護国神社祭を訪ねて-見たまま、感じたまま
「平成19年度北海道護国神社慰霊大祭」(以下、護国神社祭)を訪ねてきました。目的は政教分離の実際がどのようになっているか?靖国派の啓発活動がどのように行われているか?でありますが、太平洋戦争で国の誤った政策の犠牲となり、命を落とされた方々に対する哀悼の意は少なからず持っていることをあわせて表明しておきます。
今年も護国神社につくと神職による「遊就館を見た人の感想文」朗読等の「プロパガンダ放送」で迎えられました。昨年と同じ人物なのですが、独特の口調で実に抑揚なく永続的にしゃべりつづけます。ある意味鍛錬された「しゃべり」のプロですな。
6月5日の本祭第1日目、境内は各地からの参拝遺族でぎっしりです。とはいえ、昨年よりも桟敷席に空白が目立ちました。どの分野も高齢化による人手不足は大変なのでしょう。おばあちゃんが孫に「ばあちゃん、はやくー」と手をひかれてお守りを買う様や、若い家族が車イスのおばあちゃん、おじいちゃんを押してゆくすがたは暖かい気持ちを感じさせます。
左は5日のスケジュール。見てもよくわかりませんが、大祭委員長挨拶、というのは毎年時々の情勢に基づき彼らの問題意識を反映し、それらを遺族達に伝達するようなメッセージ性を帯びており、今年もビデオではしっかりと撮りました。
「靖国の神の歌」は昨年と同じ市内のコーラスグループが歌いました。女性ばかりのグループ(指揮者は男性)です。歌い終わったときに正面に迎って礼をするのですが、他のみなさんがしっかりと45度くらいの礼をするなかで、一人だけ頭を会釈よりも少なめに動かしただけの人がいました。市内の合唱団に詳しい友人の話では「そのコーラスグループは別段、宗教的、思想的に背景があるとは聞いていない。頼まれたから出たのだろう」とのこと。さすれば、なかには護国神社に頭を下げるのをよしとしない人も、仕方なく歌うのかもしれない。まあ、腰を痛めていたのかもしれませんけどね。
でもって左が「靖国の神の歌」。共通するキーワードは「いさお」かと。一番「捧げ給いし そのいさお」。二番「父のいさおを 思い出て」。三番「死をもて守りし そのいさお」。四番「つくし給いし そのいさお」。必ず登場し、歌詞の要をなしています。では「いさお」とは何か?漢字をあてると「勲」か「功」だろうと思いますが、三省堂『漢辞海』によれば「勲」なら「名詞①大きな功労。功績。いさお。いさおし」「形容詞①功労のあるさま。『勲臣』②功績をたたえるための。『勲章』」などとあり、その後に「なりたち」という解説があります。そこには「王者の事業をよく成就させる功績」とあります。また類義語説明で面白いことが書いてあります。【勲・功・庸】とあり「ともにてがらの意であるが、王に対する功績を『勲』、国家に対する功績を『功』、民衆に対する功績を『庸』といった」とあります。ここで歌われている「いさお」が「勲」であろうとも、「功」であろうとも、結局は王(天皇)や国家(政府)に対するものが評価されており、「庸」ではないと受け取れますね。
さて制服自衛官の参拝ですが、今年も陸上自衛隊北部方面総監以下草々たるメンバーが特別来賓として参列しています。今年デジカメを忘れたので左の写真は昨年2006年の例大祭のものです、ご注意を。でもまあ、人がちょいと変わっただけで絵はほぼ同じです。舞台で「浦安の舞」が始まるころ、彼らが肩書き付で紹介されながら「玉串を奉りて拝礼」します。ここで問題と思うのは、彼らは勤務時間中なのかどうか、です。当然、年休を取得して私的に参拝しているはずです。でなければ大問題です。この点は第2師団に質問状を送ってみたいと思います。同時に、仮に年休中であったならば、いくつかの問題が生じてきます。第一に随員が同行していますが、随員にも年休をとらせたのか?第二に年休中とはいえ、政教分離問題が提起されている折に官支給の制服を着用しての参拝とはいかがなものか?これについては米海兵隊は軍の許可のない勤務時間外の軍服着用は軍規違反だそうです。その点、どうなんでしょうか。ぬるいのでしょうか。これらも質問してみたいと思います。
