだけど、戦前から春光近辺に住んでいる方にお話を聞きたいので紹介してもらえないか」とのこと。「えっ?『軍用水道』?初めて聞いた。面白そうだね。一緒に行っていいかい?」とすぐにお願いして取材に同行させてもらいました。翌28日、A氏、歴史教育者協議会のB先生(元高校教諭)とともに旭川市水道局石狩川浄水場(末広東)を訪ね、「軍用水道」について詳しく聞きました。

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【1997年掲載、道新夕刊の記事】

旭川市に市民を対象とした「水道」が引かれたのは戦後のこと。それまで市民は井戸水などで暮らしていたそうです。明治までは軍隊も同じでしたが、チフス(伝染病)が発生した事件を機に旧第7師団と軍人住宅のみ対象とした「軍用水道」を建設することを決意。明治43年4月に起工し、大正2年3月に完成しました。総工費は当時約44万円。現在の価格に換算すると約90億円にものぼる大工事でした。

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【写真①水道木管:石狩川浄水場展示品】

この水道は石狩川から取水して勾配を利用して現在の旭川市春光地区(旧4区)まで木管(写真①)で水を流します。ちなみにこの木管はいまだに地中に埋まっていて、土木工事をすると出てくるそうです。木管は陸上自衛隊旭川駐屯地内の「北鎮記念館」にも一部展示されています。

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【写真②覆蓋付緩速ろ過池】

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【写真③盛り土の上部分:突起は空気穴】

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【写真④盛り土脇の説明看板】

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【写真⑤水の無いときの内部構造】

さて旧4区まで到着した水はポンプを使って春光台にあげられます。そこで登場するのが今回紹介する「覆蓋付緩速ろ過池(ふくがいつきかんそくろかち)」です。「覆蓋」とは「天井」「おおい」のこと。なぜ「覆蓋」がついているか?には「軍用だから毒物や最近の投入防止のため」などの説を提示するサイトもありますが、実際にはそういう側面の検討もあったかもしれませんが主たる理由は対寒構造的な問題だと写真④の案内看板に示されています。写真③のように空気穴が開いていることからも対寒構造という説明が筋が通ってます。

「緩速ろ過池」とは砂利などを利用してゆっくりろ過をする池のこと。自然界が地下で行っている浄化作用を人為的に作り出そう、というわけです。写真②の奥側、盛り土された内部にレンガ造りの施設が埋設されています。写真⑤は掃除のときに撮影した内部の姿です。素晴らしいアーチ型にレンガが組まれています。ここに現在、「旭川市水道局春光台配水場」として春光台地域に配水されている飲料水が蓄えられています。いまは「ろ過」はしていません。「ろ過」は浄水場で行い、「配水池」の役割だけです。

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【写真⑥配水場の門:春光台公園側から】

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【写真⑦水神:配水場の片隅に祭られていました】

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【写真⑧軍用水道碑:春光台公園内】

明治時代につくった「軍」のみ対象とした水道施設がいまだに使えるというのは、いかに軍事には予算を使っていたかの現われです。実際、水は軍事の要であり、旧4区に立っていたポンプ場は爆撃があっても破壊されないように分厚いコンクリートで覆われていたそうです。自衛隊の給水部隊も補給の要であり、だからこそ「人道復興支援」の代表格にされたのかもしれません。

この水道施設は「近代水道百選」にも選ばれているといいますが、市民にはあまり知られていないように思います。ぜひ、歴史の証言者・文化財として保存して欲しいと思います。

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自・民・国民3党首が靖国神社に献灯

以下は読売新聞YOMIURI ONLINEより転載します。

転載ここから----------

安倍首相は13日、靖国神社(東京・九段北)で同日から始まった「みたままつり」に、戦没者の「御霊(みたま)」を慰めるちょうちんを献灯した。

「安倍晋三」と記され、肩書はない。関係者によると、費用は1万円で、首相のポケットマネーから支出した。

民主党の小沢代表や国民新党の綿貫民輔代表もちょうちんを献灯した。小泉前首相も首相在任時から毎年、献灯している。

安倍首相は4月、靖国神社の春季例大祭に「内閣総理大臣 安倍晋三」名で神前に供える真榊(まさかき)を奉納し、真榊料として5万円を私費で納めた。

(2007年7月14日1時26分  読売新聞)

転載ここまで----------

同じネタで別の新聞社は「8月の靖国神社参拝」があるか否か注目を集めている、ような趣旨のことを書いています。小泉前首相は最後、パフォーマンス参拝しましたが、靖国派本家の安倍首相はどうされますか。

