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2007年6月22日 (金)

靖国DVD『誇り』-文科省委託を辞退

「しんぶん赤旗」6月22日付の報道によれば、この間当ブログでも問題提起していた日本青年会議所(日本JC)作製のDVDアニメ『誇り』を使用しての「近現代史教育プログラム」について、世論の批判をうけて文部科学省中等教育局長宛に「辞退」の文書を同会議所・奥原祥司会頭名で提出していたことが明らかになりました。

この問題では5月上旬に共産党の石井郁子氏が国会質問で取り上げ、全国的に各種団体により教育委員会への申し入れや抗議活動が広がっていました。「しんぶん赤旗」もキャンペーンをはり、一連の動きをこまめに報じてきました。一方で、メディアではあまり取り上げられていませんが韓国青年会議所がこの問題で全韓国的な抗議行動を展開していたそうです。ブログ「土佐高知の雑記帳」さんから教えていただきました。感謝。

Article1 左は韓国青年会議所(以下、韓国JC)サイトから転載した写真。これを見ただけでも韓国側の怒り具合が読み取れるかと思います。このサイトを友人に頼み翻訳していただきました。一部だけ紹介しますと、こんなことが書いてあります。

<タイトル>
"日帝侵略美化,歴史歪曲DVD 廃棄しなさい" 要求
[糾弾大会] “日帝侵略美化、歴史歪曲DVD廃棄せよ”要求
全国各地から1000余名のJC会員参加し糾弾大会が開催された

また本文では「ソン・インシク中央会長の大会辞を始まりに進行された行事は決議文朗読、関係団体の団体長挨拶の言葉,坊主頭式、厄払い共同行動と続き、日本青年会議所が作った DVD ‘誇り’を糾弾するシュプレヒ コールで市民たちの呼応の中に鍾路区(チョンノ区)の日本大使館まで街頭行進をした」と「糾弾大会」の概要が紹介された上でソン中央会長の挨拶、集会での決議文が紹介されています。決議文のなかでは最後に「私たちのこの警告と要求が受け入れられない場合、私たちは日本青年会議所と40余年間持続してきたすべての友好交流の中断も辞さないと決意する」とのべ、日本JCに対して猛烈な抗議を行っています。この集会は6月14日のもの。韓国JC2万余を代表してとのこと。

Sevp2 文化の違いなのか、ちょっと驚きつつ一瞬笑いそうになったのが「坊主頭式」ですね。でも真剣な決意表明の儀式なんですから笑ってはいけないことは重々承知です。本文でも「何より印象的な場面は 2万余韓国JC 会員たちの決然たる意志を表明し、厳肅な雰囲気の中で進行されたイ・ヨンデ常任副会長,ユン・ソンチァン仁川地区会長,キム・ソンギ仁川地区外務副会長の坊主頭式だった。これは我が会員たちの日本政府に対する強い謝罪要求の表現でもあった」と述べています。日本人がこの「強い謝罪要求」がなぜなのか?について深く理解する必要があると思います。私たちは靖国DVDではなく、もっと別のものを深く学ばなければならないのです。例えば日中韓の歴史学者が共同研究で完成させた歴史教科書などはどうでしょうか。

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この韓国JCはじめ国際世論の反発、共産党や各種団体等国内世論の批判をうけての「文科省委託辞退」ではないかと思います。少なくとも「文科省のお墨付き」の触れ込みで全国の中学校への売込みはできないことになります。この点は評価すべきかと。

しかし中にはこういう反応をしている人もいます。「濱口和久の『国を憂い・国を想う』・竹島は日本領土」ブログより。

●日本JCの「辞退」記者会見について→「(略)また、今回の騒動を受け、(社)日本青年会議所としては文部科学省と新教育システムプログラムの依託契約を結ばない旨の発表がなされた。私は文部科学省とは正式に依託契約を結び、「近現代史教育実践プログラム」を展開しても何も問題はないと思うのだが。これでは共産党や朝日新聞が喜ぶだけだ。出席した記者の中には「このDVDは全く問題ない。共産党が騒ぐ理由がわからない」という(産経新聞)記者もいた。」

●韓国JCの抗議について→「日本国内でも日本共産党や朝日新聞をはじめとする左翼マスコミは「誇りのDVD」を批判しているが、今回の(社)韓国青年会議所の行動は、日本共産党や朝日新聞の動きに連動している。「誇りのDVD」の内容は韓国には一切関係がなく、(社)韓国青年会議所から文句を言われる筋合いのものではない。この際、(社)日本青年会議所は(社)韓国青年会議所と関係断絶ぐらいの態度に出るべきである。」(下線部は当ブログにて付加)

この濱口氏、様々な団体をごっちゃにし「左翼」と批判するのはよいとしても、下線部「韓国には一切関係がなく」とはよく言えたものです。こちらも「土佐高知の雑記帳」の指摘より引用しますが、靖国DVD『誇り』では幽霊の「戦死した青年」が現代の女子高生に対して「うん、日清・日露戦争に勝ったことで、日本が朝鮮半島と中国大陸の満州、そして台湾を統治下に置いたことは、昨日話したよね?日本はこれらの国を近代化する為に道路を整備したり、学校を建設した。さらに行政の整備などを推し進め、それぞれの国の水準を引き上げる努力もしたんだ」などと「日本は植民地支配でいいことばっかりしたかのように説明」(土佐高知の雑記帳より)しています。これは朝鮮半島はじめ戦前の植民地支配の反省の微塵も見られない立場です。

さて問題は今後ですが、日本JCが現場レベルでどのような動きに出るのか、が注視されます。地方青年会議所レベルでは必ずしも日本JCや濱口氏のような「徹底した」態度は貫かれていないようです。地域によっては黙殺しているJCもあるようで、日本JCも地域の主体性に任せているようです。それだけに、日本JCとしてはどれだけ『誇り』の教育システム自体を使って地域JCの幹部を「教育」できるかにかかっているだろうと思われます。今後、まず攻勢がかかるのは地域JC幹部に対してではないでしょうか。

また、旭川JCのように既に石破元防衛庁長官を招聘して自衛隊広報館「北鎮記念館」の完成を祝い、軍都旭川の歴史を軍・財界サイドの視点から再認識させようというフォーラムまで開いているJCの場合、民間レベルでの靖国DVD『誇り』上映運動が展開される可能性もあります。これらの動向を注視せねばなりません。

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