左は参列者一覧の自衛官関係分あたりの抜粋です。とくに第2師団関係の参列者を見てください。師団長以下、旭川駐屯地関係の駐屯地司令、2連隊長、3大隊のうち1大隊長、業務隊長、地方協力本部長など主要なメンバーはみな参列しています。このとき、理屈としては駐屯地には第2高射特科大隊長と第2施設大隊長などしかいなかった、ということになります。もちろん夫々の職について留守担当者は配置されているのでしょうが。それにしてもいいのでしょうかね。
それから航空自衛隊、海上自衛隊も各幹部が参加しているのですが、遠方からわざわざご苦労ですよね。海自なぞ大湊からでしょう。みな年休とって自費で参列しているのでしょうか。ご苦労様です。
ちなみに政治家の参列者ですが、全員は把握していませんが気づいた人だけ。今津寛衆院議員は当然でしょうね。参院議員が一人いたように思いましたが名前聞き漏らしました。伊達忠一さんでしょうか。道議は聞き漏れ。市議では市議会議長の岩崎氏(民主党)、佐々木邦男氏(民主党)、高見一典氏(民主党)の姿を見ました。佐々木(邦)氏と高見氏は式典後の直会(なおらい、懇親会)にも参加しようと平成館(旧兵事記念館)にむかって歩いていくのを見ました。護国神社祭への自衛官や政治家の参拝に問題意識をもっている「政教分離を守る北海道集会実行委員会」の構成団体には平和フォーラムも名を連ねており、平和フォーラムを構成する労組は民主党の主要な支持団体であるにもかかわらず、そういうことはあまり関係ないのでしょうね。岩崎議長は農家出身、高見氏も農民連盟が母体ということで、農村地域ではいまだ神社の隆盛は著しいと見るべきなのでしょうか。
こちらは「浦安の舞」。正確には忘れましたが諸国安寧を祈る舞だそうで、本来巫女さんが踊るところが、当日は全国全道から集まる神職(宮司など)たちのお世話で忙しすぎて、昼間のこの時間は踊れない、という理由から人づてに有志を募ったそうです。4人のうち一人は高校生だそうですよ。社会人は年休をとっての舞台。それでも練習してやりがいある舞台なのでしょうね。芸術としては一つ見るべきものがあります。場所がちょっと、と私は思いますがね。この浦安の舞、翌6日の祭事でも踊られるのですが、その際は本殿の真ん前で踊っていました。6日の第二日目は参列者はほとんどいませんから、舞台で踊っても遠すぎるのでしょうか。
プログラムにあった「同期の桜」。以前はボーイスカウトが踊っていたそうですが、去年も今年もプログラムには記載があるのですが、去年に続き今年も踊りはありませんでした。どこか他の時間にボーイスカウトのみなさんは踊られたのでしょうか。初日の夜などにやっていたなら、ぜひ教えてください。いづれにしても、本祭第1日目の「同期の桜」の舞はありませんでした。
消防団員さんが目立ちましたね。随所に制服を着込んで「警備」のようにたっていました。あれは何なんでしょうか。展転社刊『シリーズふるさと靖国5 「故郷の護国神社展」の記録 故郷の護国神社と靖国神社』(靖国神社編)によれば、「招魂合祀は各護国神社独自で斎行しており、自衛官・警察官・消防官などの公務殉職者を合祀している護国神社もある」との記載があります。同書によれば北海道護国神社にはそのような合祀者はいないようですが、これらが関係しているのでしょうか。ご存知の方、教えてください。
以上が見たまま、感じたままの感想です。今後、追加調査したことなどを随時報告していきたいと思います。どの立場からのものであれ、情報をお寄せいただければ掲載します。
| 固定リンク
「靖国派」カテゴリの記事
- 旧「第七師団転地療養所」について(2008.04.23)
- 2008年の「3・8国際女性デー旭川集会」に参加して(2008.03.18)
- 2・11「建国記念の日」関連集会/参加報告(2008.02.12)
- 2008年1月例会:沖縄問題を再び考える(2008.01.12)
- 8月例会「靖国DVD『誇り』から考える近現代史」(2007.08.13)

コメント
追記:参拝した市議会議員情報
安住太伸市議(無所属)も参拝していたことが同氏のブログで明らかになりました。安住氏は自民党籍があったかた。
投稿 山田 | 2007年6月 7日 (木) 13時20分