それにしても主要政党・党首の政教分離認識はひどくお粗末と言わざるをえません。自らの言動が与える影響について考えたことがあるのでしょうか。靖国派が執行部を占めている、ということでは自民党、民主党のいわゆる「2大政党」(これを筆者は“9条改悪志向の2大政党”と思いますが)に違いがないことを示しているのではないでしょうか。

20070714k0000m010077000p_size6 【補充記事&写真】

左の写真は毎日インタラクティブから転載しました。百聞は一見にしかず、ということでご覧ください。毎日によれば約90名の国会議員が献灯したそうです。安倍首相の向かって左側3番目に衆院比例代表北海道選出で次期小選挙区6区から出るだろうと思われる旭川在住の今津寛氏の名前もあります。

ちなみに北海道護国神社の「献灯みたま祭り」は8月13日~17日までの予定だそうです。以下に北海道護国神社サイトからご紹介します。

転載ここから----------

Kentou3 8月15日になりますと各ご家庭ではお盆を迎えることになりますが、当神社に於きましても護国の英霊となられた6万3千有余柱に対し『献灯みたま祭』として社頭に灯篭を灯し、舞楽・舞の奉納をし、今日の平和の為に尊い命を失った英霊を偲び、感謝の誠を捧げお慰め申し上げます。静寂につつまれた参道を皆様の献灯をごらんになられて英霊もお喜びになられることと存じ上げますので宜しくお心寄せの程お願い申し上げます。

▼慰霊行事
・献灯みたま祭奉告祭 
・献灯みたま祭   
・献灯期間
8月13日 午前10時30分
8月15日 午前10時30分
8月13日~17日の5日間

▼献灯料について
・献灯料
・受付
1口:3,000円 / 5,000円 / 10,000円より
8月5日まで神社社務所にて受付

※ご奉納次第各位のお名前を灯篭に記して掲げ、ご神前に報告いたします。
ご不明の点がございましたら、遠慮無くお問い合わせください。

転載ここまで----------

北海道護国神社「献灯みたま祭り」の上の記事を読んでいただければニュアンスが伝わると思いますが、安倍首相らが納めた1万円はポケットマネーとはいえ「ちょうちん代」ではなく、「英霊」に対する「奉納金」なのです。「この人からこれだけいただきましたよ」と「英霊」に報告するためにちょうちんを掲げるわけです。ついでにいえば、そのちょうちんは祭りの出店目当ての一般客にもよく見えるわけです。肩書きこそなかったようですが、一国の首相が特定宗教団体に肩入れするということは政教分離の精神に抵触すると言わざるを得ません。

8月の北海道護国神社「献灯みたま祭り」、わが旭川市長殿はいかがなさるでしょうか?

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首相による靖国神社参拝に異議ある人はポチッとクリック!

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2007年7月13日 (金)

“ヒゲの佐藤”氏「防衛講話」問題で防衛省から回答来る

7月5日に送付した質問メールへの回答が、今朝、防衛省から来ていました。約1週間でのい回答、ですからまあ普通でしょうか。回答をいただいたことについてはありがとうございます、と申し上げます。それでは以下に転載します。

転載ここから--------------------

防衛省広報課です。

御質問の佐藤正久氏の「防衛講話」につきましては、佐藤氏がイラク人道復興等支援活動に従事した経験談を語っていただくことにより、自衛隊員の知識や教養を向上させるために行われたものであり、講話の内容に政治的な内容を一切含んでおらず、参議院選挙とは全く関係ない内容であることから、法令上問題があるとは考えておりません。なお、公職選挙法等に抵触しないよう、当然十分に配慮しておりますことを御理解下さい。

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  Ministry of Defense Public Information Dev.
      防衛省大臣官房広報課
    Mail : infomod@mod.go.jp
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転載ここまで--------------------

回答をみた第一印象は「まあ、そう言わざるをえませんね」ですね。ここで防衛省が「倫理的に問題でした」とか答えたら大問題になりますもんね。それではこの回答を検討してみたいと思います。

まず「防衛講話」の内容は「イラク人道復興等支援活動に従事した経験談」であり「政治的な内容を一切含んでおらず、参議院選挙とは全く関係ない」と述べています。講話の目的は「自衛隊員の知識や教養を向上させるため」であると述べています。よって「法令上問題があるとは考えて」ないし、「公職選挙法等に抵触しないよう、当然十分に配慮して」いるので、何も問題ありませんよ、という回答です。では本当にそうなのでしょうか?

私の手元に、とあるブログをプリントアウトしたものがあります。A4版で3枚。これはある地方の現役自衛官が自身のブログに書いた佐藤正久氏の「防衛講話」を聴講しての感想です。この感想から防衛省の「建前」とは異なる「防衛講話」の本当の姿が見えてきます。

当の自衛官氏を仮にAさんとしましょう。ブログのなかでAさんはこう述べています。「講話するのは参院選に出馬する元自衛官もといイラク第一次派遣隊ヒゲ隊長こと佐藤正久?だったかなで大方参院選に向けての演説でも…なんて思ってました」「クソ暑い体育館にぎゅうぎゅうで早くも居眠り続出の中講話は始まりました」。Aさん自身、本当は休みたかったみたいですが、休めず(業務として、なのか、上からの圧力で、なのかは不明)出席したと述べています。他の多くの隊員もそうなのでしょう。選挙動員されている建設業者さんと似た雰囲気ですね。そして防衛省がどう思うかは別として、現場自衛官には「参院選に向けて・・・」と受け止められているのです。そりゃそうでしょうね。

肝心の内容ですが、各地の講話タイトルが「いまイラク派遣の真実を語る」などとなっているようにイラク問題が語られています。それは防衛省の回答と同じですし、Aさんも「現場の真実」と述べています。佐藤正久氏が語る「現場」とはイラクの戦場に他なりません。

「講話」ではまずメディアの報道と現場の真実が違う、ということを述べます。日本のメディアは誇大報道をすると述べた上で、一番怖かったのは「町中の活動で周りの市民が突如ゲリラに変わる」ことだと述べたそうです。だから米軍があのような死者を出しているのだ、と。米軍の占領政策により人権も奪われ、普通に生活する自由もなくなったイラクの人々。公衆衛生のインフラが破壊されたまま、医薬品も入らず、外国NGOが医薬品を持ち込もうとすれば外国軍に規制される。そんな状況の中、子どもたちが感染症で死んでいく、結婚式をしていた人々が米軍機に誤爆され爆殺されるetc・・・。そんな状況のイラクにしたのは当の米軍です。その渦中に行くのですから、そういう不安があるのも当然でしょう。それは日本国憲法に違反して「日米同盟のため」「石油資源のため」と派兵されたからです。その「現場」=戦場を判断のベースにして佐藤氏は「現地での活動は自国でやってきた訓練などまったく役にたたなく頭を切り替えなければならなかった」「自分達がやってる規則的な訓練が本当はどうなんだ?実戦ではこうなんじゃないか」と疑問を呈し、そのために現場自衛官の声を出してほしい、と述べています。これは他者というより、「現場」に行った自分の声を聞け、ということに他ならないと思います。それは自衛隊の訓練基準を「戦場」におけ、ということ。それも日本を部隊とした祖国防衛のたたかいではなく、アメリカが展開する外国での「戦場」なのです。これは佐藤正久氏が参院選にあたり訴えていることと何ら違いません。そして、その実現のため「今現場の人の意見が通るような組織の体系を作りつつある」と述べたそうです。これは何を意味しているのでしょうか?2008年3月に新編される「中央即応連隊」を指しているのでしょうか。

またAさんによれば、イラク問題の後、「他にも自衛隊の体系や決まり事の是非や、いまの日本の憲法についてなど」にも言及したとのことです。「日本の憲法」についての講話内容が詳しく分からないので断定的なことは言えませんが、佐藤正久氏は7月12日に防衛省前で行った「第一声」で「集団的自衛権の解釈によって、友軍が倒れても助けることはできない。法的に問題があるが仲間はどんなことがあっても助ける。結果を出すのが現場だ」と憲法を“敵視”する発言をしていると7月13日付「しんぶん赤旗」で報道しています。これを踏まえれば、改憲を臭わす極めて政治的な発言があったとしても不思議ではありません。

Aさんはブログの最後で「自衛隊は外の一般企業みたいに何かを作るわけでもなく、収益をあげるわけでもなく、サービスを提供してるわけでもありません。でも今回の講話で自分の仕事にウンザリしてたけど、そんな風に考えてくれてた人もいたのがわかったし、いつか自分も国際貢献とか絶対いきたいって改めて思いました」と感想を述べています。これはAさんの本音だと思うのです。憲法と自衛隊組織の矛盾に悩む隊員たち。入隊の動機が純粋であればあるほど、任務に対して真面目であれば真面目なほど、悩みは増すでしょう。「訓練の結果を生かしたい」と思う気持ちもわからないではありません。佐藤正久氏をはじめとする自衛隊現元幹部たちは現場隊員のその気持ちにつけこみ、「国際貢献」の美名のもとに海外派兵させようとしています。むしろ国防は平和外交の意義を強調し、自衛隊は災害派遣・人命救助に特化した組織へと改組したほうが、どれだけ国民に愛される組織になるでしょうか?現職自衛官のみなさんに、ぜひ『君はサンダーバードを知っているか?』を読んで頂きたいと思います。そこで述べられた理念が、空想でなく現実にするもしないも国民の選択しだいなのです。

以上、佐藤正久氏の「防衛講話」と受講した隊員の感想を見れば、この「講話」が佐藤正久氏の政治的主張の場であると考えられ、投票依頼こそしてないでしょうが、防衛省の組織が主催する「講話」として相応しくないことを重ねて指摘します。

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2007年7月11日 (水)

「ヒゲの佐藤」氏“自衛隊ぐるみ”支援を「赤旗」が告発

当ブログ7月5日付記事「自衛隊が自民党参院予定候補を招き各地で防衛講話」で指摘した自衛隊による佐藤正久氏の組織的支援について、7月11日付「しんぶん赤旗」が社会面トップ扱いで告発記事を掲載しました。

P7110080 記事によると佐藤正久氏の自衛隊「ぐるみ」支援の体制は「佐藤まさひさを支える会」により構築されているとのこと。以下、記事から転載します。

こんな文書が部隊司令から隊員に「回覧」されています。「部隊長等各位」とあり、佐藤候補の決意、活動状況をつたえ、個人献金や「応援者の紹介」を求めたあと、こうあります。「正久を『タダヒサ』等読み間違えられるため、口座名を除き『佐藤』を漢字に、『まさひさ』を平仮名としております。ご了解下さい」。手の込んだ候補者名の駄目押しです」「回覧の冒頭には「司令」の印が押され、所属隊員名欄にサインが書きこめるようになっています。部隊関係者は「通常の業務で流されている」と言います。佐藤氏は、全国の駐屯地の体育館などに隊員を集めての「講話」に講師というかたちで連日のように立ち、全国二百五十の自衛隊施設中、二百カ所に足を運んで「票集めの斬りこみ隊長」(支える会役員)ぶりを発揮しています

これはどう読んでも国の機関である自衛隊による特定党派候補の支援活動であり、国家公務員法にも自衛隊法にも反する違法行為ではないかと思います。「思う」とかでなく、違法行為ですよ。この問題、7月5日の当ブログ記事掲載後、当会青年部長名で防衛省に対して質問状を送付しました。以下にご紹介します。

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防衛省・自衛隊 御中

私は旭川平和委員会というNGOで活動する者です。
以下の要望事項があり、貴殿に対し要望するものです。

2007年3月~7月4日までの間、各地の陸海空自衛隊駐屯地・基地等において「防衛講話」と称して、「今語るイラク派遣の真実」等の演題で元一等陸佐・佐藤正久氏が講演してまわっています。その詳細は佐藤正久氏本人の公式サイトの「活動報告」(http://www.mii.jp/blog/biz/index.php?catid=198&blogid=47)におい て、遡って確認できます。

ご承知のことと思いますが、佐藤正久氏は7月12日公示、7月29日投票の参議院議員選挙比例代表区において自由民主党の公認(予定)候補者となっています。現在、自由民主党東京都参議院比例代表区第62支部長の職にあります。

要望したいことは、私は政府機関である自衛隊が自民党公認(予定)候補を講師として招き650名とか700名とか多数の隊員に対して行う「防衛講話」の講師としてはふさわしくない、と考えます。佐藤氏のサイトでは「防衛講話」の主催者について明記されていませんでした。防衛省におかれてはぜひ調査頂き、仮に自衛隊の各級機構・部隊が主催となっている場合、これら「防衛講話」の即時中止を要望します。

仮に主催は任意団体であったとしても、会場として自衛隊の施設を提供することはふさわしくないと考えます。速やかに会場提供の中止を要望します。政府機関である自衛隊が、特定政党の候補者の氏名・顔・訴えを知らしめることに協力するかのような活動は軽挙といわざるを得ず、以後の善処を要望します。事実確認を踏まえ、趣旨説明も含めてご説明いただければと思います。

以上、要望します。

返答はメールまたは文書にてお願いします。
メール返送先 【メールアドレスを記載しています】
文書送付先 【住所を記載しています】

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この要望に対する返答は7月11日時点では何もありません。今後、防衛省から誠意ある回答を寄せられることを期待します。

●「佐藤まさひさを支える会」とは?

続けて「赤旗」報道は「佐藤まさひさを支える会」の自衛隊ぐるみ体制に、このような全国的な自衛隊「ぐるみ」支援を現実のものとする保障があるのだ、と「支える会」の体制について詳報しています。以下に当会の追加調査結果も付して整理してみます。

・会長 山本 卓眞氏(富士通名誉会長、日本会議副会長)

・顧問 歴代の防衛事務次官、統合幕僚会議議長経験者

・相談役 歴代防衛庁長官経験者

・代表幹事 元陸幕長(三菱重工に天下り)

・幹事 元幕僚長経験者(陸・海・空とも)など

・関東代表 今村 功氏(元東方総監)

・事務局長 奥村 快也氏(元陸自東北方面総監)

・遊説部 元陸自中部方面総監、元情報保全隊長(初代隊長、東芝に天下り)

・「支える会」本部 陸自5方面に対応した部に元方面総監、師団長経験者。海自・空自も元将官経験者を配置。内局(背広組)では元東京防衛施設局長。現場自衛官では若手自衛官の不祥事対策で設けられた「先任曹長伍長」経験者も。

また、茨城県隊友会下館支部臨時総会(2007年5月19日)では「審議議題」のなかで「(6)「政治連盟茨城県佐藤まさひさを支える会」の発足について他」との議題もあり、隊友会など自衛隊関係諸組織を基礎に各県レベルの「佐藤まさひさを支える会」が立ち上げられている様子も見られます。

●なぜ「自衛隊ぐるみ選挙」をするのか?

続けて「赤旗」は「自衛隊ぐるみ選挙」の動機について、自民党側の思惑と自衛隊側の思惑の「一致」がある、として次の関係者のコメントを紹介しています。

自民党が“ひげの隊長”として知名度の高い佐藤元隊長をかつぎだしたのは自衛隊員二十四万人と家族、OB票が目当て。さらに三菱重工から自衛隊グッズの土産店までいれれば三千社を数える納入業者の票は大きい。佐藤氏もイラク派兵時に十分な手だてもなく“戦場”にかりだされたことへの不満、要するに海外派兵するなら憲法も変え、十分に活躍できる装備や資金が使える本格的な派兵にすべきだという自衛隊・防衛省の言い分を国政に反映させるという思惑が一致した

安倍内閣の支持率は低迷しています。そのなかにあって久間元防衛大臣の原爆投下「しょうがない」発言での辞任、そしてそれをかばい続ける安倍首相。この姿に国民はあきれ果てています。彼らの脳裏には「自衛官とはいえ必ずしも自民党に投票するとは限らない」との焦りがあったのでしょう。これをまとめ上げてくれる“イラク先遣隊長”「ヒゲの佐藤」の知名度は、喉から手が出るほど欲しかったに違いありません。もしかすると、ここまで見越してイラク派兵時にマスコミ対策を行って「ヒゲの佐藤」効果を普及させたのかも?と疑いたくもなるほどの効果です。

一方で佐藤氏・自衛隊サイドとしては、法制面・予算面含めた「本格的海外派兵戦略」づくりの思惑です。しかし佐藤氏の「防衛講話」に動員される現場の一般隊員のみなさんは、そうなったときに真っ先に「敵」の銃口にさらされる方々。本当の祖国防衛ならまだしも、米軍追従の海外派兵のなかで大義もつかめずに断れず派兵させられることは本意でないと思います。「佐藤まさひさを支える会」という防衛省・自衛隊あげての「総力戦」組織の意をうけた佐藤正久氏に、その現場の声を汲み上げ、国会に反映させることは不可能ではないかと思います。

現場の自衛官のみなさんに申し上げたい。本当の祖国防衛の思いや郷土や家族を愛する心と、いま防衛省・自衛隊がすすめる「国際貢献」=私たちの言葉で言えば「海外派兵戦略」とは両立しないことをつかんでほしいと思います。みなさんが必死になって、ときには命を賭しての訓練は、米軍支援のための大儀なき石油目当ての侵略戦争のためにあるのではないのです。少なくとも専守防衛の大義のもと祖国防衛のためにあると、自任されていると信じたいのです。その大義のためには、自民党の参院戦略に乗せられるべきではないのです。

●メディアの役割

それにしてもこの問題、過日私たちも指摘していた問題ですが、背景にこのような自衛隊一体の選挙体制があるとは思いませんでした。その意味では表面に現れた問題の背後を取材し報道するメディアの役割について考えさせられました。他のメディアはこの問題、追いかけて報道するでしょうか?ぜひ地元北海道新聞にも掘り下げてほしいテーマであることを申し上げたい。

それにしても「しんぶん赤旗」は、情報保全隊内部文書を告発した共産党の機関紙だけあって問題意識の角度の鋭さに敬服します。そして自衛隊OBにも取材できているかのような取材力には、メディアとしての「力」を感じます。

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2007年7月 6日 (金)

映画『夕凪の街 桜の国』

0010 2004年秋に刊行され、2005年にかけて全国で話題になった『夕凪の街 桜の国』(こうの史代・作、双葉社・刊)が実写で映画化されました。7月21日広島先行上映を皮切りに、7月28日全国上映スタート。しかしながら、わが旭川では8月11日よりディノスシネマズ旭川で公開とのことで、8月6日に間に合わず残念ですが観にいきたいと思っています。

原作は「平成16年度文化庁メディア芸術祭・マンガ部門大賞受賞」ということでさらに話題になりましたが、そんなこと関係なしに、いまもなお続く原爆の惨禍を静かな筆で心の奥底まで届けてくれ、あらためて人間社会にとって核兵器は不必要だと教えてくれる秀作だと思います。

原作の単行本『夕凪の街 桜の国』は、3つの作品で構成されています。戦後10年目の広島が舞台の「夕凪の街」と現在より少し前の関東が舞台の「桜の国(一)」、現在を描く「桜の国(二)」です。「夕凪の街」の最後のページ(単行本34ページ)の次のページは空白ページです。私は単にページ繰りの関係と思っていましたが、こうの史代さんは「あとがき」で「このオチのない物語は、35頁であなたの心に湧いたものによって、はじめて完結するものです」と述べています。単行本34ページ目の最後のコマで描かれた主人公皆実の姿。人間が人間として小さな希望を抱いて生きたいと思う心をも蝕む原爆。では、あなたの人生は?あなたにつながる全ての人の人生は?あなたはどうするの?と皆実に直接問いかけられているようです。それへの答えを35ページ目に記憶させねばならないのです。こうの史代さんの静かなメッセージは、「どう生きるのか」を正面から突きつけました。

映画はこの問いかけをどう描いているでしょうか。単に作品としての秀逸さだけでなく、原作のもつ静かな、しかし強いメッセージとしての「問いかけ」を伝えるものになっているでしょうか。楽しみです。この夏、映画『夕凪の街 桜の国』を見て、原爆投下は「しょうがない」ものではなく、絶対に二度と行ってはならないことを心に刻みたいですね。

夕凪の街桜の国 Book 夕凪の街桜の国

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2007年7月 5日 (木)

自衛隊が自民党参院予定候補を招き各地で防衛講話

前回記事で書いた北海道護国神社に立つ看板問題の被掲示者の一人である佐藤正久自民党参院比例代表予定候補。遅ればせながら今朝気づいたのですが、各地の自衛隊(陸・海・空とも)が隊員むけ防衛講話(講話)の講師として佐藤正久氏を招き(または佐藤陣営によるセッティング)、多くの隊員に対し講演させていることがわかりました。これは佐藤正久氏の公式サイト「活動報告」で公開されています。

ちなみに佐藤正久氏のプロフィールを確認しておきましょう。以下は、佐藤正久氏公式サイトからの転載です。

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昭和35年 福島県生まれ(46歳)
佐原小、西信中、福島高校卒
防衛大学校(応用物理)卒
米陸軍指揮幕僚大学卒(カンザス州)
昭和59年 第4普通科連隊(帯広)
平成4年 外務省アジア局出向
平成6年 第5普通科連隊中隊長(青森)
平成8年 国連PKOゴラン高原派遣輸送隊初代隊長
平成13年 東北方面総監部防衛部(仙台)
平成14年 陸上幕僚監部:広報、訓練班長
平成16年 イラク先遣隊長、復興業務支援隊初代隊長
第7普通科連隊長兼ねて福知山駐屯地司令
平成19年 退官
自由民主党参議院比例区第62支部長

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つまり、現在は単なる自衛隊OBの一人で自民党参院比例代表予定候補です。いくらOBとはいえ、現に自民党が今月行われる参議院議員選挙で候補者として発表している人物を、国の機関である自衛隊がわざわざ隊員を集合させその前で講話させるというのは、自衛隊側の意図や建前は別としても、事実上の「選挙支援」と受け止められ、問題なのではないかと考えます。以下に「防衛講話」の様子をご紹介します。

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▲7月4日空自芦屋基地「約650名の隊員の前で、防衛講話をさせていただきました。真剣な眼差し、グットくるものがありました」(公式サイトより、以下カッコ内同じ)

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▲7月3日陸自山口駐屯地「山口駐屯地隊員及び山口地方協力本部員を前に、国際貢献の現場の講話を実施」「真剣に聴講して頂き、感謝です!」

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▲7月3日海自小月基地「約700名の隊員を前に防衛講話、迫力を感じました」

というように、陸海空のそれぞれの基地・駐屯地での最近の事例をご紹介しましたが、さかのぼればキリがないほど各地の自衛隊基地で講話をしています。詳細は佐藤氏の公式サイト「活動報告」をご覧ください。もちろん佐藤氏も参院選でバッチを目指す身ですから、上記「活動報告」にあるような例えば「7月4日佐藤まさひさ『平和の尊さを語る会』」のような「総決起大会」(本人談)も必要でしょう(銃を持つ軍隊を派兵しておいて、何が「平和」「尊さ」だと言いたいですが、当記事の本旨は別なので保留)。そこに自衛官が出かけることは個々の自由です(しかし現在、自衛隊員の政治的活動は「投票行動」以外禁止されており、「服務の宣誓」(自衛隊法施行規則第39条)で「・・・政治的活動に関与せず・・・」と誓約することになっています)。

しかしながら、自衛隊が組織として特定政党候補を招き「防衛講話」と称して事実上名前と顔、主張を「売らせる」行為は明らかに「特定政党への支援」にあたります。これこそ、「政治的活動に関与せず」に反し「服務の宣誓」違反ではないでしょうか。

防衛省・自衛隊は7月6日以降、参院選公示の7月12日まで(~7月29日は当然ダメ)、佐藤正久氏による防衛講話を行わないことを強く求めます。佐藤氏も、自衛官に支持を広げたいならば、自身既に行っているように門前朝立ちすればよいのです。佐藤陣営サイドも基地内での「防衛講話」を断るよう求めます。

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2007年7月 3日 (火)

宗教法人の「政治活動」論争

朝日新聞「声」欄では「『信仰の場』での選挙活動」について論議が起きています。

発端となったのは同紙2007年6月25日付「声」欄の「『信仰の場』で選挙活動とは」(専門学校非常勤講師、62歳)との投稿です。

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見えづらいかもしれません。この投稿では概要、「創価学会座談会に講師の一人として誘われ参加。終了後、『投票練習』と称し公明党推薦候補名や公明党と書くよう指示うける。税免除の会館で選挙活動に疑問」 とのことが述べられています。

これに対して、同紙2007年7月1日「声」欄には、先の投稿に対する賛否両者の意見が掲載されました。

0001

両者とも創価学会員だと明言しての投稿ですが、極端な温度差があります。それは政治活動、選挙運動へのスタンスです。仏教修行については誰も、何も問題にしていません(実際は論議があるようですが、今回のテーマは「政教分離」でもありますし)。茨城の主婦67歳さんがおっしゃるのは「選挙啓発の教育運動だ」との趣旨。一方、千葉の医療法人役員61歳さんは「無所属立候補者は座談会出席できず。選挙では政治一色」とむしろ仏教修行のために政治を排して欲しいかのようなニュアンスまで漂わせています。実際のところ、冒頭で専門学校非常勤講師62歳さんがおっしゃるような現実があるわけで、主婦67歳さんのおっしゃることは事実上空文化され、選挙で特定の候補に対して「大切」な「それぞれの一票」を投ずるための「啓発」が行われていることは明らかです。真面目な創価学会員さんのためにも、信徒団体として仏教修行に打ち込める宗教法人へと衣替えを図って欲しいとの声は意外に大きいのではないでしょうか。

このような創価学会のありように対し、異議を唱える立場の方々からは「非課税」の創価学会会館で選挙活動はいかがなものか?との問題提起が提出されています。以下は日蓮正宗(創価学会は以前、この宗派の信徒団体でしたね)妙観講という団体のブログに興味深い文章が掲載されていましたので引用します(お断りしますが、引用部分のみ興味深いのであって、この団体の活動に賛意をもっているわけではありません。誤解の無いように)。

「アメリカでは、国税庁が宗教団体の活動実態を調べた上で、個別に免税特権を与えるかどうかを決めています。つまり、宗教法人であっても、政治活動や営利事業を行なっている実態があれば、免税特権を剥奪(はくだつ)されます。例えば、牧師が一市民の立場で自分の政治信条に従って活動することは認められますが、教会の牧師という立場で話したことが分かれば、免税特権を剥奪されます。それほど厳格に政教分離が行なわれているのです。これに対し日本では、実態がどうあろうと、宗教法人の施設であれば、基本的に課税されない現実がある。ただ、固定資産税や都市計画税は、固定資産についての現況課税の租税であり、地方税法408条は、当該物件に対する課税庁の毎年の実地調査を義務付けていますから、たとえ、それが宗教法人の施設であろうと、利用状況を精査した上で、課税・非課税を決めなければならないはずなのです」(北野弘久・日本大学名誉教授)という。

それでは条文を見てみましょう。そもそも宗教施設が固定資産税非課税となることを定めた地方税法348条2項3号。

第348条 市町村は、国並びに都道府県、市町村、特別区、これらの組合、財産区、地方開発事業団及び合併特例区に対しては、固定資産税を課することができない。

 固定資産税は、次に掲げる固定資産に対しては課することができない。ただし、固定資産を有料で借り受けた者がこれを次に掲げる固定資産として使用する場合においては、当該固定資産の所有者に課することができる。

(1-2号、略)

3.宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地(略)

(4号~、略)

次に北野名誉教授が「毎年の実地調査」の義務があるとした地方税法408条。

第408条 市町村長は、固定資産評価員又は固定資産評価補助員に当該市町村所在の固定資産の状況を毎年少くとも一回実地に調査させなければならない。

条文を読めば地方税法348条2項が一律にここに掲げられた固定資産に対する課税を禁止しているようにも読めます。だとすれば宗教施設一般に対して固定資産課税が認められていないことになります。しかしもう一方で、同条2項3号には「宗教法人が専らその本来の用に供する・・・境内建物及び境内地」を具体的に指定している点が注意をひきます。つまり宗教法人法では非公益事業が「目的に反しない限り」において認められており(宗教法人法6条2項)、その事業に対しては課税措置がとられるものと思います。

となれば、「政治活動」「選挙運動」が宗教団体の「目的」となりうるか、ですが、これは議論があるところのようですが、少なくとも宗教法人としての認証をうける設立登記の際申告する「目的」(宗教法人法第12条1号)に明記されていないことには厳しいのではないか、と思います。少なくとも非課税の対象に含まれる「本来の用に供される・・・境内建物・地」にあたらないのではないか、との疑義です。

創価学会の場合、目的は「仏法の実践を通して、一人一人が崩れる事のない真の幸福境涯を確立すること。そして日蓮大聖人の仏法への理解を広めつつ、「生命の尊厳」と「ヒューマニズム」の精神が脈打つ仏法の哲理を根本とし、平和、文化、教育の運動を推進し、社会の発展に寄与する事」(RIRC宗教教団情報データベースから)とされており、政治活動・選挙運動が宗教法人本来の活動とはいいきれず、ましてや「一人一人・・・真の幸福境涯」と「指示された候補者名を記入する練習」とは相容れるのか疑問です。

つまり、市町村は宗教法人の境内建物・境内地について、明らかな「目的違反」を認めれば、「実地調査」に基づき課税することもありうるのではないか?と思います。(ただし、創価学会の政治活動・選挙運動については実態の告発がなされているところでもあり、今後の良識ある会員による自浄作用に期待します)。

さて前置きが長くなりましたが、宗教法人がその本来の目的に反する政治活動・選挙運動を行った場合、それに供せられた建物・土地までもが固定資産税非課税でよいのだろうか?との素朴な疑問です。次の写真をご覧ください。

P7020071 こちらは旭川市花咲町の北海道護国神社です。写真に見えるブロック塀の右側が公道、左側が境内地です。このブロック塀の境内地側に立て看板が立てられ、自由民主党の演説会告知ポスターが貼られています。私・山田が気づいたのは7月2日月曜日でした。この辺りは普段あまり通らないとはいえ、6月30日土曜日も通行しました。あれば気づくと思うので、恐らく7月1日頃に設置されたのではないかと推察します(間違っていたら教えてください)。貼られているポスターはこちらです。

P7020072 安倍晋三首相と元自衛官・イラク派兵先遣隊長だった佐藤正久自民党参院比例予定候補の連名ポスターです。東京の自民党本部が会場の8月の演説会の告知ポスターですから、普通に見れば明らかに参議院議員選挙のアピールポスター(選挙運動)と受け取ると思いそうですが、法的には通常の政治活動の範囲に含まれるものです。来る参院選(7月12日公示、7月29日投票)で自衛官票を獲得したい自民党がその筋の「切り札」として投入したのが「ヒゲの佐藤」こと佐藤元一等陸佐なのでしょう。

以前にも第2師団創立記念行事の際、出口付近の柱(街路灯だったか電柱だったか?)に括りつけてあった似たポスターについて報告していました。あちらは山田による報告後、すぐ撤去されていました。やはり「柱はマズイ」となったのでしょうね。そこで駐屯地向かいの北海道護国神社境内に建てちまおう、となったかどうかは知りませんが、境内地側に4ヶ所、ブロック塀外側に1ヶ所、合計5ヵ所(各看板あたりこのポスター3枚掲示)、ポスター15枚が掲示されております。

P7020070 裏側はこんなかんじになっています。

●拝啓、西川将人旭川市長様

以上、ご報告してきたように宗教法人である北海道護国神社さんが、本来の目的に含まない(だろうと思う)特定政党を支援する目的で政治活動に境内地を提供しています。よって、境内地側の4ヶ所の立て看板につきまして、各看板の足が杭うちされている四角形の面積×4にかかる固定資産税を365分の掲示日数(今後積算されます)だけ実地調査の上、徴収してはどうでしょうか?つまりこれは、本来旭川市民のために用いられる貴重な税収入となるべきものです。前職菅原功一市長が行ったような「これまで非課税だった車庫まで全て調査して突然課税する」ような愚挙をやるよりも、はるかに少ない人員・時間で解決できる問題だと思います。ぜひともご検討ください。

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